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【全国の自然災害・地震災害発生状況図を公開】 住んでいる地域の災害リスクがすぐわかる!

2021.07.05

大きな災害がここ数年続いていますが、過去5年間の傾向を見ると特に梅雨入り以降〜秋にかけて台風や豪雨災害が多く発生する傾向にあります。災害時に利用する火災保険は値上げが続いていますが、リスクの高い災害を知って火災保険を見直すことで必要な補償を選ぶことが大切です。

2021年4月28日に一般社団法人日本損害保険協会が発表した「2020年度に発生した主な風水災等に係る各種損害保険の支払件数・支払保険金(見込含む)等の年度末調査」をソニー損保が集計したデータによると、2020年度の主要な風水災等は3件(令和2年台風10号、令和2年7月豪雨、令和3年1月7日からの大雪)でした。この風水災等による、火災保険の支払総額の総額は約2,196億円※1となったのだそう。過去5年間で見ると2番目に低い水準となり、台風・豪雨被害が多かった2019年の約9,149億円と比較して4分の1程度となりました。
※1:一般社団法人日本損害保険協会の発表した「2020年度に発生した主な風水災等に係る各種損害保険の支払件数・支払保険金(見込含む)等の年度末調査」より、新種、自動車、海上保険による支払を除く火災保険の支払保険金額の総計。
参照元: https://www.sonpo.or.jp/news/release/2021/2104_02.html


2021年度の梅雨入りに合わせ、過去5年間に日本損害保険協会が発表した、「主な風水災等に係る火災保険支払保険金総額(見込含む)」ならびに「近年の地震等による支払保険金調査結果」※2をもとに、ソニー損保が日本全国の自然災害・地震の発生・被害状況をインフォグラフィック化したデータをご紹介します。
※2:2020年度の地震等による支払保険金は調査途中のため反映せず。
参照元: https://www.sonpo.or.jp/report/statistics/disaster/earthquake.html

 

■過去5年間の主要災害への支払保険金総額は約3兆1,889億円

過去5年間の主要な風水災等、地震等に関する支払件数・支払保険金を集計すると、総計で約259万件の支払いがあり、その総額は約3兆1,889億円となります。これは、大阪府の年間予算※3にせまる規模なのだそう。特に大きかったのは、全体の約半分の規模を占める2018年の約1兆4,950億円で、この年は日本損害保険協会の統計開始以降、最大の支払額に達しています。
※3:大阪府令和3年4月20日専決処分一般会計補正予算(第2号)より。約3兆7,248億円

災害別に見ると、支払金額・件数ともに大きかったのが、2018年9月4日に日本に上陸し、関西地方を中心に全国的な被害をもたらした「平成30年台風21号」です。これが要因となり2018年度の台風災害が上位を占める結果となりました。地震においては、2016年度の「平成28年熊本地震」が約3,773億円と風水災等も含めて、4番目の規模となっています。

表1:年度別の支払件数・保険金総額

表2:特に支払金額・件数の多かった災害

■都道府県別の支払保険金総額


保険金支払総額を都道府県別に見ると、支払額が最も多かったのは大阪府で総額6,541億円となりました。これは前述の全体集計で最も支払額が多かった「平成30年台風21号」による被害の影響が大きかったことに加え、同年6月の「大阪府北部を震源とする地震」による被害も加算されたことによるものです。次いで、「平成28年熊本地震」の被害が大きかった熊本県の約4,048億円、「令和元年台風15号」の被害が大きかった千葉県・神奈川県・東京都と続きます。

一方で支払額が最も小さかったのは島根県の約16億円で、次いで香川県(約30億円)、高知県(約39億円)、青森県(約40億円)、山形県(約43億円)となり、中国・四国地方や東北地方の中で台風被害が少なった都道府県が少ない傾向となりました。

表3:都道府県別の保険金支払額状況

■都道府県別の大規模な保険金支払発生頻度


今回の集計対象となっている、主な風水災等・地震は全部で20件(風水災等16件、地震等4件)ですが、保険金の支払額が1億円以上となった災害が何回発生しているかを都道府県別で集計したところ、最もその頻度が低かったのは沖縄県で20件中3回という結果に。次いで秋田県(5回)、島根県(5回)となっています。反対に頻度が高かったのは福岡県(13回)で、大阪府(12回)、京都府(12回)となり、日本列島の西側の地域で大規模な自然災害の発生が多かったことがわかります。


■2021年の気象状況はどうなる?

2021年5月25日に気象庁が発表した「全国3か月予報(06月~08月)」※4によれば、6月〜8月の降水量は「北・東・西日本で平年並または多い確率ともに40%」とされており、例年より降水量が多くなる可能性がありそうです。時期別に見ると、6月には「東日本太平洋側と西日本では、平年に比べ曇りや雨の日が多い」、7月には「東日本太平洋側と西日本では、期間の前半は平年と同様に曇りや雨の日が多い」と予測されており、梅雨時期の降水量等にも注意したほうがいいかもしれません。
※4:気象庁「全国3か月予報(06月~08月)」https://www.jma.go.jp/bosai/season/#term=3month ※2021年6月11日時点

また、同じく気象庁が2021年6月10日に発表した「エルニーニョ監視速報」※5では、2020年夏から続くラニーニャ現象は終息したと見られる。と記されています。

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。
気象庁HPより引用

エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられています。
参照元:https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html


過去、ラニーニャ現象が終わったあとの夏を振り返ると、紀伊半島に大きな豪雨被害をもたらした2011年や、近畿地方に大きな被害をもたらした2018年が該当し、台風の発生数や上陸数は他の年と比較しても大きな変動はない一方で、大きな被害が発生している年も少なくありません。2020年は12年ぶりに台風の上陸がない年となりましたが、台風の記録を振り返ると2年続けて上陸がなかった年はなく、警戒が必要なのだそう。
参照元:https://news.yahoo.co.jp/byline/katayamayukiko/20210227-00224814/

※5:気象庁「エルニーニョ監視速報(No.345))」 https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/kanshi_joho/kanshi_joho1.html ※2021年6月11日時点

梅雨本番で雨の多い日が続きますね。そうでなくてもおうち時間が増えている今、現在お住まいの地域のリスクを把握し、今後の備えについて考える時間を作ってみるのもいいかもしれません。各地域の細かい災害リスクについてはハザードマップなどでも確認できますので是非参考にしてみてください。

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