狭い賃貸でも生活しやすくするには?|ミニマリストおふみの相談室
2023.11.10
SNSを見ると広くてスッキリとしたお部屋が数多くありますが、賃貸住宅の場合は自分でDIYをするにも限界があり、「持ち家だったらな……」「もっと広い家に住んでいれば……」などと思ったことはないでしょうか。今回のお悩みは「狭い賃貸を生活しやすくしたい」というお悩みです。広い戸建てから1LDKまで幅広い賃貸を経験されたおふみさんが、賃貸でも快適に暮らす方法について解説してくださっています。
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賃貸で狭いので断捨離しても大して生活しやすさが変わらないです。
どこから変えていけば?!
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こんにちは、おふみです。
今回は部屋の狭さに関するご相談をいただきました。
狭さ問題、悩ましいですよね。
しかし、この山深い日本の国土を考えると、本当に理想の面積を手にして暮らしている人がどれだけいるでしょうか。
また家が広ければスッキリ暮らせるかというと必ずしもそうではありません。
私はかつて田舎暮らし時代に二階建ての一軒家に住んでいましたが、ものを手放すという発想がなく溜め込むばかりだったので汚部屋状態になっていました。逆にあの頃より狭い都内の家で住んでいる今の方がずっとものを少なく保ち、ものに関する困りごとはほとんどなく暮らせています。
狭さというよりも、面積に対して物量が多いから困っているのですよね。
ものの持ち方を見直せば、理想のスッキリ空間に近づけます。
ご相談者さんが目指すのは「生活しやすくなる」ことですよね。
このゴールに到達できるように、一緒に考えていきましょう。
困りごとを書き出して解決したいことリストをつくろう
そもそも「生活しやすくなる」とはどんな状態なのでしょうか。この言葉だけでは漠然としていますよね。とにかく具体的に言い換えていきましょう。
現在、生活しづらいと感じる場面があるわけですよね。その困りごとを解決したら、生活しやすくなるはず。
今部屋に関してどんな困りごとを抱えていますか?まずはこれを書き出してみてください。
足の踏み場がなくて困っているのか?
在宅ワークをしていて、くつろぎスペースと仕事スペースを分けられないことに困っているのか?
掃除機をかけようとすると床にものがあってつまづいてしまうのか、
はたまた、ものの住所が決まっておらず、探し物の時間が多くて困っているのか。
ものが多いことが原因で家族喧嘩の原因になっているのか。
具体的に困っていることを書き出し、「解決したいことリスト」としていつでも目につくところに置きましょう。達成するまで壁に貼ってもいいですし、スマホの待受画像にしてもいいし、手帳に書いて開くたびに確認するのでも構いません。
自分の持っていたいもののジャンルと物量を把握しよう
人それぞれ趣味があり暮らしがあり仕事の仕方が違います。だから持っていたいもののジャンルも物量も違います。
例えばわたしはイラストレーターで、アナログ画材での仕事の依頼もあります。なのにスッキリ暮らしたいからとアナログ画材を全て手放すとなったら本末転倒です。住まいのために自分の人生が振り回されすぎています。
スッキリ暮らすために大好きな趣味を捨てるのも仕事を捨てるのももったいない。
ものを少なく保つことは、人生の目的ではなく快適に暮らすために利用できる手段だと考えています。
これは絶対に手放したくないというアイテムを書き出してみましょう。
反対に、これを残すためなら、別のジャンルのものは手放してもいいなと思えるものもあるのでは。
自分にとっての持ち物ジャンル別の優先順位を知れば、残す・手放すの判断基準になります。
自分の持っていたいもののジャンルと物量を把握しましょう。
間取り図から考える
現状を把握するために、以下のことを書き出してみてください。
お部屋は何平米ですか?賃貸契約の情報に記載があるはず。
そして、理想の空間のスッキリ具合はどれくらいですか?床の見え具合と言い換えても良いです。
クローゼットなどの造り付け収納にほぼ全てのものを収納しきって部屋の表には床置きのものがほぼない状態が良いのか、置き型収納があっても良いのか。
理想のスッキリ具合に近い画像などを集めてストックしましょう。
また、部屋全体を上から見下ろす神の目線で見直すことで、解決策が見えてくる場合も。
賃貸サイトなどに掲載されている間取り図(平面図)を用意して、造り付け収納や家具、収納に収まりきらないものも書き込んでみます。
そして、生活しづらい原因になっているものを取り除くにはどうすれば良いか考えます。
床に出しっぱなしになっているものをクローゼットに納めたら導線が確保できるのでは?→クローゼットはパンパンだと思っていたけれど手放せるものがあるかもしれないから見直そう→デッドスペースがあるので高さ方向と奥行き方向を活用できれば納められそう、など浮かんだ解決策を試してみてください。ものの置き場所はパズルのようなものなので、紙に書き出すと思考が整理されます。
加えて、持っているのが当たり前だと思っていたものにメスを入れると劇的に部屋を広く使える可能性があります。
鍋で米を炊けば炊飯器を置いてある場所が空くのでは?
鍋でお湯を沸かせば電気ケトルは手放せるかも
など、一つ一つの持ち物に「なくてもいけるかも?」と問いかけてみてください。
持ち物を減らしても、そもそも造り付け収納が極端に少ない場合もあるでしょう。
その場合は、多少出費がかさみますが置き型収納で補うという手があります。
例えば収納のついたベッドに買い替えることで収納の容積を増やせます。ただし、収納を買い足す前に不要なものを徹底的に手放してから購入しないと、整理が進んだら不要になる可能性があるので、よく検討しましょう。
あるいは収納場所を別用途に転用するのもありです。
キッチン用品が少ないなら、キッチンの吊り戸棚の余った空間にキッチンアイテム以外のものを収納しても良いのです。
「この空間にはこれをしまうべき」という思い込みを取り除いて、柔軟に収納場所を決めていきましょう。
トランクルームについて検討してみる
上記の手順を試してもなお、ものが溢れている場合は、トランクルームを検討します。
まずお近くのトランクルームの月額を検索してみてください。
近くになくても宅配型トランクルームのサービスもあるので金額を調べてみましょう。
そして家で週に一回使うものは残し、たまにしか使わないものを段ボールに入れて、トランクルームに預けることを考えてみます。
もちろん毎月お金がかかります。「そこまでして残すのはもったいない」「預けたきりになりそう」と感じる場合はなくてもいけるかも。手放し対象です。
かかるお金と天秤にかけてみて、引っ越しの方が良いと判断したら引っ越しもありです。職業上どうしても、ものが多くなるお仕事もありますし、それに対して劇的に今の住まいの面積が狭い場合もあります。駅までの所要時間や築年数など優先順位を下げられるものを下げて、部屋の広さにウエイトを置いて住まいを選び直すのも手です。
たまに使うけれど捨てると生活に支障をきたすものが多い場合は、トランクルームの利用で解決する場合も。自分の困りごとを解決してあげられるのは自分です。
ひとつひとつ取り除いて、生活しやすい空間を手に入れましょう。
少しでもお役に立てる部分があれば幸いです。