住まいの今と未来をつたえる

暮らし

天井から水漏れ・雨漏り!漏水時に知っておきたい対処方法

2019.06.05


マンションに限らず漏水や雨漏りがあると焦ってしまいますが、マンションで漏水が起こっている場合外壁や天井(クロスを除く)など漏水している場所が共用部にあたることから、勝手に修理をすることができない点が戸建て住宅と異なります。特に夜間に漏水が起こってしまうと管理会社の対応時間外の可能性もあり、困ってしまいますね。また、マンションでは知らず知らずのうちに自分が漏水加害者になってしまうこともあります。マンションで漏水が起こった場合の対処法や、漏水が起こった時の応急処置を覚えて万が一のリスクに備えましょう。

マンションでの漏水原因と対処法


マンションで漏水や雨漏りが起こった場合は主に①建物が原因の漏水・雨漏りもしくは②上層階の住戸が原因の漏水、の2パターンが考えられます。漏水もしくは雨漏りが発生した場合には管理会社へ、自主管理の場合には管理組合へ連絡することが基本となりますが、対応に急を要する場合には自分である程度自力での対処も必要になるかもしれません。

例えば、だんだんシミができてくる程度の漏水であれば、夜中に発生しても翌朝管理会社などに連絡をすることもできるでしょう。しかし、天井から滴るような漏水が夜中に発生した場合、管理会社や管理組合へ連絡できないこともあり得ます。そういった場合にはどうしたら良いのでしょうか。

①管理会社・管理組合へ連絡

管理会社と契約している場合には、緊急ダイヤルがないか確認してできるだけ早く連絡しましょう。自主管理の場合や、緊急ダイヤルがない場合は上層階に直接連絡してしまいそうになりますが、漏水は必ずしも「お心当たりはありませんか?」と伺う程度にとどめておきましょう。自主管理の場合は管理組合に連絡をしてから修理会社を呼ぶと、後々の修理代金等で揉めるリスクを下げることができます。

②写真を撮影する

漏水によってどのような被害があったかわかるように写真や動画で撮影しましょう。乾いてからだと被害状態が分かりにくく、後々カビなどが発生した場合でもその原因などについて揉めることになりかねません。目で見てわかるようなスピードで漏水している場合には、動画でも撮影しておくと漏水の勢いが分かりやすく便利です。火災保険への申請や管理組合への報告で必要となりますので、家具や家電が濡れてしまった場合には捨てる前にそれらも必ず撮影してから捨てましょう。

③水道の元栓を閉める

天井から漏水している場合には、給水管からの漏水の可能性もありますので一度メーターボックスなどを確認して水道の元栓を閉めてみましょう。明らかにお湯が出ているという場合には、給湯器の止水バルブを閉めれば水だけは使うことができますのでお湯か水かも確認して対応しましょう。

④ブレーカーを落として電力会社へ連絡

電化製品まわりや照明から漏水している場合には、漏電を引き起こす恐れがありますので漏水している場所のブレーカーを落として念のため電力会社へ連絡しましょう。漏電してしまうと家電の故障原因となる他、最悪の場合感電や火災といった事故につながる可能性もあります。電気が使えないのは心細いですが、事故になるよりはマシと割り切って対応しましょう。

⑤タオルやバケツで漏水対応

管理会社に連絡が取れたとしても、対応してくれるまでの間に被害はどんどんと広がってしまいますし、勢いによってはさらに下の階へと漏水が広がってしまう可能性もあります。タオルやバケツなどで水が広がらないように対処すると同時に、管理会社へ連絡が取れた場合には天井に穴を開けていいかも相談しましょう。天井から漏水している場合、天井裏に水が溜まり壁や他の部屋へと被害が広がってしまう可能性があります。そこで、天井にドライバーなどで穴を開けて穴から水を出してあげることで被害を最小限に抑えることができるのです。

⑥管理組合や管理会社を通して調査

管理会社や管理組合と連絡が取れた後、漏水の原因を調べるために調査会社がはいることとなります。原因部分によっては上層階の床下を調査しなければならない場合もあるため、日程調整にある程度時間がかかる場合もあります。しかし、原因が分からないうちに修理をしてしまうと修理費用の請求ができなくなってしまいますので、勝手に修理しないようにしましょう。

漏水原因によって変わるその後の対応


調査会社の調査によって原因が分かったら、修理費用や家財の損害請求を行います。前述したとおり原因は大きく2パターンに分かれますので、それぞれの場合の対応方法を知っておきましょう。

建物の問題で漏水・雨漏りしていた場合


建物の老朽化によって給排水管から漏水していたり、雨漏りしていたという場合には共用部分の問題となりますので、漏水に関わる修理や損害請求は管理組合へ請求することとなります。管理組合ではこういったときのために管理組合用の火災保険に加入しており、ほとんどの場合で漏水の補償も火災保険の中に含まれていますので、管理組合が火災保険の申請ができるように被害状況の写真などの資料をまとめておきましょう。

しかし、特例なのが大規模修繕工事中や工事後の雨漏りだった場合です。この場合、大規模修繕工事時の施工が問題で雨漏りが発生した可能性も考えられますので、管理組合を通じて施工会社へ連絡を取って点検をしてもらいましょう。

管理組合の加入する保険についてはこちら

上の住戸が原因で漏水していた場合


上の住戸が原因で漏水していた場合、例えば……

・洗濯機のホースが外れて水が漏れていた
・排水溝が詰まっていて知らないうちに溢れてしまった
・水回りの設備を自分で修理しようとして溢れさせてしまった

といった場合には、専有部分からの漏水となりますので上の住戸が請求先となります。管理組合で各家庭の補償も対象となる火災保険に加入していた場合には問題ありませんが、個人でも管理組合でも保険に加入していなかった場合、100万円を超える請求を上の住戸に対してしなければならない場合も……。火災保険への加入、未加入に関わらず、当事者同士でやり取りをするとトラブルの元ですので、管理会社もしくは管理組合に間に入ってもらいやり取りをするようにしましょう。

今回ご紹介したのは自宅へ漏水した場合の対処法でしたが、最下階に住んでいない限り自分が加害者となる可能性も十分にあり得ます。一説によると洗濯機が全自動になってから発生するようになったのが、洗濯機をセットした状態で外出してホースがずれているのに気づけず漏水……というケースなのだそう。この例でも分かるように特別なことをしなくても漏水してしまうことはあり得ますので、火災保険への加入や漏水補償の有無などを確認して万が一に備えておきましょう。

お問い合わせはこちら

タグ TAG