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長く使った家具類を手放すタイミングが分からない【ミニマリストおふみの相談室】

2020.03.02


大型家具やベッドマットレスなど、高価で使用期間が長い物はなかなか捨て時も分からず少し不具合がでても捨てるのを先延ばしにしがちです。捨てるには迷う程度の不具合がでた物や家具などの耐久消費財の捨て時とはいつなのでしょうか。ミニマリストのおふみさんに物の捨て時や長く使うためのメンテナンス方法を伺いました。

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物の捨て時が分かりません。
衣類などはくたびれてきたり、毛玉ができたりするので捨てる判断がしやすいのですがベッドマットレスや家具など、なんとなく不具合がでたり、へたってきても使えるものについては値段が高いこともあり買い替えたり捨てたりする踏ん切りがつきません。
値段の高い長く使うものを捨てる時はどのように判断していますか?また、長く使うために気を付けていることもあれば伺いたいです。

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ご相談いただきありがとうございます。衣類などの消耗品ではなく、耐久消費財の手放し時がわからないということですね。確かにそういったものは一つ一つの値段も高く、手放す際に踏ん切りをつけるのが難しいですよね。

私はほんの6年前まで、二人暮らしには広すぎるくらいの78m2の二階建て2LDK一軒家(家賃6万)に住んでいて、収納がたっぷりあることにかまけてどんどん物が増え、家具なども二人暮らしには多すぎる数を持っていました。ベッドもマットレスも家具も手放して今の暮らしにたどり着いたので、過去の我が家の手放し記録と照らし合わせながら、手放し時のお話をしていきたいと思います。

値段が高く、長く使うものの捨て時

ご質問に

>>値段の高い長く使うものを捨てる時はどのように判断していますか?

とありますが、値段の高い物って手放すのに勇気がいりますよね。我が家の場合は、無印良品で買ったW1350くらいのオーク材の無垢のダイニングテーブル、同じく無印良品で買ったタモ材のダブルベッド、イタリア製のマットレス、自作の椅子、実家から持ってきたこたつなどを手放してきました。他にも、無印の折りたたみデスク、ニトリの敷布団と掛け布団なども手放しました。

この辺りの物を手放す時にどのようタイミングで手放したかと言うと、「別の物にアップデートして、空間からあぶれた時」でした。例えば、無印良品で買ったオーク材の無垢のダイニングテーブルは、2011年の購入当時6万円ほどだったように記憶しています。

天板の接ぎの枚数や、天板の厚み、幕板の有無、脚部の太さなどに違いがありますが、ミドルアッパー向けの家具メーカーだと同じサイズ感で2.5~3倍の価格はすると思います。このあたりの価格帯と比べると、無垢にしてはかなりお手頃価格と言えますが、それでも家計の負担を考えた時に6万円は決して安いものではありません。手放したのは一軒家から1DKのアパートに引っ越しをした時でした。

一軒家時代、一階のダイニングで無印のダイニングテーブルを使用し、二階の和室では座卓を使っていました。部屋数が多かったのでテーブル類がいくつかあってもよかったのですが、1LDKのアパートではテーブル類は1つあれば十分です。和室で使っていた座卓をダイニングに置いて、食卓兼リビングテーブルとして使うことにしました。これ以上テーブルがあっても置ききれません。空間からあぶれてしまったのですね。

脚を解体して天板と分解すればコンパクトにしまっておくこともできましたが、それでもこんなに大きな天板は部屋の壁に立てかけておく以外に保管方法がありません。使わない物をただ保管しておいても、埃が溜まって掃除に手間取るし場所も取られます。次に使う見通しも立たなかったので、死蔵しておくくらいなら必要な人に使ってもらいたいと思い、最終的にこのテーブルは夫の妹夫婦に譲りました。

まとめると、「空間からあぶれて」「今後1年の間で使う予定がなく」「このまま所持していても死蔵するだけ」という場合は、手放し時だと言えます。

我慢して使えたとしても体への負担がかかる。人生は体が資本。

>>ベッドマットレスや家具など、なんとなく不具合がでたりへたってきても使えるものについては値段が高いこともあり買い替えたり捨てたりする踏ん切りがつきません。

ベッドのマットレスなど、へたってきても使えるものは買い替えの踏ん切りがつかないというのも、よくわかります。以前ニトリで買った折りたたみマットレスと敷布団・掛け布団を、2015年から2016年にかけて1年ほど使いました。かなり安い物を買ったからか、1年後にはマットレスがへたってきて、慢性的に腰が痛いなと感じるようになっていました。そして敷布団は結構な重さがあったので、毎日畳んで布団とマットレスの上げ下げを行うのが面倒だなと感じ、敷きっぱなしになってしまうことも度々ありました。

