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猫飼いさんの救世主!猫が飼える物件専門『ネコリパ不動産』を猫好きが取材してみた

2018.06.14


猫飼いさんにとって悩ましい物件探し。探せど探せど見つからず、ようやく見つけたと思ったら駅からバスで30分のボロボロアパートだった……という経験をされた方は多いのではないでしょうか。物件情報サイトを見てはため息が漏れてしまう猫飼いさんの物件探しに救世主が!? それが保護猫カフェ「ネコリパブリック」と住宅管理会社「イノーヴ」がコラボした猫可専門不動産仲介サイト『ネコリパ不動産』です。猫可物件専門サイトとは? その内容をネコリパブリックさんとイノーヴさんに聞いてきました!

ネコリパ不動産とは?

※画像はネコリパ不動産ホームページより

ネコリパ不動産は保護猫カフェのネコリパブリックさんと、管理会社イノーヴさんで2018年4月25日(よいにゃんこの日)に立ち上げた、猫の飼える不動産専門サイトです。猫と暮らせる家が少しでも多くなってほしい、猫の家族となれる人が増えてほしいという想いから立ち上げたこちらのサイト、仲介手数料の一部が保護猫活動に充てられるので住むだけで保護猫活動に貢献できるのも素敵ですね。今回はネコリパ不動産で扱っている物件の中でもイノーヴさんが最初にリノベーションを行った「猫用リノベマンション@高円寺」を取材させていただきました。

「猫用リノベマンション@高円寺」のここがすごい!

ポイント1:やっぱりほしいキャットドア

自由に出入りができるキャットドア

猫飼いさんが欲しいものの代表ともいえるキャットドア。猫によってはドアノブを駆使して自力で開けられる場合もありますが、閉めるところまではしてくれないゴーイングマイウェイなお猫様ですので、やっぱりキャットドアは欲しいですよね。このお部屋は猫用リノベ済みだけあってもちろんキャットドアを完備。いちいち人間が開けに行かなくても猫が自由気ままに部屋の出入りを楽しむことができます。これなら猫の気まぐれに合わせてドアを開け閉めしなくても良いので、冷暖房効率もあがりますよね。更に嬉しい蓋つきなので、出入りしてほしくないときには蓋をかぶせておくこともできちゃいます。

キャットドアは閉じることもできます。

ポイント2:荷物も猫も守る脱走防止用柵つき玄関

工務店さんと相談を重ねた脱走防止柵

猫飼いさんなら一度はヒヤっとしたことがあるであろう猫の脱走。私も一度ゴミ捨ての隙を狙って脱走した我が家の猫(生後5ヶ月)と、脱走10秒後にアパートの階段(屋外)で鉢合わせておもわず叫んだことがあるのですが、行方不明猫のポスターを見るたびに心が痛みます。せっかく家族となった猫でもふいに外に出てしまうと、戻れなくなってしまうこともあるそうなので、脱走防止にはみなさん気をつけているのではないでしょうか。
そんな脱走防止に一役買ってくれそうなのが、こちらの大きな脱走防止柵付き玄関です。工務店さんと試行錯誤の末にたどり着いたというこちらの柵は、デザインはもちろんのこと通気性を確保しつつ、猫には開けられない仕組みの取手がついた安心の設計。更に中には靴箱としても使える棚や上着をかけられるフックがあり、猫の手の届かないところに置きたい物や、猫毛の目立つコートなどをかけておくことができます。
鏡を見て猫毛をチェック→上着を着てもう一度チェック→出発! というお出かけ前の一連の流れがここだけで済むのは嬉しいですね。これならば「猫毛をコロコロテープで取る」→「猫が擦り寄ってくる」→「猫毛をコロコロテープで取る」……の無限ループは避けられそうです。

猫に触れさせたくないものが置ける玄関スペース

ポイント3:自由にDIYできるフリーウォール

好きな幅でつけられるキャットウォーク

賃貸住まいにおいて、なかなか難しいキャットステップなどの壁面DIY。自由にDIYできたらいいのにな……と思ったことが一度はあるのでは? そんな願いをかなえてくれるのがこちらの自由にDIYできる“フリーウォール”です。壁紙の上からDIYできる壁をつけているので、壁に直接釘を打っても大丈夫! 好きなところにキャットステップなどがつけられます。傷が目立ちにくい柄なのでキャットステップの付け直しをしても以前の設置場所が目立たないのも嬉しい! あなたならフリーウォールにどんなDIYをしたいですか?

