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冬なのにゴキブリが出てきた!対策と駆除方法

2021.12.27


多くの方にとって苦手な虫の上位に入るであろうゴキブリ。春~秋の比較的暖かい時期はドラッグストアでも店頭にさまざまな対策グッズが並んでいますが、寒くなってくると途端に少なくなり、ゴキブリもいなくなったのだろうと安心してはいないでしょうか。実は、冬の間も動きこそ鈍くなるももの、死滅や冬眠をしているわけではなく、室内の暖かく湿気のある場所に潜んで繁殖しているのです。つまり、冬でも対策をしておかないと大掃除の際に出くわしたり、暖かくなり動きが活発になった途端に大発生という恐ろしい事態になってしまうかもしれません。姿を現しにくい冬の対策と駆除方法とはどんなものがあるのでしょうか。ゴキブリの習性や好む場所を把握して効果的な対策を解説していきます。

こんなところに潜むゴキブリの巣


キッチンや洗面所、家電の隙間や家具の裏などで突然遭遇するゴキブリ。驚いてオロオロしているうちに殺虫スプレーを用意する間もなく素早く逃げられてしまうことはありがちですよね。そもそもゴキブリはどんな場所を好んで潜んでいるのでしょうか。

まずダントツに遭遇率の高いのはキッチンです。特にシンクまわりや家電の裏などは直射日光があたらないため湿気が溜まりやすく、家電の放熱で暖かいので冬場でもゴキブリの好む環境が揃っています。さらに、キッチンにはゴキブリにとってのエサや水が豊富にあり、冬でも繁殖できる条件が揃っているのです。

考えただけでも恐ろしい話ですが、ゴキブリの巣自体はどこにあるのでしょうか。

実はゴキブリは特定の巣というものは作らず、ゴキブリが発する特有の匂いで仲間が引き寄せられて繁殖しています。つまり集まった場所がすでに巣のような機能を果たしており、集まった場所に次々と卵を産み増殖しているのです。

キッチンだけでなく、押し入れや電子機器の裏など食品や水気のない意外なところでゴキブリを発見することもありますよね。これはゴキブリの種類によっては電子機器の隙間を住みかとすることがあるためです。ホコリやゴミ、紙類でさえもエサにしてしまうゴキブリにとっては、電子機器の隙間やタンスの裏などでも巣となり得ます。

またゴキブリは夜行性のため、昼間見かけることがなくても安心はできません。家の中の見えない快適な場所に潜んでいる可能性は十分に考えられるということです。

冬場も潜むゴキブリへの対策

生命力の強いゴキブリですが、冬場になるとほとんど見かけなくなるため、寒さには弱い、または死滅すると思われがちです。

確かに気温の低い冬の間は動きが鈍くなり、屋外のような低温の場所にはほとんどいなくなりますが、実はゴキブリの繁殖のピークは秋といわれています。繁殖力・生命力の強いゴキブリは冬でも室内の暖かく湿気のある場所を探して巣をつくり繁殖を繰り返しているのです。

家庭でよく見かけるゴキブリは、主にチャバネゴキブリとクロゴキブリという2種類ですが、好む場所には多少の違いがあります。

どちらの種類にも共通して対策が必要なのが、冷蔵庫や電化製品のモーター部分、段ボールや紙類、棚の中など、室内の暖かく湿度のある場所です。冬場でもゴキブリの好む環境が揃いやすいこれらの場所はどちらの種類のゴキブリにとっても快適な棲み処となってしまいますので

●頻繁に動かせない冷蔵庫などの家電製品や家具の後ろはエサとなるゴミやホコリが溜まらないようこまめに取り除き、置き型の殺虫剤を置く
●卵を産みつけられやすい段ボールは室内には溜め込まず処分をしておく
●「ホウ酸ダンゴ」(ゴキブリが好むじゃがいもや小麦粉などにホウ酸を混ぜた毒餌)を置いておく

など、特に対策を徹底しましょう。

比較的小型のチャバネゴキブリは、季節にかかわりなく1匹見かけたらあっという間に増える繁殖力が特徴です。そのため個人で完全に駆除するのは難しく、繁殖したチャバネゴキブリを徹底して駆除したい場合には業者に頼んだ方が良いかもしれません。

繁殖力の強いチャバネゴキブリの対策で効果的なのが、ゴキブリが食べた排泄物や死骸を仲間が食べることで巣ごと駆除できる「毒餌剤」を設置することです。ホウ酸団子と違い、集まった仲間を丸ごと退治することができるため、繁殖力の強いチャバネゴキブリに特に効果的な対策といえます。

クロゴキブリも冬場は見えない場所に潜んで姿をほとんど現しませんが、チャバネゴキブリと違い飛ぶことができるので屋外からも侵入しやすいという特徴があります。玄関や床の隙間などから侵入しないように隙間テープで塞ぎ、さらにゴキブリ除けスプレーを吹きかけておくといった侵入防止策が特に効果的です。

  

冬場の対策のポイントは、とにかくゴキブリの好む環境を作らないことに重点を置いて対策をしましょう。冬から暖かい季節になったときに、孵化した大量のゴキブリに遭遇しないようにするために冬期の駆除対策を怠らないことが大切です。

冬場に窓を開けて冷やすとゴキブリがでなくなる?


