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マンションリフォーム費用の相場は?3LDKをフルリフォーム

2021.11.05

新築で家を購入して10年ほど経つとリフォームを検討されはじめる方も多いと思いますが、購入時と同じく大きな費用がかかるものですので、大体の相場を把握して計画的に資金を貯めておきたいですよね。いざリフォームの時期になって予算が足りなくなったり、費用を節約しすぎて満足度の低いリフォームにならないよう、事前に相場把握と準備をしておくことは大切です。今回は3LDKのマンションのリフォームを例に挙げて、リフォームをする際の費用相場といくつかの大切なポイントを解説いたします。

3LDKのマンションのリフォーム相場は?


リフォームには壁紙や水回りの設備といったような時間とともに色あせたり、機能が時代に合わなくなったりした箇所を新しくするものから、家族の成長や構成の変化に対応して家の間取りや構造を変えるリフォームまで様々なものがあります。今回は3LDKのマンションを目安にリフォームの基礎を解説していきます。

3LDKのマンションリフォームでよく施工される項目

リフォームを大きく分けると、内装(壁紙・床)のリフォーム、内装と設備(キッチン・洗面台・お風呂)のリフォーム、間取りの変更を含むリフォーム、スケルトンリフォーム(=骨組みだけを残して大がかりな工事を行うこと)の4つのタイプがあります。下の表は3LDK(約70㎡)のマンションをリフォームした場合の概算費用です。

リフォーム項目の決め方

マンションにはリフォームできる場所とリフォームできない場所があります。判断の基準は共用部分か専有部分か、専有部分でも景観の統一感や機能を損ねる場所でないかということです。マンションのリフォームにおいて気を付けたいこととして、例えば管理規約に床材の遮音性基準が設けられていたり、水回り(キッチン・お風呂・トイレなど)設備の移動において排水横引き管の移動を伴う場合には排水勾配や設置スペースを検討する必要があるといった点があります。また、構造体になっている壁の撤去が必要な間取り変更リフォームや、共用部分である玄関扉・ベランダ・サッシの交換などは原則できません。

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(共用部分・専有部分の違いについて確認したい方はぜひご覧ください)

リフォームするにあたっては、「予算内に確実におさめること」や「古い部分からリフォームする」などリフォーム項目や対象箇所の決め方について優先事項を決めておくことも大切です。加えて水回りの工事のように排水管などを動かす必要のあるものはまとめて工事ができるよう、計画的にリフォームした方がいいでしょう。

また、気に入った間取りや部屋の雰囲気の写真をスクラップしてまとめる「リノベノート」というものがあります。リフォームしたい箇所がたくさんあって優先事項をつけるのに悩みそうなときや、家族で意見をまとめるときに役立ちますので事前に作っておくと良いでしょう。口頭だけで印象を伝えるよりも分かりやすくなり、リフォーム業者と打ち合わせをする時も確実にイメージを伝えられるので想像と違うといったトラブルを防ぐことができます。

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リノベーション工事との違い

「リフォーム」と「リノベーション」は、何が違うのでしょう。基本的に下の図のような違いがありますが、法的な違いではなく、リノベーションのような大掛かりな工事をリフォームと言っても間違いではありません。

3LDKリフォームで施工したい場所と費用相場


それでは実際に3LDKのマンションをリフォームするにはどの程度の費用がかかってくるのでしょうか。それぞれ検討する場所ごとに目安となる金額をまとめました。

キッチンリフォームの費用相場


 ●費用相場(工事費+
材料費):部分リフォーム10万円~ フルリフォーム50万円~

コンロなど機器の一部を入れ替えるといったキッチンリフォームなら材料費込みで工事費10~30万円、システムキッチンの入れ替えとなるとグレードにもよりますが50~100万円程度です。壁付けキッチンを対面型にするといった配管の移動を伴う大掛かりなリフォームは150万円以上かかると考えた方がいいでしょう。

浴室リフォームの費用相場


 ●費用相場(工事費+
材料費):部分リフォーム30万円~ フルリフォーム80万円~

浴室のリフォームは様々で、シャワーヘッドの取り換えなどDIYでもできる軽微なものから、ユニットバスの入れ替えなど大掛かりなリフォームまで様々です。

浴室には大きく分けて「在来工法」と「ユニットバス」の2種類があります。
「在来工法」とは、他の部屋と同様にコンクリートで床や壁を造りタイルやモルタルで仕上げられたお風呂のことをいい、築年数が古いマンションに多く見られるタイプの浴室です。一方で「ユニットバス」とは工場で作られた壁や床、浴槽を組み立てて設置されるタイプの浴槽で最近のマンションで多く採用されています。

