愛猫家必見!「ダイワハウス」が提案する『猫と暮らす家』を徹底解剖
2018.04.01
近年、ますます飼育頭数がアップ! 猫を飼う魅力とは?
突然ですが、あなたはペットを飼っていらっしゃいますか? 犬と猫だったらどちらが好きですか?
データによれば、2017年12月時点で犬は約8,920千匹、猫は約9,526千頭がペットとして飼育されていて、犬の飼育頭数は年々減少傾向に対し、猫は犬の飼育頭数を上回りました。(一般社団法人ペットフード協会調べ)
たしかに、毎日散歩が必要な犬と比べ、終日室内で過ごす猫は1人暮らしでも飼いやすい動物です。ゴロンと寝転がっている姿や、おなかがすいたときは鳴いて甘えるのに、満腹になると急にどこかへ行ってしまう猫の“ツンデレ”に翻弄される毎日は、ほんとうに飽きないですよね。そんな猫の格言として「犬は人につき、猫は家につく」なんて言葉がありますが、猫だって快適な家のほうがいいはず。ということで、猫にとって快適な住空間を求めて、ダイワハウスの『猫と暮らす家』にお伺いしました。
さっそく『猫と暮らす家』を訪問! 担当者の佐藤さんにインタビューしました
猫との暮らしにスポットをあてた 『猫と暮らす家』。なんとこのお家は、猫の飼い主さんの意見をもとに企画された “猫視点”でつくられたお家なんだとか。手がけたのは住宅総合メーカーの「ダイワハウス」。その『猫と暮らす家』の企画を担当した大和ハウス工業 佐藤文さんのインタビューを交えながら、徹底解剖してみます!

Q.『猫と暮らす家』を企画するに至った背景を教えてください
佐藤) 住宅の購入を検討されている人の住み心地も大切ですが、家族である犬や猫の住み心地まで配慮した家の提案も必要だというところから、2015年にプロジェクトがスタートしました。最初にできたのは『犬と暮らす家』のほうで、ネコノミクスと言われるように猫の人気も高く、現実的に猫を飼っていらっしゃる方が多いので、猫の家も建てることになりました。
Q.どのように『猫と暮らす家』を開発していったのですか?
佐藤)「ダイワハウス」は住宅のプロですが、猫に詳しい方からのアドバイスをお願いしたいなと思いました。そこでご自身でも犬と猫を飼っていて、ペット関連への執筆も多いエッセイストの石黒由紀子さんにお声がけをさせていただき、実際に、石黒さん宅の猫の特性を見たり、石黒さんの日々のペット飼育のお悩みを解決しながら、この『猫と暮らす家』を完成させていきました。

Q.今回『猫と暮らす家』を考えるうえで、一番大事にしたところはどこですか?
佐藤) 『犬と暮らす家』のときもそうだったのですが、特にこだわったのは“陽だまり”をつくることです。そこで窓前の台座の幅を広げ、日光浴ができるスペースを設けました。外の観察もお昼寝もできるスペースです。これは、石黒さん宅の猫が、ずっとソファの背もたれで丸くなっていたのを見てつくろうと思いました。また、猫は上から獲物を見張る習性があるので、躯体の梁を利用したキャットウォークを設置し、そこでのんびりしたり、日向ぼっこができる空間にしました。


「ダイワハウス」が提案する“猫が快適に暮らせる”3つのポイント
Q.猫が快適に暮らせるポイントはどんなところですか?
佐藤) 近年では、猫の交通事故や感染病などの問題を避けるため、室内飼育が推奨されており、室内でも猫が快適に過ごすことのできる空間づくりへの関心が高まっています。そこで、猫が自由気ままに動き回り、室内でもストレスなくのびのび暮らせるよう心がけました。猫は高いところが好きだったり、日向ぼっこが大好きです。また、キレイ好きな一面もあるので、トイレが汚れていると嫌がります。そういう猫の習性や行動を配慮した際に、『猫と暮らす家』では以下の3つのポイントに沿って、企画しました。
・猫が運動できる空間をつくる
先に企画した『犬と暮らす家』と大きな違いが、猫が運動できる空間の設計です。犬の場合は「水平」を意識して、階段は緩勾配で設計したのですが、猫の場合は上下運動をするので「垂直」を意識しました。たとえば、2階のキャットウォークから1階へは、キャットステップという階段型のステップでつなげました。これを昇り降りするだけでも、猫にとって十分な運動になります。
それから、キャットウォークから2階の専用通路を渡れば、飼い主さんがいる居室部分へ自由に出入りできるようになっています。1階から2階への動線に行き止まりをなくし、猫が1日中お家にいても飽きずに、ぐるぐる動き回ってアクティブに過ごせるようこだわりました。


