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【ミニマリストおふみの相談室】収納のリバウンドを防ぐにはどうしたらいい?

2022.06.24

きれい好きな方でも「少し忙しくなるとすぐに部屋が散らかってしまう……」「だんだんと散らかってきてしまい定期的に丸一日かけて片付けている」といったお悩みはないでしょうか。今回のおふみの相談室は「収納のリバウンドを防ぎたい」というお悩みです。終わりなき毎日の面倒な家事も、自分が一番面倒と感じている部分だけでも手放せると収納のリバウンドを防げるかも。ミニマリストおふみさんに根本解決法を伺いました。

※現状を把握するためにお写真をいただき、こちらをもとに簡単に現状をイラスト化しました。

Kさんの収納はハンガー掛け収納になっており、本来はバッグ類含めすべてバーにかけて収納できるのですが、乾燥機にかけた服やバッグを左側の収納の上についつい積み重ねてしまうそう。

一度左側に積み重ねると自動的に右のスペース(ハンガー収納エリア)が狭くなってしまうため、2度目の洗濯後は1回目に積み重ねた衣類も含めてハンガーにかける作業をしないとハンガーエリアに収納できず、さらに面倒くさくなって左側に積み重ねる量が増えていく、といった悪循環になっているそうです。

1~2か月周期で片付けてはリバウンドするのがお悩みとのこと

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ご相談いただきありがとうございます。

家事っていくらやっても終わらないですよね。
やっとの思いで洗濯物を畳んだのに3日後にはまた同じサイズの山ができていて、「ついこの間畳んだのにまた?!」という徒労感に襲われます。
積んでは崩される賽の河原を想像してしまいます。

日常は続いていくので、それに付随する家事は終わりのないものです。
終わらないからと整理整頓に全く手をつけないでいると目的のものが見つけられなくなり生活がしづらくなります。
生活しやすくするための、継続できる仕組みをつくってしまいたいですよね。

衣類収納のリバウンドを防ぐ方法、探っていきましょう。

●ハンガー収納の方が楽とは限らない

「畳むよりもハンガー収納が楽」とはよく聞きますが、これは外干しや部屋干しをしていて、濡れた衣類をハンガーに掛けて乾かしている人に限定したものだと思います。

私はよそゆき着の9割がシワが気になる素材なので、ハンガーに掛けて部屋干ししています。乾いたらそのままクローゼットに入れるだけなのでハンガー収納がとても楽です。私がブログなどで洗濯物効率化について発信したら、きっと「ハンガー収納が楽!」と書くと思います。
でもその楽さ加減は、各家庭の部屋の配置や導線、持っている家電などに左右されます。
ご相談者さんの家庭の場合は必ずしもハンガー収納が楽とは限りません。

ご相談者さんは乾燥機を使っていて、さらによそゆき着はシワになりにくい服を持つように工夫されていますよね。

乾燥機にかけたものをまたわざわざハンガーに掛けないといけないとなると、それは畳むことと同じくらい面倒だと思います。

●「ハンガーに掛ける」も「畳む」も手放してみる

ハンガー収納はシワになりにくいし、検索性も高いです。
でもハンガーに掛けるのが面倒に感じ、1ヶ月のうちのほとんどの期間を検索性の低い収納で過ごして、朝の支度が大変になっている現状があるわけです。
どれだけ便利だとされている収納方法でも、結果的にご相談者さんの暮らしが楽に回せないなら本末転倒だと思うのです。
それならもう、「ハンガーに掛ける」は手放しちゃいませんか。
自分が暮らしやすいようにどんどん仕組みを変えてみましょう、という提案です。

例えば提案の一つとして、入れるだけ収納はどうでしょうか。
つり下げ式の衣類収納を追加して、「靴下・インナー」と「トップス・アウター」に分類します。
畳むのが面倒なら畳まなくていいので、洗い終わったものをどんどん入れていくのです。


畳まずにポンポンとかごや衣類ケースに入れていく収納に変えるだけで、かなり楽になるはず。
他にも、靴下の種類を一種類に統一すれば、左右を一揃えにする必要もありません。本当に入れるだけ。

「靴下」「インナー」「トップス」「ボトムス」……と分類を細くすればするほど、支度時の検索性は上がりますが、それだけ収納時における分類の手間が増えます。
検索性と分類の手間を天秤にかけて、程よいバランスをとってみてください。
分類が細かい方が楽だと思えば、厚紙やプラスチックダンボールなどで自由に間仕切りを追加すればOKです。

この方法にすれば、洗濯物の山が崩れてハンガーゾーンを侵食することもないし、最低限の分類ができるから毎日の支度がぐっと楽になるはず。

どうでしょうか。
やることは「分類して入れる」だけなので、これならできそうな気がしませんか。

●一番面倒に感じる作業は何ですか?

収納が繰り返し散らかってしまう場合、まずは何が原因なのかを見つける必要があります。

物量自体が増えているのか?
物量は増えていないけれど、収納がうまくいかなくて散らかっているのか?
原因によって対策が変わってきます。

物量自体が増えている場合は、物量が増える理由に合わせて収納を見直す必要があります。
まずは、検索性が低いために目的のものを探し出せないから、同じようなものを買ってしまう場合。対策として、一度中身を全て出して、傷んだものや今後使わないものを取り除く作業をして量を減らします。それから収納の仕方を見直しましょう。例えば引き出し収納に畳んで重ねる形で服をしまっている場合は、ロール状に畳んで立てて収納するだけで、検索性が劇的に上がります。

あるいは、つい衝動買いしてしまっている場合もあるでしょう。その場合、「とにかくその場で買わない。どんなものでも一旦帰宅してから決断する。」と買い物ルールを定めることで物量が増えるのを防げます。

物量は増えていないけれど繰り返し収納が散らかる場合は、使ってから戻すまでの工程のどこかに面倒が隠れているはず。例えば洗濯なら、洗う・干す・乾燥・取り込む・畳む・しまうという工程のどれに取り掛かる時が一番億劫に感じるでしょうか。それこそがあなたにとってのネックです。ハンガーに掛けるのが面倒なら、乾燥機を導入&ハンガー収納はやめて引き出し収納にすることで「干す」「しまう」の面倒を取り除けるので、解決の兆しが見えそうです。畳むのが苦手なら分類だけして放り入れる収納にすれば面倒を手放せます。


「料理するのは好きだけど洗い物が苦手」という人もいればその逆もいるように、面倒に感じることは一人一人違うもの。
あなたにとっての面倒を見つけ出して、一つ一つ潰していきましょう。

世の中で「こうするべき」とされていることでも、人に迷惑をかけない事柄なら、どんどん手放して、手を加えてみて、自分の暮らしやすいように整えていくことをおすすめします。
面倒を手放して、仕組みさえ作れたら、あとは何も考えなくても暮らしを回していけるようになります。

少しでもお役に立てる部分があれば幸いです。



ミニマリストおふみの相談室では随時ご相談を受け付けております。
おふみさんに「聞いてみたい」「相談してみたい」などありましたら、お気軽にご相談ください。

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