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ペット防災してますか?いざという時のために備えておきたい3つのこと

2018.08.29


東日本大震災や熊本地震などの大きな地震や西日本豪雨など、避難が必要になるような災害は私たちの身近にあります。東日本大震災以降、震災に備えて防災バッグの用意や避難場所の確認など、非常時に備えた対策を考えるようになった方も増えたのではないでしょうか。そして東日本大震災で浮き彫りになったもう一つの問題が、「ペットの防災」です。東日本大震災では飼い主と離れ離れになってしまったペットが相次ぎ、飼い主と避難所に避難できても避難所での飼育環境の問題や救援物資が届くまで時間がかかってしまうといった問題が浮き彫りになりました。ペット防災について最低限備えておきたいものや、対策はどのようなものがあるのでしょうか。環境省が発行している『ペットの救護対策ガイドライン』をもとに紹介します。

東日本大震災をきっかけに作られたペットの救護対策ガイドライン


2011年3月11日に起きた東日本大震災では大規模な地震や津波などで、多くの方が避難生活を送らなければならなくなりました。その中でやむなく自宅に取り残されて飼い主とはぐれたペットが放浪状態となってしまったり、一緒に避難できた場合でも避難所でのペットの取り扱いでトラブルになるケースが相次いだため、対策マニュアルとして作られたのが『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』です。

ペットとともに避難するために飼い主がしておかなければならないこと



◆しつけや健康管理
ペットとともに避難所に避難した場合は、家族以外の人がたくさんいる場所に避難することになります。避難経路の確認や備品の用意などの準備はもちろん、普段からのしつけや健康管理なども避難所や仮設住宅での共同生活では必要です。避難先にはアレルギーの方も動物嫌いの方もいる可能性がありますので、ペットや周囲の方にとってストレスを抑えられるようしつけや健康管理を普段からしておきましょう。必要なしつけの詳細については『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』に書いてありますので、今のしつけで大丈夫か確認しておくと安心です。

◆迷子対策
災害発生時はやむを得ずペットを残して避難したり、避難途中でペットとはぐれてしまう場合があります。東日本大震災でも多くの動物が飼い主とはぐれてしまいましたが、その多くは飼い主のもとに戻れずにいるそう。迷子対策には下記のようなものが有効となっていますので、うまく利用して災害時の迷子発生を防ぐようにしましょう。

犬の場合
・首輪と迷子札
・マイクロチップ(動物病院などでつけられる身元証明用チップ)
・鑑札(飼い犬の登録証)や予防注射済表

猫の場合
・首輪と迷子札(猫の首輪はひっかかりを防止するために、力が加わると外れるタイプがよい)
・マイクロチップ(動物病院などでつけられる身元証明用チップ)

◆持ち出し物の用意

災害時にはペット用品もなかなか届かないような状況が続きますし、支援物資が届いても自分のペットに使えるものが届くかどうかわかりません。『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』には優先順位別に下記のようなものを最低限用意しておくように書かれています。

<優先順位1>常備品と飼い主やペットの情報
・療法食、薬
・フード、水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)
・予備の首輪、リード(伸びないもの)
・食器
・ガムテープ(ケージの補修などに使用可能)
・飼い主の連絡先とペットに関する飼い主以外の緊急連絡先・預かり先などの情報
・ペットの写真(いなくなってしまった場合や自分の家のペットと証明するのに使います)
・ワクチン接種状況、既往症、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報

<優先順位2>ペット用品
・ペットシーツ
・排泄物の処理用具
・トイレ用品(猫の場合は使い慣れたトイレ砂)
・タオル、ブラシ
・おもちゃ
・洗濯ネット(猫の場合)など

災害時では支援などもどうしても人間が優先になるため、ペットのことは飼い主が面倒を見ることが基本となります。健康なペットはもちろん、薬や特別なものが必要なペットを飼っている方は災害時や避難先、状況が落ち着いたあとなどに命を落とすことになりかねません。自分のペットに必要なものをそろえておくことはもちろん、迷子になってしまった場合など万が一に備えて対策をしておきましょう。

ペット防災と同時にあなたや家族のための防災グッズも準備しておこう

以下に、あなたや家族のために準備しておいたほうが良いものを記載します。食料品以外のグッズをまとめてみましたので参考にしてみてください。

【大人用】
・リュックサック(防災グッズが詰め込める大きさのもの)
・アルミシート(敷くことで防寒に役立ちます)
・アルミブランケット(羽織ることで対応の低下を防いでくれます)
・PEテープ(水滴にも強く、手でまっすぐ切れるので便利)
・布テープ(通常の使い方以外にもメモ帳代わりや応急処置としての止血にも)
・懐中電灯(防災用であれば尚良し。ヘッドライトであれば両手が自由に使えます)
・携帯トイレ(いざという時に水がなくても使えます)
・ラバー製手袋(軍手よりもケガをしにくく水にも強いです)
・レインウェア(雨が降っていないときもトイレや日常生活の目隠し代わりとして)
・非常用給水袋(コンパクトに折りたためるものが持ち運びしやすい)
・ホイッスル(閉じ込められてしまったときなどに居場所を知らせることが可能)
・ライター(暖をとったり温かい食べ物が欲しいときに便利)
・ビニール製小袋(小銭や小さなものなどを入れたりするのに便利)
・圧縮袋(衣類等を入れて圧縮しておくとかさばりません)
・ポリ袋(運搬用、簡易トイレ代わり、レインウェア代わり、和え物調理なども可)
・カッターナイフ(紐や段ボール加工以外でも食材加工にも使用可)
・ロープ(用途にあった結び方を覚えておくとさらに安心)
・マスク(不特定多数の人があつまる場所では感染症予防対策も重要)
・歯ブラシ(水や歯磨き粉が不要なものであればより安心)
・綿棒(歯ブラシの代用としてや傷口の消毒時にも使用可)

最近では防災グッズも進化して、多機能商品も多く販売されています。あなたや家族が必要と考えるものを考えて「事前に」準備をしておきましょう。

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