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困った!冬のトラブル ”給湯器” お湯が出ないときの対処法

2024.12.26


寒い冬の日、突然お湯が出なくなるというトラブルは大変なストレスです。地震による停電や自動ガス遮断装置の作動、経年劣化などさまざまな原因が考えられます。
給湯器の寿命は、ガス給湯器の場合もオール電化のエコキュートでも10年前後といわれています。経年劣化による故障の前兆として温度の低下や異音など症状が現れます。これらの危険信号に気付いたら早めに専門業者に点検を依頼しましょう。

給湯器はなぜ冬に故障が多い?

給湯器の故障の原因はまず経年劣化が考えられます。東京ガスによると、ガス給湯器の設計上の標準使用期間は製造から10年、エコキュートの場合も10年程度です。さらに冬場は外気温が低くお湯を使う頻度も増え、給湯器はお湯を作るためにフル回転します。フル回転が続くと給湯器の部品に大きな負荷がかかり続けるため、故障の発生原因となりやすいのです。
製造から10~15年以上経過した機種の場合、部品の供給が終了していることがあります。その場合は給湯器を新品に交換することになります。しかし、交換が必要になっても希望するタイプの給湯器が品薄で入荷待ちということもあるので、早めの対応をお勧めします。
【参考】
東京ガス ガス給湯器の寿命
DAIKIN エコキュートの平均寿命はどれくらい?
三菱電機 買い替え検討タイミングのポイント

給湯器トラブルが発生した場合の基本チェック

トラブルの原因を見分けるため、まずは基本項目をチェックしましょう。以下の手順で状況を確認してください。

1. 電源が入っているか確認
給湯器に電力が必要な場合、停電またはブレーカーが落ちて電気を遮断している可能性があります。電源プラグがしっかり差し込まれているか、ブレーカーが「切」になっていないか確認しましょう。

2. ガスの供給状況を確認
ガス給湯器は、長時間ガスを使用し続けた場合や地震を感知した場合にマイコンメーターの安全装置が作動し、自動でガス栓を遮断することがあります。ガス臭くない(=ガス漏れではない)のにガスメーターの赤ランプが点滅していたら、リセット(復帰)ボタンを押してください。ガス漏れの疑いがある場合はリセットせず、速やかにガス会社へ連絡しましょう。
【参考】東京ガスグループ ガスメーターの復帰方法

3. 水道管の状態・断水情報を確認
厳寒期には、水道管が凍結して水が流れない場合があります。この場合、給湯器自体は故障していなくてもお湯が出ません。蛇口を開けたまま配管部分をタオルで覆い、ぬるま湯を少しずつかけて解凍を試みてください。ドライヤーで温める場合は、低温設定で距離を保ちながら加温してください。またお住まいの地域の断水情報も確認してみましょう。

4. 給湯器のエラー表示を確認
給湯器にエラーコードが表示されていたら、そのコードを取扱説明書やウェブサイトで確認するか、メーカーのカスタマーサポートに問い合わせてください。

経年劣化による給湯器の故障を見極めるポイント

出典:三菱 エコキュート

給湯器の経年劣化による故障は、時間の経過とともに部品や配管が摩耗することで起こります。前項の基本チェックを行っても状況が改善しない場合は次のポイントを確認し、専門業者に点検を依頼してください。

1. 点火しない
給湯器が古くなると点火部分が劣化して動作しないことがあります。電池式の点火装置の場合は電池交換を試してください。

2. 異音や異臭がする
給湯器から異常な音がする、または異臭がする場合は、内部部品の劣化や故障、ガス漏れが疑われます。即時使用を中止してください。

3. 温度が安定しない
設定温度でお湯が出ない、または急に冷たくなる場合は、内部の熱交換器やセンサーが劣化している可能性があります。

4. 水漏れ・錆が見られる
給湯器からポタポタと水が漏れる原因は、配管の接続部分や継ぎ手部分に使われているゴム製パッキンの劣化によるものが多く、配管部分に劣化や凍結が起きていることもあります。目視で確認できなくても給湯器の下が濡れて湿っていたり、給湯器にサビが浮いていたりする場合は水漏れの疑いがあります。また、本体や配管に錆が見られる場合、長期間使用による金属部分の腐食が進行している兆候といえます。
【参考】東京ガス 給湯器からポタポタと水漏れが!

5. 外観の劣化
給湯器の外装が目に見えて劣化している場合、内部部品の状態も悪化している可能性があります。また、パネルやリモコンの不具合により、うまく反応しないこともあります。

上記のポイントをチェックしたり何度リセットしたりしても問題が解決しない場合は、早めに専門業者に点検を依頼してください。

厳寒期特有のトラブルへの対処法―水道管の凍結

配管に保温材を巻いて凍結を予防 
出典:ノーリツ 凍結に備えての対策

水道管が凍結すると給湯器に水が供給されず、お湯が出ません。気温がマイナス4度を下回る厳寒期は、

・夜間は少量の水を流し続ける
・配管に断熱材や保温チューブを巻く

などの予防策を講じましょう。建物の影や風の強い場所ではマイナス4度に届かなくても凍結することがあります。もしも凍ってしまったら、配管に少しずつぬるま湯をかけて解凍を試みてください。
【参考】クラシアン 凍結しやすい条件や凍結の対策方法

普段のお手入れやメンテナンス方法

配管の状態を知っておきましょう

給湯器の寿命を延ばしトラブルを防ぐためには、日常的なお手入れが重要です。

外装の掃除>
給湯器本体の外装は、ホコリや汚れを柔らかい布で拭き取る程度で十分です。水や洗剤を直接かけることは避けましょう。
フィルターの清掃>
給湯器にはフィルターが搭載されている場合があります。定期的に取り外して掃除し、水の流れを良好に保ちましょう。
配管の点検>
定期的に給湯器周辺の配管に水漏れやサビがないか確認してください。異常があれば早めに修理を依頼しましょう。
年1回の点検>
メーカーや専門業者による定期点検を受けることで、故障の予兆を早期に発見できます。

まとめ

冬の給湯器トラブルは、原因を適切に把握し迅速に対応することが重要です。自分でできる範囲での対応を行い、専門業者への依頼が必要かどうかを判断してください。特に経年劣化が進んでいる場合や安全上の不安がある場合は、無理に対応せず速やかに専門家に相談しましょう。また、日頃から凍結防止対策や定期的なメンテナンスを行い、トラブルを未然に防ぐことも大切です。

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