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普段使いできるものも!最新防災グッズ |2019防災産業展in東京を見学

2019.06.26


2019年6月、新潟県・山形県で震度6の地震が発生しましたが、定期的に起こる大規模な地震を見ると防災対策の重要性をますます感じますね。家庭でできる簡単な備蓄方法としてローリングストックについては以前ご紹介しましたが、大規模な災害時には食料の不足だけではなく水・ガス・電気などインフラの停止なども発生します。インフラが復旧するまで数日~数週間かかる場合もありますので、自助でインフラの停止に備えられているかどうかは災害発生後の生活環境に大きな影響があるといえるのです。災害時のインフラ停止に備えてどのようなものを用意しておけば良いのでしょうか。

2019防災産業展in東京で見つけた最新防災グッズ

2019年6月5日~6月7日に開催された2019防災産業展in東京では63社が出展し、先日ご紹介した『ほぼ紙トイレ』をはじめ、企業向けから個人向けまで幅広い防災グッズが展示されていました。『ほぼ紙トイレ』は管理組合や企業など団体で備えておきたいものでしたが、大規模災害時に多くの方が在宅避難になるであろうことを考えると、団体だけでなく個人での自助にも備える必要があるのです。今回は2019防災産業展in東京で見つけた個人宅でも備えやすい防災グッズを紹介します。

空気でパワフル発電!災害・非常用発電池『エイターナス』


地震だけでなく台風などでも発生する停電は、経験したことのある方が多いかもしれません。2018年に広い範囲で大きな被害を出した台風21号では電柱が折れる被害が相次いだこともあり、関西電力管轄内だけで最終的に2,186,000軒が停電し、完全復旧に2週間を要しました。2週間電気が使えない状態になってしまった場合、1回で使い切りの非常用のバッテリーだけでは心もとないですし、スマートフォンの電池がなくなってしまったらほとんどの方は手回しラジオだけが情報源となってしまうのではないでしょうか。しかし、株式会社ダブルエー・ホールディングスが販売している災害・非常用発電池『エイターナス』はそんな長期的な停電にも備えることができます。

保存袋
こちらの青い箱が本体です

この発電地は空気で発電をするためこのような銀色の保存袋に入っており、保存袋から取り出して空気に3分ほど触れることで発電を開始します。あとは付属のインバータと接続すれば準備完了! インバータについているコンセントの口やUSBポートに充電器等を接続することで、電源として使えるようになります。

付属のインバータ

空気で発電する『エイターナス』は発電のために水などを用意しなくていいという点が魅力的ですが、さらに注目していただきたいのが、その圧倒的な発電力。非常用バッテリーの使用用途としてスマートフォンの充電が真っ先に思い浮かぶと思いますが、スマートフォンやタブレットの場合約→50回満充電にすることができるパワーがあるのだそう。それだけではなくコンセント口もついているので、テレビや照明機器を使用することも可能です。

可能な使用時間はLED照明(4.2Wh)の場合は128時間、テレビ(20型/40Wh)の場合は13.5時間とパワフルです。使い切りタイプではありますが、災害時にこれだけ電気が使えれば復旧まで待つことができそうですね。

USBポートを増やせば同時に充電することも可能です

使い切りタイプの発電池ではあるものの、これだけ使うことができるとなると短時間の停電で使用するにはもったいなく感じてしまうかもしれません。しかし、『エイターナス』は発電を止めて再度保存しておくことも可能です。空気がなければ発電しないので銀色の保存袋に戻してしまえば発電が抑制され、残量がある限り繰り返し何度も使うことができます。保存袋に使った日時を書いておけば、あとどのくらい使うことができるかの目安にもなりますね。但し、一度開封した場合は長期保存には向きませんので早めに使いましょう。

『エイターナス』は大きさもA4程度とコンパクトなので、例えば避難した先に持って行って使うこともできます。家庭でも備蓄しやすい大きさと長期停電に対応できるパワーをもった『エイターナス』は、停電への備蓄グッズのひとつとして有効ではないでしょうか。

アウトドアでも活用できる浄水器『コッくん飲めるゾウ ミニ』


大型地震などで水道管が損傷してしまった場合に発生するのが断水です。電気が数日使えないのは不便でも健康な方なら早急に命に関わるということはありませんが、飲める水がない状態が数日続いてしまうと、健康な方でも命に関わる問題となります。生命の維持という意味ではインフラの中でも最も困るものが断水かもしれません。お風呂に水を溜めていても、そのまま飲むには衛生上問題がありますし、雨水や川の水といった自然の水も衛生上そのまま飲む訳にはいきません。