他にもさまざまな機能の詰まったネコリパ不動産物件。あなたと猫ちゃんにぴったりのお部屋がきっとあるはず! そして,今回は猫飼いさんの夢を叶えてくれるサイトを立ち上げた、ネコリパブリック首相河瀬さんとイノーヴの葛西さんにネコリパ不動産についてインタビューしてきました!

ネコリパさん×イノーヴさんにインタビュー!


今回お話を伺ったネコリパブリック首相河瀬さん
※画像は提供素材より。


今回お話を伺ったイノーヴ株式会社の葛西さんとネコリパ不動産マスコットの「ぼく」

――ネコリパ不動産はどのようなきっかけで立ち上げたのですか?


葛西)もともとは私が猫と暮らせる家を探すのにとても苦労した経験がありました。その経験を基に、仕事で猫と暮らせる賃貸マンションを企画。その企画内容について多くの猫と触れ合っている方から現実的な意見を聞いてみたい、ということで、調査の一環として実際に猫の保護活動を行っているネコリパブリックさんにお邪魔したのが出会いです。お話を伺うと、保護猫を家族に迎えることの障壁になっているのがやはり「ペット不可」の規約だと強く感じました。猫可賃貸は数が少ないことはもちろん、情報が集約されて発信されていなかったのも問題点の1つでした。そんな時、弊社(イノーヴ)の管理している部屋を一室丸々猫賃貸用にリノベーションする機会に恵まれまして、ではそのお部屋の賃貸募集をきっかけにもう仲介ウェブサイトも立ち上げてしまおう、ということでスタートしました。それが「ネコリパ不動産」誕生のきっかけです。

河瀬)私が猫の譲渡会などで感じるのが、猫と人間が快適に暮らせる家があまりにも少ないということでした。猫可の家が少ないということもありますし、猫可の物件でも規約で1匹までとなっていて、人間にとっても猫にとってもメリットのある多頭飼育ができない家がほとんどです。そんな現状を変えるきっかけになればと思い、イノーヴさんと協力してネコリパ不動産を始めました。猫を幸せにしたいという思いで繋がりましたね。

――ネコリパ不動産で大切にしていることはなんですか?


葛西)猫にとって暮らしやすい部屋を探しやすく、というところですね。猫可賃貸の中には猫を飼うのに適していない広さや造りで、実質は猫を飼えない環境ということが多々あります。そういった猫可なのに猫を飼えない部屋は除いた、本当に猫と楽しく暮らせるお部屋の情報を集約させるという点には気をつけていますね。

河瀬)そうですね、猫や人間がストレスを抱えながらでは、お互いに幸せにはなれないと思うのでお互いに快適に過ごせる環境を、ネコリパ不動産では情報提供していきたいと思っています。
また、保護猫カフェにいらっしゃるお客様で、今住んでいる物件では飼えないために猫を譲渡できない方が多くいらっしゃいます。そこで、ネコリパ不動産のチラシや猫可物件のチラシを置くことで、少しでも多くの方向から猫可物件に住みたいお客様に情報提供できるようにしていますね。猫を譲渡する側としても、譲渡する猫を連れていった時しか住環境を見る機会がないので、猫にとって快適な住環境だと分かっているネコリパ不動産のお部屋に住んでいる方であれば安心です。

――ネコリパ不動産の物件はどのように決められているのでしょうか?


葛西) 2つの経路があります。1つ目は仲介業者向けのサイトで検索して見つけるという方法。この場合には見つけたものを実際に見に行き、猫と暮らすのに適していれば管理会社に許可をとって掲載しています。もう1つは個人のオーナー様や管理会社から掲載の依頼が来る場合です。ネコリパ不動産を立ち上げてからは、オーナー様や管理会社から掲載の依頼がくることもあるので、その場合にも実際に見に行ってから掲載をしています。現在は実際に見に行った物件しか掲載していないのですが、今の状態だと私が行けない遠方の物件に対応できないので、これからどのように対応していくのかを検討中ですね。

――猫と賃貸物件で暮らす上で気をつけるべきことはなんだと思いますか?


