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見せる収納と隠す収納でおしゃれにゾーニングするコツ【ミニマリストおふみの知恵袋】

2020.10.13

物を減らすことで在宅ワーク中でも自宅を快適に過ごすコツをまとめた、おふみの知恵袋vol.03『ワークスペースを確保するための捨てる技術』特集! 今回のおふみの知恵袋は『ワークスペースを確保するための捨てる技術』でも紹介していただいている、“ゾーニング”についてより詳しく紹介していただいた特別版です。複数の役割を一部屋で賄うために必要なゾーニングや、ゾーニングとインテリアを両立させるコツなどを解説していただいています。

今回はゾーニングのお話をしたいと思います。

おふみの知恵袋vol.03『ワークスペースを確保するための捨てる技術』でもお話しましたが、在宅ワークや在宅学習の普及により、本来オフィスなどの場所が担っていた仕事スペースや学習スペースといった役割を自宅で賄うケースが増え、一部屋でいくつかの役割を担わなければならないケースが増えました。
例えばワンルームなら一部屋の中で寝室・リビングダイニングに加え、仕事用スペースとしても使うなど、これまでは外で賄われていた役割も自宅に追加されることが多くなったのではないかと思います。それと同時に自宅に役割が集中することで使いにくさを感じたり、リラックスしにくくなったと感じられることが増えたのではないでしょうか。
複数の役割を同じ空間で賄ううえで、利便性や快適性を下げないために重要になってくるのがゾーニングです。

ゾーニングとは

ゾーニングとは何か?

対象となる分野ごとに意味合いが少しずつ異なますが、整理収納におけるゾーニングとは、下記の意味合いです。

住まいを機能的にするために場所ごとに、各間取りにモノの配置を考えていく、つまりはゾーンごとに収納計画を立てることをゾーニングといいます。
(整理収納認定講座1級 P43 より)

また、インテリアにおけるゾーニングの場合は、シーン別に空間を区切ることを意味します。

家の中で行う行為は食事・身支度・休息・仕事などさまざまなシーンがあります。
例えばワンルームの家でそれらすべてを行う場合は、ダイニング・リビング・寝室・仕事部屋としての用途が一部屋にまとまることになります。こういった場合は家具の配置によって一部屋をシーン別に区切る必要があるのです。

複数の用途として空間を使う上で、視界に入るものによって使いたいシーン別の快適性が変わってきます。
例えば、寝室とリビングダイニングが別の部屋になっている場合は、扉を閉めれば間仕切りすることができますが、一部屋になっている場合はリビングで食事をしているときにベッドが、ベッドからは食事スペースが視界に入ります。一部屋に用途を複数持たせる場合はパーティションを設置したり、家具の配置を変えたり、視線を遮るシェルフなどを配置したりして、視界を区切ることで快適に過ごすことができます。

視界を完全に遮ってしまうと圧迫感が出るという場合も、シェルフを背板のないオープンタイプにすると向こう側が透けて見えるので、部屋の真ん中に置いた時に視界を適度に遮りつつも圧迫感を抑え、ゆるやかに部屋を間仕切りすることができます。

”見せる収納”と”隠す収納”の違いと収納方法のコツ

シェルフがオープンタイプの場合、「見せる収納」になるので、中にしまうものの物量や、すっきり見せるための収納方法に気を配る必要があります。

見せる収納と隠す収納は、それぞれ特性が異なります。
扉がついた中身が見えないタイプの「隠す収納」の場合は、物量について見せる収納ほど気を使う必要はありません。収納力が10割だとすれば、この量に収まるようにものを収納すればよいです。扉で隠れるので、収納力の最大の物量までしまうことができます。収納したい物量が多い場合は隠す収納を選ぶと良いでしょう。また、収納には取り出しやすい高さというものがあります。例えば押入れであれば、中段→下段→上段の順に使いやすくなっています。使用頻度の高いものを取り出しやすい箇所に配置し、使用頻度の低いものを低い位置や高い位置などやや取り出しにくい場所に配置していきます。

見せる収納だと先述の通り、圧迫感が出過ぎず軽やかな印象になります。しかし、扉がついていないので、例えば収納力10割に対して10割の物をそのまま収納すると、物が溢れた雑多な印象になります。

オープンシェルフに物が見える形でそのまま収納する場合は、「ディスプレイ」だと思って、ここに置くものは人に見られるという意識で余白を持たせながら配置することで、すっきりした印象のお部屋にすることができます。

しかし、収納家具を導入したからには、すっきり見せつつも、極力物を収納したいところ。そこで、10割まではいかないまでも、ある程度の物量をすっきり見える形で収納する方法についてお伝えします。

コツは「隠す収納用品」を用いて、収納一段ごと、もしくは一段の半分などひとかたまりごとに、その種類を揃えることです。見える物の色味を3色程度に絞るとごちゃごちゃとして見えません。また可能であれば、中身が透けないものを使用するとすっきり見えます。

例えば、この画像の例であれば、1段目をディスプレイ台的に用いて、絵や植物など審美性の高いものを配置し、2段目~4段目に収納用品を配置してその中に雑多なものを収納しています。
2段目の右側にグレーの収納ケースを3つ並べて置き、3段目には白のファイルボックスを4つ並べて書類などを収納、4段目には蓋つきの茶色いボックスを2つ並べて、その横にグレーのファイルボックスを2つ並べています。その間にディスプレイ的な要素の強いものや植物などを配置して、余白を残すようにしています。

もしこの収納ケースを使用せず、中身をそのまま見える形で収納した場合はかなり雑多な印象になるはずです。

例えば、背表紙が色とりどりでサイズもまちまちな本や、容器の形状がバラバラなスキンケアグッズ,ネイル用品などは、隠す収納用品に納めることで、すっきりさせられます。加えて、ケースにしまうことで形状の違うものをひとまとめに管理でき、上限量を設定できます。上限を超えないように増えたら減らすということを意識して、そのジャンルの物の量をコントロールしやすくなります。

見せる収納がごちゃごちゃしてしまっていないか定期的に振り返る方法として、写真に撮ってみると良いでしょう。撮影することで第三者視点を取り戻せるためおすすめです。

反対に、部屋の表に置いておいた方が使い勝手のよい物もあります。例えば冬物のコートなどは水気を飛ばす必要があり、また頻繁に洗うことができないので、風通しの良い部屋の表に収納する必要があります。

他にも、何かを習慣にしたい時に、その存在を忘れないためにあえて目につきやすい場所に出しておくというのも、習慣化におけるひとつの作戦です。例を挙げると、目につく場所に手帳を置くことで手帳を使うことを習慣づける、というようなことです。

加えて、審美性の高いものも、見せる収納に適しています。ただし、すっきり見せるためには少数に絞ることをおすすめします。例えば装丁の美しい本を一冊、表紙が見える形でシェルフの上に立てかけて置いておくと、絵画やポスターを飾るような感覚でインテリアに彩りを加えることができます。あれもこれもといくつも部屋の表に置くと、本もほこりをかぶりますし、本を置いてある台を拭き掃除する際に動かす必要が出てきて、部屋の掃除の手間が増えます。飾るのはあくまで掃除が億劫にならない程度に収めることを意識します。

『ワークスペースを確保するための捨てる技術』を合わせてご覧いただくとより理解が深まると思います。快適なお部屋作りを実現するお手伝いができれば幸いです。

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