自分のスタイルを見つけて私服の制服化をしたい【ミニマリストおふみの相談室】
2021.04.09
毎朝のコーディネートや服の管理を効率化する一つの方法として”私服の制服化”があります。おふみの知恵袋vol.03『ワークスペースを確保するための捨てる技術』でもその手順についてご紹介しておりますが、今回のお悩みは「私服の制服化をするために自分のスタイルを見つけたい」というお悩みです。
年齢とともに体型や好み、趣味や生活に合った洋服が変わりますので、少数精鋭で着まわす私服の制服化では自分のスタイルを決めて洋服を買い足したり買い替えたりする必要があります。スタイル迷子状態にならないようにするにはどうしたら良いか、また、もし迷子になりそうなときはどのように解決して私服の制服化をしたらいいのでしょうか。
=========質問文抜粋==========
何を着たらいいか分からず毎シーズン悩んでいます。
産後に体形と生活スタイルが変わって服を総入れ替えせざるを得なかったのですが、なかなか納得のいくスタイルを見つけられずにいます。
最近はパンツスタイルで動きやすさ、快適さ重視のカジュアルな格好をしています。
理想としては、カジュアルだけどもう少しきれいめな格好がしたいと思っています。
少ない服で上手く着回したい。
服選びに悩み疲れて、まぁいっかと妥協してしまうことの繰り返しで、いまいちしっくりこない服でやりくりしています。
毎朝の服選びと、服購入時の手間を減らしたいと思っています。
私服の制服化が快適そうだと思ったので、自分のスタイルを見つけたいと考えています。
おふみさんは自分のスタイルがあると思うのですが、そのスタイルに落ち着くまでに何か悩みはありましたか?
どのように解決しましたか?
Kさん
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Kさん、ご相談いただきありがとうございます。
出産を経て体型と生活スタイルががらっと変わったことにより、服を総入れ替えせざるを得なくなったとのこと。これまで似合っていたものを手放さなければならなくて、気持ちを切り替えるのも持ち物を入れ替えるのも大変だったと思います。きっとこれまでは近くにあった「好み」と「似合う」が、少し離れてしまったのではないかと思います。少しでもお力になれる部分があれば幸いです。
お悩みを整理してみると、
1.洋服購入時に迷わなくて済むようにしたい
2.毎朝の服選びで迷わなくて済むようにしたい
3.少ない服で着まわしたい
4.しっくりくるスタイルにしたい
5.現状は「カジュアル」だけど、理想の「カジュアルだけどきれいめ」に近づけたい
ということですよね。
上の三つは、Kさんもおっしゃっているように「私服の制服化」が叶えてくれます。
ここで改めて、私服の制服化とは何かを簡単に説明します。
私服の制服化で服選びと朝の支度で迷わない
私服の制服化とは、1シーズンに数パターンのコーディネートを用意して、それを制服のように順番に着るというもの。私は1シーズン10着程度の服で着回すことにしていて、全てお気に入りの「一軍」と呼べるアイテムで構成するようにしています。数が少ないからこそ、服を選ぶ時間も価格面でも、一着一着にリソースを割くことができます。
まずは昨年から持ち越した手持ち服を全て出して写真に撮り、不要なものはここで手放しておきます。次に、dマガジンで数誌の雑誌に目を通して気になるコーディネートをピックアップし、買い足したいアイテムを書き出して、zozoでアイテム検索をしてリストアップ。そして買い物デーで試着して回り、気に入ったものを買って帰ります。買い物は季節の変わり目に、買い物デーとして一日確保し、その日のうちに買い物を完了するようにしています。こうすることでその日以外は一切買い物に悩まなくて済むのです。前もってアイテムを揃えたという満足感があるので、季節が始まってから服を買い足すことがなくなりました。
服を買ってきたら手持ち服に加えて、コーディネートを数パターンつくって制服にします。基本となるコーディネートは3つほどですが、組み合わせを多少変えても成立することがほとんどなので、トップス違いなどでコーディネートして制服を用意して、あとは気温に合わせて制服を着て運用します。毎朝の服選びも、その日のTPOと気温に適したものを選ぶだけなので、朝の支度で何を着ていいか悩むということがなくなりました。
Kさんは、「自分のスタイルを見つける」という部分で足踏みしている状態なんですよね。私服の制服化は、悩まずに服を着ることができるようにするツールですが、このツールを活用するための前段階として、ある程度自分のスタイルを見つけておく必要があります。Kさんは相談文の中で「服選びに悩み疲れてまぁいっかと妥協してしまうことの繰り返しで、いまいちしっくりこないなという服でやりくりしています。」と書かれていて、自分にしっくりくるものを見つけたいと考えておられるんですよね。しっくりくるものとは、「好みに合う」もの、そして「自分の体型や顔に似合う」ものという風に言い換えられると思います。
そこで、自分のスタイルを決めるために、「好み」と「似合う」を知ることをおすすめします。
「好み」を探る
まずは「好み」を知ることから。
Kさんは現状、動きやすさ重視のカジュアルな装いをされているものの、理想としてはもう少しきれいめ要素を足したいと考えていますよね。ご自分にとってベストな、カジュアルときれいめ要素の比率を知りたいところ。そこで、好みのコーディネートを収集してみましょう。
雑誌の他にも、WEARやInstagramといったSNSで見かけた好ましいと思うコーディネートを集めてみてください。街で見かけたおしゃれな人や友人の装いを参考にしても良いです。好きなコーディネートを集めることで、自分の好きな傾向がわかってくると思います。