・猫の習性を活かした空間をつくる
次に意識したのが、猫の習性を活かした空間の設計です。猫を飼っている方で、家具を猫がひっかいて傷つけちゃうとお悩みの方がいらっしゃいますが、猫が好きな硬さの爪とぎの場所があれば、家具で爪とぎすることは少なくなります。そこで『猫と暮らす家』では、麻縄を巻いた爪とぎ柱を作りました。ここで思う存分、爪とぎをしてもらえればと思います。
それからトイレにもこだわりました。猫はキレイ好きなので自分の排泄物を隠す習性があります。そこで、玄関脇の収納の中に猫専用のトイレ空間を設けました。トイレ空間には専用のキャットドアから、そのままトイレに入ることができます。


・猫の安全に配慮する
最後のポイントは猫の安全性です。昨今、共働きが増えていて家を留守にすることも多いかと思います。そこで、飼い主さんが留守の時に安全であることも大事だと考えました。特にキッチンにはコンロもありますし、水道もちょっとした操作で水が出てしまうこともあります。それを回避すべく、外出中や作業中は猫がキッチンの中に入らないように、半透明のパーティション(ライトスルースクリーン)を設けました。猫に入られたくない時に閉めておくことができます。しかも半透明になっているので、中にいる飼い主さんの気配を感じて猫も安心できます。
また食器棚などの中に、猫が知らず知らずのうちに入っていたというお悩みも多く聞かれました。そこで『猫と暮らす家』では、食器からダストボックスまですべて中にしまえる大容量のキッチン収納を採用しています。


Q.そのほか、2階部分のこだわりがあれば教えてください
佐藤) 2階部分は子ども部屋と主寝室に加えて、書斎スペースを設けています。キャットウォークの動線が書斎につながっているのですが、ここも書斎で仕事をしながら背後に猫の気配を感じたいという石黒さんのご要望から設計しました。書斎スペースに窓をつけたのも同様です。この窓を覗けば、猫の居場所を確認できます。
また、飼い主さんにとってプライベートな時間の確保も大事かと思います。そこに一役かってくれるのが、ロック機能付きのペットドアです。こちらは主寝室のドアについている猫専用のドアなのですが、室内に猫を入れたくないという方は、ロックをすることもできます。


Q.今回『猫と暮らす家』を開発してみていかがでしたか?
佐藤)『犬と暮らす家』にも言えますが “ペットに配慮した家”をつくってみたら、赤ちゃんから高齢者までも暮らしやすいバリアフリーな家になりました。たとえば赤ちゃんがいればキッチンや水回りって心配ですよね。6歳ぐらいまでの子どもは包丁なども置いておくと危ないので、料理中は閉められるパーティションだったり、湯気のでる炊飯器を隠せるのも安全につながります。
そもそも、ペットを飼われている方はまず「ペット」とは言いませんよね。私も犬を飼っているので分かりますが、ペットというより家族そのものなんです。ですから、家づくりを提案するにあたって、家族のことを考えるのは当たり前のことなんですね。その結果、人が暮らしても安全で快適に暮らせる家が完成したのだと思います。
猫の視点にたっていかに心地よく暮らせるかを徹底的に考えた『猫と暮らす家』。やはり実際に猫を飼っている方の声を聞いているからこそ、人の視点ではわからない“猫の行動に対応したノウハウ”が満載でした。なお、こちらに掲載されている『猫と暮らす家』は現在、売約済となっております。佐藤さんをはじめ、「ダイワハウス」では、引き続き新しい商品化にむけ鋭意企画を練っているところだそうです。次はどんな住宅が誕生するのでしょうか。今からとても楽しみですね。
ダイワハウス『猫と暮らす家』
http://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/lifestyle/pet/cat.html