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スマートエントランス&人が集まる家を徹底解剖!|『TDYリモデルコレクション2018』に行ってきた(10)

2018.07.31


ライフステージによって家に求めるものは人それぞれ。TDYリモデルコレクションのブース7「スマートエントランス」とブース8「人が集まる家」は、育児中ファミリーと子育て後の夫婦がそれぞれ趣味を楽しむことをテーマとしたブースでした。家族が使うことを前提としたブース7と来客を想定したブース8では、求める便利さもそれぞれ異なりますがリノベーションの核となる対象場所も異なるようです。
※画像はTDYリモデルコレクションホームページより

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「スマートエントランス」なブース7と「人が集まる」ブース8

『TDYリモデルコレクション2018』は「十人十家(じゅうにんといえ)くらしの想いをわたしらしく」をコンセプトにされているそう。今回特集するブース7~8は子育て真っ最中の夫婦と、子育て後の夫婦がいかに趣味を楽しむかということに特化したつくりとなっていました。どうしても数が多くなってしまう子どもの外遊びおもちゃや、汚れがちなアウトドア用品をいかにスマートに収納し普段の生活も便利にするかを考え「エントランス」という空間にこだわったブース7の夫婦。
そして、いかに人が集まりやすくするかを考えたときに、エントランスではなく縁側を土間に変えたブース8の夫婦。どちらも出入り口をリノベーションするという意味では一緒ですが、その異なるアプローチ方法は必見です!

ブース7:かしこく暮らす「スマートエントランス」


※画像はTDYリモデルコレクションホームページより

《ブース説明》
家族構成:夫(30代/公務員)
趣味: スポーツ・ アウトドア/妻(30代/保育士)趣味: 写真/ 子供(7才/小学生)/子供(4才/幼稚園)/子供(0才/乳児)
家族が増えたのを機に、一念発起して中古の一軒家を購入することにしました。一番こだわったのは玄関。以前の賃貸マンションは玄関が狭く、子供たちの靴に外遊び道具、ベビーカー、そして趣味のキャンプ用品まで足の踏み場もない状態だったのです。まず、玄関は開け閉めラクラクのキーレスドアに。次に玄関横の部屋を改装し、玄関やカーポートから直接靴のまま出入りできる収納ルームをつくり、すっきりエントランスにリモデルしました。行き場を失っていたキャンプやアウトドア用品も収納できて、夫と子供たちの秘密基地になりそうです。
※TDYリモデルコレクションホームページより引用


ポイント1.スマートな動線

※画像はTDYリモデルコレクションホームページより

乳幼児と生活していると、とにかく移動が大変というのは全ママさん&パパさん共通の悩みではないでしょうか。オムツに着替えにお手拭きに……と、お出かけ前の準備も大変ですが、大荷物を抱えた状態でベビーカーを押したり、走り回る子どもと安全に注意しながら移動するのはとっても大変ですよね。
スマートエントランスを見てみると、一般的な玄関に工夫を加えて便利にするだけでここまでラクになるのか、と驚くことばかりでした。スマートエントランスでは駐車場と直接つながっている扉と、駐車場からスロープでつながっている扉の2か所から出入りすることが可能なのだとか。普段は駐車場から出入りすればベビーカーなどの大きい荷物も最小限の手間で運べますし、車でお客さんが来たときにもスロープを通ってスムーズに広い玄関に案内できますね。

ポイント2.開け閉めラクラクのスマートなドア

※画像はTDYリモデルコレクションホームページより

ホテルの客室などでは便利なカードキー対応のドアもよく見かけますが、一般家庭のドアでカードキーの付いたドアはあまり見ないですよね。しかしスマートエントランスは、便利なカードキーも含め開け閉めをラクにするためにいくつかの開錠・施錠方法が選べるYKK APの『コンコード』というドアが採用されています。
こちらの『コンコード』には、スマートコントロールキーという機能がついていて、カードキーやリモコンで操作できたり、指定のシールを貼ることで好きなものを鍵にできたりとまさに自由自在! そして最近の物件では珍しい引き戸型なところも、ベビーカーや車いすを押していても開閉しやすいようにという工夫なんだそう。昔ながらの引き戸では和風のデザインしかなかったり、断熱性がよくなかったりという課題があったそうですが、課題を克服して引き戸のメリットを最大限に活かしたところがまさにスマートですね。(別記事にて詳細)