葛西)やはり脱走防止が一番だと思います。

河瀬)そうですね。賃貸に限りませんが、脱走してしまって見つからないとせっかく私たちがつないだ命が無駄になってしまうので、脱走防止は外せないです。それに加えて猫が快適な環境という点で、上下運動できるようなロフトやキャットタワーがある環境にすることが大切ですね。

葛西)管理会社として思うことは、できるだけきれいに使える工夫をしてほしいということですね。柱や壁紙を借主負担で原状回復するという規約になっていても、壁紙や柱に傷をつけていいということではなくて、猫の保護者として壁や柱に傷がつかないようにガードを設置したりといった対策はして欲しいと思います。傷が少なければ敷金をお返しすることができるということもありますし、オーナー様の気持ちとして貸した後の状態を見たときに、大事なお部屋をこんなに荒らされるなら次は猫可で貸したくないという風になりかねないので、次にその部屋で猫を飼いたい人が後ろに並んでいるという気持ちで過ごしてほしいですね。

――ネコリパ不動産の今後の目標はなんですか?


河瀬)ネコリパ不動産として大きな目標としているのは、すべての物件が猫可になることです。先ほども部屋をできるだけきれいに使って、という話がありましたが、「猫=部屋が荒らされる」というイメージをなくせば、現在猫可ではない物件のオーナー様も猫可物件にすることへの抵抗がなくなりますよね。ネコリパ不動産を通じてそういった猫へのマイナスイメージを払拭して、猫を飼っているということが物件を借りる際にマイナスにならない世の中にしたいと思っています。そして、そういった物件が増えることで保護猫たちの家族を見つけられるようにすることが最大の目的でもあります。

葛西)ネコリパ不動産は先ほど言ったような経緯で始まったのですが、私はこれを猫と暮らせる住宅が当たり前になるかどうかを実証するための社会実験だと思っています。そして、方法はあると思っているんですね。床や壁の素材に気をつけ、飼い主さんときちんと契約を交わせば室内の保全はそんなに難しくはありません。実際にネコリパ不動産を立ち上げてから、猫可の物件を将来的に建てたいというオーナー様から問い合わせもありました。お持ちの一部屋を猫と暮らせるようにリフォームし、幸せな猫を増やしたいと言ってご連絡をくださるオーナー様もいます。そういった猫可物件にチャレンジしたいオーナー様をサポートし、猫可物件を探しても見つからない人の相談に乗れるようなサイトでありたいと思っています。

――最後に、今後猫と暮らしたいと思っている方へエールをお願いします!


河瀬)猫がいる生活というのは本当に豊かなすばらしい生活です。猫によっても性格はさまざまですので、自分のライフスタイルや性格に合った猫を迎えてほしいですね。保護猫を家族として迎えることを検討されている方は、ぜひ保護猫カフェで生活の様子をみて自分に合った子を探していただければと思います。

葛西)猫を飼いたいと思っていらっしゃる方は、まずネコリパ不動産を見てみてください。もしご希望の物件が無い場合には掲載できていない物件もあると思いますので、ご相談いただければ頑張って探します!

以上、お話を聞かせていただきましたネコリパブリック首相河瀬さんと、イノーヴ株式会社の葛西さんからのエールでした。お2人とも猫と人間が双方ともに幸せになれる社会を実現したいという熱意に溢れた方で、これからどんどんネコリパ不動産で掲載される物件が増えていくと思いますのでますます楽しみになってきました! 猫と暮らしたい方はぜひネコリパ不動産を覗いてみてくださいね!

(番外編)ネコリパブリック中野店にもお邪魔させていただきました!


今回取材させていただいたねこ専用リノベマンション@高円寺から徒歩20分ほどのところにある、「ネコリパブリック中野店」にもお邪魔させていただきました。中野店はちゃんの保護猫カフェですが、この日は定休日だったのでお客さんに甘えられなかった甘えん坊な猫のみんなはゴロゴロスリスリ……他の猫カフェには行ったことがないのですが、こんなに甘えん坊なのはかなり珍しいのではというくらい初対面の私でも撫で放題の猫天国でした。1面ごとに違う壁紙などのおしゃれな内装を含め、かわいさ盛りだくさんのネコリパブリックもぜひ一度行ってみてください!


店内には猫の紹介が貼ってあります


三毛×縞模様の毛並みが魅力的なみしまさん

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