在来工法の浴槽のみの交換であれば工事費と本体代金トータルで30~40万円でリフォームが可能ですが、古いユニットバスを新しく交換する場合は80万円~(給湯器交換は除く)、在来工法の浴室を解体しユニットバスに変更する大掛かりなリフォームになると100万円以上になることもあります。

小上がり和室リフォームの費用相場


 ●費用相場(工事費+材料費):20万円~

最近では、リビングの一部を和室にリフォームする人も増えています。リフォーム費用の目安として、洋室のリビングに間仕切り壁なしの4畳半の小上がり和室を設置する費用は20万円~、リビングの内装リフォームと合わせて間仕切り壁を造作する場合は0万円以上です。

小上り和室にはメーカー既製品で収納付きのものもあり、畳の種類やサイズも選べるので3LDKのマンションリフォームにも手軽に取り入れやすいです。

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(家族構成の変化により2室を1室にする事例も増えてきています)

床暖房の新設リフォームの費用相場


 ●費用相場(工事費+材料費):1畳あたり5~11万円程度

リビングに床暖房を設置した時の費用相場は、既存フローリング床の上に床暖房を直貼りする場合で1畳あたり5万円~、フローリング床を全面張り替えて床暖房を導入する場合は1畳あたり8万円~となっています。これらの床暖房の設置費用とは別に、床暖房専用のヒートポンプやエコ給湯器の設置が必要になる場合は、別途費用がかかります。

3LDKフルリフォームでも費用を節約する方法


ここまで3LDKのマンションをリフォームする場合の費用相場をご紹介してきましたが、リフォーム会社からの見積もりが予算を超えてしまう場合があります。それでは、リフォーム費用を抑えるにはどのような方法があるのでしょうか。

DIYでリフォーム費用を節約

最近では男女問わず人気が高まっているDIY。ホームセンターやネット通販で手軽に材料が手に入るため、誰でも気軽にプチリフォームができます。

壁紙の張り替え(6畳、無地の天井・壁のクロスを張り替えた場合)を例に挙げると、リフォーム会社に依頼すると約45,000円~、DIYでクロスの張り替えをした場合は約15,000円~リフォームできます。

リフォーム会社に依頼するとリフォームの品質は確保されますが、DIYの場合は柄有りのクロスは柄合わせが難しい、拭き取り残した糊が黄色く変色してしまう、しわや空気が入ってしまうなど、完璧な仕上がりになるとは限らないため注意が必要です。

相見積もりで適正価格を知る

リフォームの費用は商品の小売価格や定価と異なり、リフォーム会社によって金額が異なります。
リフォーム会社に依頼した見積もりが適正価格なのか判断するために、複数のリフォーム会社に見積もりを依頼し比較することが大切です。無料で一括見積もり依頼できるサイトや、個人情報を入力せずに見積もり依頼ができるサイトもあるので活用してみるのも良いでしょう。

ただし、見積もり金額が安いから良いリフォーム会社というわけではありません。比較する際のポイントとして、しっかりと見積もりの内訳をチェックして、求めているリフォームが実現できるかどうか、必要のない項目が含まれていないかを確認することが大切です。また、そのリフォーム会社がリフォーム瑕疵保険に加入しているか、リフォーム後の保証が充実しているかをはじめ、会社の口コミ(評判は悪くないか等)や担当者の対応なども確認して総合的に比較できると安心です。

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補助金・助成金制度の活用

「耐震」「バリアフリー」「省エネ」など一定の基準をクリアしたリフォームやリノベーションをした際に、国もしくは地方自治体から補助金などを受けられる制度があります。

マンションの専有部分の場合、主に対象となるのは「バリアフリー」「省エネ」に関するリフォームです。「バリアフリー」については、手すりやスロープの設置などが対象となり、所得に応じて介護保険による助成が受けられる場合もあります。また「省エネ」に関しては、高断熱サッシへの交換や節水型トイレへの交換などが対象になります。

まとめ

住宅は家族の生活を守るための重要な買い物ではありますが、長い年月の間にどうしても劣化してきます。末永く快適に暮らすためにはある程度年数が経過したタイミングでリフォームを検討する必要が出てきますが、戸建ての住宅と違いマンションには管理規約の他、構造上の問題で戸建てよりも多い制約があります。リフォームは工事内容によっては費用が大きくなってしまう場合もあるので、マンションのリフォームを検討する際は家族の将来の姿も想定して意見を出し合って進めていきたいものです。

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