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物をなくさないためにはどうしたらいい?【ミニマリストおふみの相談室】

2019.08.22


誰しも一度は経験した事のある「なくし物」は、買い直せば済む物から代替のきかない物までさまざまですが、大切な物をなくしてしまった時はとても焦ってしまいますよね。今回の相談者の方は初任給で購入した大切なネックレスをなくしてしまったのだそう。思い入れのある物、代わりのきかない物をなくしてしまったときはどう気持ちの整理をつけたら良いのでしょうか。また、物をなくさないためにはどのような対策をしたら良いのでしょう。

ニックネーム:まゆ
お悩み:先日、大事なネックレスをなくしてしまいました。
初のお給料で買ったネックレスで、見るだけで仕事のモチベーションがあがるものでした。
買ってから1ヶ月半くらいしかたっておらず、数日ぶりにつけようとしたら、いつものところになかったのです。頻繁に身につけていたし、外したら置く場所も決まっていたのになぜなくしてしまったのか……
1週間近くおちこんでいます。
ミニマリストのおふみさんでも、物をなくしたり、落としたりということはあるのでしょうか?
なくなってしまった場合、物を厳選している分、思い入れがあったり、替えが利かなったりすると思いますが、気持ちの整理はつきますか?また、どのようにして代替しますか?
その他、なくさない、落とさないための対策などありましたらお教えください。

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まゆさん、ご相談をお送りいただきありがとうございます。
初任給で買った大事なネックレスをなくされたとのこと、とても悲しいですよね。
一通りいろんな場所を探されたことと思いますが、今一度こちらの場所を探したり、1日を振り返ってみてください。

いつもと違う行動をして、思わぬ場所に入れていませんか?

いつものところに置いたはずなのになくしてしまったとありますが、そこにないということは普段とは違う行動をしてはいないでしょうか。
もう探された場所かもしれませんが、
例えば出先で映画を観る時に肩が凝るからとネックレスを外して、普段はしまわないポーチの中やバッグの内ポケット、服のポケット、財布の小銭入れなどに入れたりしていないでしょうか。
酔って帰って来て、いつもの収納場所ではなく洗面台にぽんと置いて、知らぬ間に床に落ちたりしていないでしょうか。
普段とは違う行動をとって、いつもなら入れないような場所にしまっている可能性はあります。
一度、なくした日前後の行動を一から思い出してみてください。

なくし物が見つかるおまじないで心を落ち着ける

いつものところに置いたはずなのになくしてしまうことってありますよね。私の親も、何度も探したはずの、バッグの内ポケットからなくしたものが見つかったことがあると言っていました。なぜか探しているときには見つからず、ふとした瞬間に出てくることがあります。

そんな時は一度心を落ち着けるために、おまじないに頼ってみるのもいいかもしれません。私がよく使っているなくしたものを見つけ出すおまじないがあります。
それは、「ナイナイの神様、ナイナイの神様、なくしたものが見つかりますように」とお願いしながら探すと探し物が見つかるというもの。

どうやら出典は、別冊少女コミックという雑誌で連載していた4コマ漫画『ぺけ-×-』で登場したおまじないのようです。私は当該作品を読んだことがないのですが、インターネット掲示板でこのおまじないを知り、なくし物のたびに唱えていました。
私はこのおまじないをしているときに、駐車券などを見つけた記憶がありその時は「ナイナイの神様のおかげだ!」と感謝しました。
大事な物をなくした時は慌てているものです、おまじないで心を落ち着けて、できる限りの手を尽くしましょう。よかったら試してみてください。

物を減らせば部屋の中でのなくしものがほぼなくなった

私は以前、物を捨てるという発想すらない汚部屋の住人だったので、その頃は頻繁に物をなくしていました。
しかしここ数年は、部屋の中で物をなくすことはほぼなくなりました。
物を減らしたことで収納場所にゆとりができ、ひとつひとつの物の定位置が決まり、なおかつ使ったらすぐに戻すようになったからです。

以前はハサミやホチキスをいくつも持っているのに、使おうと思ったら見つからずに新しく買うということを繰り返していました。思えば、いくつもあるからこそ定位置を決めておらず、目の前のしまいやすそうな場所に雑にしまっていたからです。
今は紙用、布用、キッチン用と用途別に1本ずつしかハサミを持っていません。紙用と布用は押し入れの中の文房具をしまっている引き出しに、キッチン用はシンク横の引き出しに収納すると決めており、「使ったらすぐ戻す」を徹底しているので、物をなくすということがなくなりました。