ポイント3.趣味のものを一括収納


アウトドア用品に限らず、趣味のグッズ置き場に困っている方は多いのではないでしょうか。特に釣り用品やゴルフ用品など外で使用するものに関しては、屋内で保管するには大きさもありますし泥汚れなども気になります。しかしスマートエントランスは、家の中でも外と近い空間に収納スペースを大きくもうけることで、大きなものや汚れの気になるものを家の中に入れなくて済むよう工夫されています。もともとは部屋だったスペースをリノベーションしたそうで、エントランスとしてはかなり広いスペースとなっていて、これなら用具のメンテナンスもこのスペースで済ますことができそうですね。
お客さんを招く玄関ドア側からは見えにくいようになっているので、来客時も気にしなくていいのが嬉しいです。また、靴の収納スペースも広くとられていて、壁一面靴が置くことができるようになっていました。靴をゆったりと収納できるようになったら嬉しいなと思うのは筆者だけではないはず……! 屋内にこだわるとつい狭くなりがちな玄関ですが、ここまで便利なスペースになることに感動しました。

ブース8:人が集まる「タタミラウンジでご近所茶会」


※画像はTDYリモデルコレクションホームページより

《ブース説明》
家族構成:夫(60代/会社経営)趣味: 陶芸/妻(60代/主婦)趣味: 旅行、おしゃべり
ご近所の友達と一緒に山歩きや温泉旅行に出掛ける妻は、友達を気軽に自宅に呼びたいと思っていたようです。陶芸が趣味の私も陶芸仲間と気兼ねなく話ができる場所があったらなぁと考えていました。縁側を土間に変え、外とつながる大きな窓を設けました。玄関とリビングをつなぐだんらん空間をつくることで2 人の夢が実現。これなら友達がふらっと立ち寄ることも、大人数でゆっくりお茶会を開くこともできて大満足です! 自慢の陶芸作品を飾るギャラリースペースもできました。もちろん、自作のコーヒーカップでおもてなししています。
※TDYリモデルコレクションホームページより引用

ポイント1.人を招きやすいオープンな和室


ブース8の夫婦は友達を招きやすいようにというテーマでリノベーションを行ったそう。ブース7の夫婦は出入りの空間としてエントランスに特化したのに対し、ブース8の夫婦は招きやすさに特化して縁側を土間に変えるというリノベーションがされていました。親しい友人が玄関ではなく縁側から来て、家にはあがらず縁側に座っておしゃべりをする、という風習は近年あまり見なくなってしまいましたが、まさに縁側コミュニケーションの進化版ともいえる縁側のリノベーションですね。
縁側コミュニケーションが盛んだったブース8の夫婦世代にとっては、なじみやすいコミュニケーションスペースというのも納得です。また、このリノベーションのポイントはなじみのある畳敷きの和室風になっているものの、靴を脱がずに座っておしゃべりができるというところだそう。少し立ち寄るだけで靴を脱いで入るのは少しおっくうですが、靴のまま直接リビングに入れると少しの時間でも立ち寄りたくなってしまいますね。

ポイント2.高断熱ドアで暖かな空間へ


ドアから入って靴を脱がずにコミュニケーションが取れることが魅力のブース8ですが、外から近い分外気の影響を受けやすい場所ともいえます。特に冬は足元に冷気が溜まりますので、靴のまま入った方に寒い思いをさせてしまうことに……。そこで、玄関ドアには高断熱玄関ドア『イノベストD70』が採用されているそう。高断熱なドアにすることで、靴のままでも快適に過ごすことができ、さらには住宅内の温度差が低くなるのでヒートショックの予防にも役立つそうです。友達の招きやすさはもちろんですが、人の集まる家にするにはその空間の快適さというのが大切ですよね。

ポイント3.洋風すだれでクリアな眺め

※こちらの画像はYKK APホームページより

ブース8のテーマ「人が集まる家」に必要だったのが、家に入りやすい解放感のあるつくりだったそう。そのため、家の中からも外がきれいにみえる大きな窓が設置されていますが、庇がないため夏は日光が直接入ってきてしまうと、高断熱ドアがあってもみるみる屋内の温度が上がってしまいます。それを防止するために使用されているのが大きな窓にも合うサイズの『アウターシェード』だそう。こちらのアウターシェードは遮熱効果があり、外から入ってくる熱をなんと80%カット、さらに外からは見えにくく中からは外がきれいにみえるようになっているので、窓からの眺めを妨げないんだとか。縁側にはない快適さを追求したつくりは、新しいコミュニケーションの形をつくってくれそうです。

便利&楽しい空間づくり

玄関周りのスペースを中心とした家づくりを追求したブース7と8はいかがでしたか。趣味や生活の便利さのためにエントランスをリモデルしたブース7と、趣味友達とのコミュニケーションのためにリビングと玄関をつなげたブース8は、同じ玄関周りのリモデルでも全く違うものとなっているところに、実現したい「コト」の違いを感じますね。あなたの理想の玄関に近いのは、どちらでしたか? 屋内にこだわることに夢中で、ついおざなりになりがちな玄関スペースですが、こだわってみると意外な便利さが見えるかもしれません。

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