次に、分析をしてみましょう。
気に入ったコーディネートを観察して、どの部分に惹かれているのかを分解してみます。Kさんの場合はきれいめカジュアルがお好みとのことなので、その装いの「カジュアル」と「きれいめ」の比率を探ってみるといいと思います。
例えば、気に入ったコーデが、ボートネックのボーダーシャツにアンクルパンツ、足元がローファーで、バッグは軽そうだけど荷物がたっぷり入るきれいめな印象のトートだったとすると、これらのアイテムのどこがカジュアル要素を担っていて、どこがきれいめ要素を担っているのかを分類してみます。例えば、トップスがボートネックじゃなくてもっと首元の詰まったクルーネックならもう少しカジュアルに寄っただろうなとか、足元がヒールだと動きやすさが失われてしまうし、ごつめのスニーカーだとカジュアルに寄りすぎてきれいめ要素が失われてしまうけれど、ローファーならきれいめ要素を加点しつつ動きやすさもある程度担保できる、など。
このコーディネートはカジュアル:きれいめ=7:3だなとか、こっちは5:5だとか、なんとなくでいいので比率を出してみてください。ここまでいくとカジュアルすぎる、ここまでいくときれいめすぎて自分の生活スタイルを考えると取り入れられない、という一線があると思います。そこを探ってみてください。
そして、今の自分の服についても分析してみてください。普段よくしているコーディネートの写真を撮ってみて、カジュアルときれいめの比率を出してみてください。このアイテムをこんなアイテムに入れ替えたらきれいめ要素が足せるな、といった足し引きの計算をしてみると、手持ち服を活かしつつ、きれいめ要素を足せるかと思います。そうやって、ご自身にとって好みのカジュアルときれいめの比率を把握してみましょう。
「似合う」を見つける
次に「似合う」を知ること。似合うはある程度理屈でわかる部分が大きいと思います。一日だけでいいので時間を作って、「似合う」を見つけるための診断を受けてみることをお勧めします。骨格診断・パーソナルカラー診断・顔タイプ診断、この3つの診断を受けてみると、買い物の迷いの大部分が晴れると思います。これらの診断では、骨格や肌の色味や顔を構成する要素の特徴から、似合いやすい服がわかります。
最近はオンラインでも診断してもらえるところが増えています。(対面でないと正確な診断が難しいものもあると思いますが)わたしは先日顔タイプ診断を受けましたが、完全オンラインでした。子育て中の方も、家で1時間Zoomなどでお話するという形であれば時間をとれる方も多いのではないでしょうか。顔タイプ診断とは、顔の輪郭やパーツの特徴やバランスなどから顔タイプを分析することで、似合うファッションのテイストや髪型などを導き出すものです。
https://kaotype.jp/kaotype/
・顎のラインや鼻のライン、目の形など、曲線と直線どちらで構成されたパーツが多いか
・顔のパーツの配置が離れているか中心に寄っているかという比率
などを見てもらうことで、自分の顔の曲線/直線の比率、大人/子ども要素の比率がわかります。わたしの場合は直線と大人要素が多く、顔タイプは「クール」で、好みの服は比較的近いタイプである「クールカジュアル」のものが多いということがわかりました。
思えばこれまでしっくりこなくて手放した服は、顔タイプから正反対のものが多かったですし、何年も手元に残し続けている気に入っている服は、ほとんどが「クール」か「クールカジュアル」に当てはまるものだったので、なるほどと膝を打ちました。過去の自分に、もっと早く診断を受けておいた方がいいよと伝えに行きたいくらい勉強になりました。
「好み」と「似合う」がわかれば、あとはそこを近づけるための対策をとればOKです。
「好み」と「似合う」がわかれば私服の制服化の「制服決め」で悩まない
好みと似合うがわかったとしても、その二つが離れている場合もあると思います。
例えば顔タイプが「クール」で好みが「ソフトエレガント」だとすると、曲線タイプに寄せるための工夫が必要になります。先日、診断を受けた際に先生がおっしゃっていた言葉で印象的なものがありました。「アイテムの素材を変えたり、化粧の仕方などで、顔タイプをある程度寄せられます」という言葉は希望の光でした。顔に直線要素が多いなら、化粧で曲線を足してあげればいい。またソフトエレガント系の服を着たいとしたら、色・形・素材・テイストのうちのいくつかを自分の顔タイプに似合うものにすると似合いやすくなる。
自分を知ることで、似合う系統の服がわかりますし、自分の特徴がわかっていれば似合わせるための対策を立てられます。
私はクール系、現状の好みはクールカジュアル。好みと似合うが比較的近くにあります。しかし、この先も必ずしも近しいものが好みであり続けるとは限りません。好みは人生の中で移り変わっていくもの。もし、Kさんが今はきれいめカジュアルが好きでも、将来的にクールなモード系を着たくなる可能性もありますし、もっときれいめ要素を増したエレガントを着たくなる日が来る可能性もあります。
パーソナルカラー診断や骨格診断も然りです。例えばパーソナルカラー診断で似合いにくい色を着たいと思った時に、顔の近くに持ってくると肌の色がくすんで見えるのであれば、似合う色のストールを間に挟むとか、似合いにくい色はボトムスにもってくるとか、いかようにも対策が立てられます。
そうなった時に、自分の顔や骨格の特徴がわかっていれば、好みに寄せるためにどこをカバーすればいいのか、対策を立てることができます。
好みと似合うを知ることで、服に悩むことがぐっと減ると思います。
Kさんが、しっくりくるスタイルを見つけて、楽しく日々を過ごせることを願っています。
何か少しでもお役に立てる部分があれば幸いです。