当時ミニマリスト界隈でアイリスオーヤマのエアリーマットレスが話題になっていました。軽くて洗えてクッション性も良いとのことで、こちらに買い替えしました。買い替え当時のブログ記事も残っているのですが、エアリーマットレスで眠ると翌朝腰が軽くなっていて、驚いたのを覚えています。

健康面への影響を考えると、もっと早く買い替えるべきだったと思いました。へたっているマットレスでもなんとか使うことはできたけれども、確実に体への負担になっていたのだと実感しました。特に睡眠は大事です。良質な睡眠がとれていないと、日常生活においてありとあらゆる物事に対するパフォーマンスが落ちます。仕事においてミスが発生しやすくなりますし、自宅で家事やその他趣味に取り組むにしても、眠い状態で取り組むと効率が下がります。

私が少ない物で暮らしているのは、人生における自由時間を増やすためです。物を持つとその分だけメンテナンスや維持のために時間がかかります。片付けや掃除の手間も増えます。不必要な物を持たないことで、家事の時間を減らし、自分の好きなことに取り組む時間を増やすことを目的としています。良質な睡眠をとれないことで、せっかく得た自由時間を好きなことに使えなくなってはあまりにもったいなく、本末転倒だと思います。

これはマットレスなどの寝具に限らず、テーブルや椅子といった体を支える道具全般に言えることです。高さが合っていないのに、我慢すればいいからと低すぎるテーブルを使っていると、腰や肩を痛めて整体や病院などに通うことになる可能性もあり、本末転倒です。不調が出るくらいなら、設備投資して快適に過ごせるように整えた方が、人生においてのコストパフォーマンスがいいと言えるのではないでしょうか。へたってきたり、不具合がでていても、我慢すれば使えるという物の買い替えに悩んだ時は、上記のことを思い出していただければと思います。

長く使うためのメンテナンス

>また、長く使うために気を付けていることもあれば伺いたいです。

長く使うために気をつけていることは、メンテナンス込みで物を選んだうえで買い、定期的にメンテナンス時間を設けることです。また、ソファやマットレスなどは、こまめに掃除をしないとカビが生えたり虫が発生する可能性があります。家具や耐久消費財を買うということは、掃除・メンテナンスもセットでついてくるものです。

オイル仕上げのテーブルを持っていた時は、3~4ヶ月に1回ペースで、目の細かいサンドペーパーをあてて輪ジミが気になる部分を研磨し、オイルを塗布していました。ちなみにペーパーを当てる時に水平面を出すために、小さな木片など四角いものにペーパーを巻きつけると研磨しやすいのでおすすめです。ウレタン仕上げの家具の場合は、上記のようなお手入れは必要ありません。というか絶対にしてはいけません。ウレタン塗装は今かかっている塗膜を落とし切って工場など設備が整ったところでウレタンを塗装しなおさないと再塗装はできません。

ウレタン塗装の家具の普段のお手入れは、水拭きでOK。ダイニングテーブルなどは食後に食卓用アルコールで拭くこともあります。油汚れが気になってきたら、ぬるま湯に中性洗剤を垂らして拭き、水拭きした後に乾拭きをしています。お手持ちの家具の仕上げが何かわからない場合は、どこかに製品表示のシールが貼ってあることが多いので、そちらを確認してみてください。

それでもわからなければ、購入店に確認してみていただければ教えてもらえると思います。とにかくお手入れ方法がわからない時は自己判断せずに購入店に確認するのが一番です。エアリーマットレスは中の芯材も水洗いすることができるので、数ヶ月に一回お風呂場でシャワーを当てて水洗いしています。

ソファを持っていた頃は、1ヶ月に1回ペースでソファの背クッションと座クッションのカバーにコロコロをかけてリセッシュを振り、中身のクッションは風通しのいいところに立てかけて干すようにしていました。その間にソファのクッションを乗せる木部を水拭きしてから乾拭きします。ダイニングチェアの張り地は、普段はコロコロで汚れをとり、汚れが気になってきたら、ぬるま湯に中性洗剤を垂らして固く絞った布巾で汚れを叩いて移すイメージで拭き取ります。そして水拭きしてから乾拭きします。

以上、長く使うために気をつけていることでした。

アップデートしてあぶれたら手放し時。また、まだ使えるからと我慢しても、使うことで身体に負担をかける状態になっては本末転倒なので手放し時。物を買うときはメンテナンスしていく覚悟を持って買うこと。店員さんにお手入れ方法について聞いて、それを今後続けられそうか考えてみてから購入の決断をすること。

以上を念頭に物と向き合ってみることをおすすめします。

少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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