そんな時に備えて備蓄しておきたいのが株式会社ミヤサカ工業の『コッくん飲めるゾウ ミニ』です。こちらはお風呂に溜めておいた水や雨水を浄水してくれる浄水器で、浄水したい水をタンクに入れてポンプで加圧をすれば、コックをひねるだけで飲むことのできる水に浄水できます。風呂水や雨水だけでなく、備蓄していた水の期限がうっかり過ぎていた、という場合や夏場の災害で給水車からもらってきてしばらく経っていて細菌が心配、といった場合にも対応できるのだそう。別売りのノズルを付けることでシャワーとしても使うことができるので、使い方の幅が広いのも良いですね。

また、災害時以外にキャンプや登山といったアウトドアレジャーで使われる方も。大人数のキャンプなどで人数分の水を持っていくとかなりの重さとなってしまいますが、現地に(水道法で数値が基準内であることが確認されている)川があれば『コッくん飲めるゾウ ミニ』で浄水して飲料水として使うことができるのです。(緑色カラーはアウトドア用需要があったためカラーバリエーションに追加したのだそう)

家庭でも使いやすい『コッくん飲めるゾウ ミニ』のほかに、100人分程度の水も賄える『コッくん飲めるゾウ』もありますので、管理組合などではこちらの大きなタイプを備蓄しておくと良いかもしれません。災害時は給水車が来るまでにも時間を要しますし、家にある水を浄水して使うことが出来ればポリタンクで水を運ぶ手間も省けます。アウトドアで楽しむときにも、災害時の不安なときにも使える『コッくん飲めるゾウ ミニ』は普段使いしやすいという意味でも備蓄しやすいのではないでしょうか。

100人程度の規模でも対応できる『コッくん飲めるゾウ』

普段使いのスペースが緊急時の避難所に『SAM』


小さな子どもや自力で動くことができない高齢者など、災害時でもすぐ避難することが難しい方はインフラの復旧以前に災害時に身を守るということが第一になります。地震や台風といった災害であれば、頑丈な建物に住んでいれば何とか身を守ることが出来ますが、東日本大震災のような大きな津波が発生した場合には建物からすぐに移動しなければなりません。

避難したくともすぐには移動できないそんな時、すぐ近くに普段でも使えて被災時には身の安全を守ることができるものがあれば……という発想に基づいて作られているのが災害時にシェルターとして使うことができる小野田産業株式会社の『SAM』シリーズです。

展示されていた『SAMⅡ』は10人が入ることが出来ます

こちらの『SAM』は庭などに設置をして、普段は子どもの遊び場や趣味用の部屋として使うことができ、標準装備の照明やコンセント、換気扇といったものの他にオプションでエアコンを付けることもできます。シェルターとは思えない快適さの『SAM』ですが、災害時は大人6人がゆとりをもって避難できる(最大人数8人:約500kgの)避難用シェルターに変身。ポリウレアというアメリカ国防総省の外壁にも採用されている特殊なコーティングがされているので丈夫で、ほとんどが発泡スチロールでできているので軽いため津波に巻き込まれても浮くので身の安全を確保することができるのだそう。

イスに座るだけでなく付属品のフラットボードをセットすれば、ベッドボードにすることもできるので長時間の避難でもエコノミー症候群の防止になりますし、普段使いもしやすくなるポイントですね。

災害時のためだけに避難用シェルターを購入するのはハードルが高いかもしれませんが、自宅の庭に「離れ」のように使えて災害対策にもなる避難用シェルターが備えられると思えば、購入してみようかと興味を持たれる方も少なくないのでは。エアコンやコンセントがあることを考えると、子ども部屋、趣味の部屋、仕事部屋など使い方は自由自在。どんな風に使おうかと考えるだけでワクワクしますね。

普段使いもできる最新防災グッズは進化している

今回取材した2019防災産業展in東京では、今回紹介したグッズの他にもさまざまな防災グッズを見ることができました。大規模な災害にだけ備えようと思うと面倒に感じてしまいますが、今回ご紹介した普段使いもできるグッズでインフラの停止や大規模な災害に備えられるのであれば検討しやすいのではないでしょうか。まだ防災対策をしていないという方は、普段から災害時にも役立つグッズを利用しつつ、ローリングストックで水や食料を備蓄する、といった取り入れやすいところから始めてみると良いかもしれません。

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