ところで冬場に窓を開けて室内を冷やすとゴキブリは寒さで死んでしまうという説を聞いたことはないでしょうか。本当であればかなり耳寄りな情報ですが本当のところはどうなのでしょう。

ゴキブリは20度から30度前後の温度を好み、それ以下になると動きが鈍くなり動けなくなってきます。さらに乾燥した場所も基本的には苦手としており、常に気温5度以下の状況が1カ月程度続けば卵も孵化はしなくなるのだそう。

ところが、玄関やドア、換気扇や通風口、排水口など、あらゆる隙間から簡単に家屋に浸入することができるため、仮に一旦冬場に窓を開けて冷やしたとしても部屋に戻り暖かい環境になると戻ってきてしまうリスクは常にあります。さらに、天井裏や冷蔵庫の裏側や電化製品、機器のモーター部分などの暖かい場所があれば寒さや乾燥から避難できるため、一時的に駆除できる環境を作ることも難しいかもしれません。

現在の住宅の多くは断熱材が使用されており、たとえ冬場に数時間窓を開けて室内を冷やしてみたところで、ゴキブリが死滅してしまうほどまでの影響はなく、家のどこかに潜んでいると考えていたほうがよさそうです。

殺虫剤を使わない安心なゴキブリ駆除方法は?

殺虫剤などの薬剤を使うと比較的簡単にゴキブリへの対策が行えますが、殺虫剤が手元にない場合や、家に赤ちゃんやペットのいる家庭では、できれば殺虫剤の使用は避けたいものです。殺虫剤を使わずに退治、対策する方法にはどんなものがあるのか、いくつか紹介していきましょう。

前から新聞紙などで攻撃する
後片付けが憂鬱ですが、新聞紙や本でたたく、または掃除機で吸うなど物理的に攻撃するのは一番オーソドックスな方法です。怖がってつい後ろから狙いがちですが、ゴキブリは前に進む習性があるので、可能であれば後ろから狙うのではなく「前から狙う」方が仕留めやすくなります。

熱湯で攻撃する
ゴキブリに限らず昆虫は高温に弱いので、熱湯をかけるのも有効な手段です。即効性もあるため、手元に熱湯があり、濡れてもよい場所で見つけたときは簡単な攻撃方法となり得ます。

洗剤で呼吸を止める
食器洗い洗剤など日常的に使用している洗剤でも、吹きかけることでゴキブリの呼吸をする穴を塞ぎ、窒息死させることができます。キッチンのシンクで発見したときは手元にある食器洗い洗剤を使うのが簡単かもしれません。

市販の天然成分の駆除剤や忌避剤を使用する
以下のような化学合成殺虫成分を含まない市販の駆除剤を試してみるのも効果的です。

●ナチュラスアース天然ハーブのゴキブリよけ
食器棚や戸棚に置くだけの簡単なゴキブリよけです。ゴキブリが嫌がる天然ハッカ配合で、やさしいミントの香りです。食器まわりにも安心して使用でき、開封設置後、約1ヵ月間の効果があるのだそう。


●サイキョウ・ファーマ 消毒用エタノールIP スプレー式 500ML 【エタノール76.9-81.4vol%】
感染症対策で手指用のアルコールスプレーを置いている家庭もあるかと思いますが、こちらも洗剤と同じく殺虫効果があります。スプレー式の物が一本あると掃除にも使え、便利かもしれません。仕留めるためにはアルコール濃度が60%から80%必要なため、一般的なアルコールスプレーではなく業務用のアルコールスプレーを選びましょう。
    

まとめ

これまで冬にゴキブリ対策など考えたこともなかったかもしれませんが、冬でも室内の快適な環境を探して潜んでいることを知ると、冬こそしっかりとした駆除対策が必要だということが分かったのではないでしょうか。

冬のうちから対策をしておくことで暖かくなってからの遭遇率もぐっと下げることができます。暖かい季節に現れたゴキブリを退治する方法と、冬場の動きが鈍くなってどこかに隠れているゴキブリを駆除する方法を知っておけば、遭遇する機会も確実に減っていくことでしょう。

冷蔵庫やタンスの裏など、エサとなるようなホコリやゴミをこまめに取り除き、湿気を集めるような段ボールなどは長期間同じ場所に置かない、手の届きにくい場所には置き型の殺虫剤を置くといった、日頃からのこまめな対策が必要なようです。

この冬の対策で来年の暖かい時期を気持ちよく迎えましょう。

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