「ものの定位置を決める」「使ったらすぐ戻す」このふたつを徹底するだけで、物をなくすということと、物を探す時間というものから解放されます。

生まれて初めて外でスマホをなくした

普段持ち歩かないような物を一時的に持つ時は、一緒にいる家族や友人に声をかけるようにしています。コインロッカーの鍵などを持つ時などには、「右のポケットに入れたって一緒に覚えていてね」と声をかけて一緒に覚えてもらいます。

しかし、普段から持ち歩いているものはわざわざそんな風に声をかけたりしません。
先日、電車でスマホを落としてしまいました。
電車に乗り込む瞬間に、これから行く飲食店の営業時間を確認しようとしてスマホを取り出しました。そして友人とおしゃべりしながら、スマホをしまいました。駅に到着して階段を降りていたら、スマホがどこにもないことに気づきました。服のポケット、バッグの中、どこを探してもありません。ホームに戻りましたがスマホは見当たりません。
顔面蒼白、私は人生で財布やスマホといった「なくした時に替えのきかない物」を落としたことがなかったのです。

その日は夫にバッグを借りていました。夫婦で持ち物を共有することがあり、私のリュックを貸したら夫のトートバッグを借りる、というようなことをたまにしています。その日は内ポケットなどが一切ないトートバッグを使っていました。
自分が所持しているバッグは内ポケットがあるので、そこにスマホや財布を入れると決めているのですが、内ポケットがないそのバッグを使ったその日1日どこに入れるか定位置を決めきれず、普段なら入れない服のポケットに入れてみたり、またバッグの中に入れたりしていました。
「定位置を決められない」「定位置がないから毎回同じ場所にしまうことができない」それによってどこにしまったのかもわからず、物をなくしてしまいました。

ホームにある事務所で遺失物届けを出し、近くの交番にも届けを出しました。
帰宅してダメ元でPCから「iPhoneを探す」という機能を使い、翌早朝に届けを出した駅付近でiPhoneが検知されたという通知が来ていました。こうして落としたスマホと再会することができました。
スマホをなくした時は、何はなくとも「iPhoneを探す」機能、あるいはそれに類似した機能を活用しましょう。

今はスマホであればGPS機能で追跡ができますが、それ以外の物には基本的にGPS機能が無いものが多いです。今回まゆさんがなくされたネックレスもしかりです。私も過去に何度かイヤリングを片方だけ落としており、その度に「イヤリングにもGPSがつけられれば…」と思ってきました。

今回私がスマホをなくしたのは、普段使わないバッグを持ったために「物の住所を決める」「使ったらそこに戻す」が徹底できていなかったからです。GPSがつけられない物をなくさないための対策は、「物の定位置を決めて、それを守る」ことしかありません。その定位置は、外出先と自宅でそれぞれ決めておく必要があります。
「自宅ならこの場所に収納する」「外出先でこのバッグならこのポケットに」「内ポケットや外ポケットのないこのバッグの場合は、このポーチに」「映画を観るため・温泉に入るために外す場合はこのポーチのこの位置に」といった具合に、どのパターンでも定位置が決まっていれば、なくす確率はぐっと下がるはずです。

なくしたことに対する、気持ちの切り替え方法

なくしたことに対する気持ちの切り替え方法ですが、私は「避難」のことを考えます。例えばゲリラ豪雨で避難しなければならない時、本当に必要最低限のものしか持ち出せないので大事なものでも置いていかなければなりません。けれど、水没しても命が助かれば御の字です。また、飛行機の離陸前に毎回緊急時のためのアナウンスで「緊急避難の際は脱出用シュートから脱出します。避難の妨げになるのでお手荷物は全て機内にお残しください」という旨の案内を聞くたびに、財布もスマホも何もかも持っていけなくても命が助かるのが一番だなと思います。

何もかも、命あってのものです。命に代えはありませんが、命があれば失った物は買い直すことができますし、同じものが売っていなくても似たものを買えます。思い出の詰まったものを失ったために買い直しても意味がないのだとしたら、目の前になくても思い出の中にはあります。こんな形だったな、ここに傷があったな、こんな出来事があったな、と思い出すことができます。大事なものを失くして落ち込んだ時は、そんな風に思いを馳せることで気持ちを切り替えています。

しばらく経ってから「あんなに探したはずなのに…」という場所からポロっと出てくることも多いのが失くしもの。

まゆさんのネックレスが見つかりますように。もし見つからなかったとしても、まゆさんの気持ちの整理がつきますように。

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皆様のご応募お待ちしております。

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