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【適正な補償内容なのは約1割!?】マンション派VS戸建て派の火災保険実態調査 

2021.04.23


ソニー損保が、 過去5年間に住宅を購入した火災保険加入者を対象に実施した災害リスクと火災保険に関する実態調査によると、補償内容が適切なのは約1割にとどまったそう。マンション購入者と戸建て購入者別にみていくと、「水災」「水濡れ」「盗難」の3つのリスクに対して補償内容がいずれも過不足なく適正と判断される人はマンションでは12.2%、戸建てに関してはわずか5.2%と非常に低い水準にあることがわかりました。

せっかく万が一の災害時に備えるための火災保険に加入していても、災害時に補償対象外となってしまっては意味がありません。値上がりの続く火災保険、あなたの契約はリスクに合わせた補償内容になっているか今一度確認してみましょう。

値上がりが続く火災保険

新型コロナウイルス感染対策の一環としたテレワーク推進の影響等もあり、都心部に住んでいた方を中心に引っ越しをする人が増加傾向にあると言われています。これを機会に住宅を購入して、引っ越しをされた方やする予定がある方もいると思いますが、引っ越し前に必ず加入を検討するのが火災保険です。この火災保険は、近年自然災害の増加にともない、断続的に保険料の値上げが続いており、2021年1月にも保険料が値上げされました。

こうした保険料の値上げに加え節約意識の高まりにより、従来は保険代理店等から提案されたままのプランに加入する傾向が強かった火災保険の見直しをする人が増えつつあります。今回実施された調査はソニー損保が火災保険加入時に適切な補償内容に加入することを啓発すべく、戸建て購入者とマンション購入者のそれぞれの加入傾向や、起こりやすい補償内容の過不足について調べた調査なのだそう。

戸建て派もマンション派も補償内容を完全に把握しているのはいずれも約1割

現在加入している火災保険の加入経緯についての設問では、代理店経由(不動産会社・金融機関含む)で火災保険に加入した人が約8割と多数派。近年、火災保険料の値上げが続く中で注目を集めているダイレクト型火災保険の加入者もほぼ同じで全体の約1割となっています。ただし、住宅の購入・引っ越しが最近の方ほどダイレクト型を選ぶ人の比率が高くなっており、ダイレクト型火災保険のニーズの高まりがうかがえます。

また、加入時のプラン内容の検討度に関しては「あまり検討せずに提案された内容で加入した」と回答した人が、戸建て派25.4%に対して、マンション派が36.8%と10%以上高くなっているものの、補償内容を把握しているかという質問に対しては、「完全に把握している」と回答した人が戸建て派13.8%、マンション派14.0%といずれも少ない結果となりました。

9割の家庭でリスクと補償の過不足が発生

火災保険の契約で起きがちなのが、基本の火災以外の補償に関する過不足です。住んでいるエリアで発生リスクが高い災害に対して補償が不足している場合もあれば、逆に発生リスクが低いにもかかわらず補償をつけている場合も。今回の調査では、戸建て・マンションそれぞれに起きやすい補償の過不足を想定し、「A:水災」「B:水濡れ」「C:盗難」の3つの補償に対して、リスクと補償の過不足の実態調査が行われています。

その結果、3つの調査項目ともにリスクと補償内容が適正であったのは戸建て派で5.2%、マンション派で12.2%といずれも非常に低い結果となり、全体の約9割(91.3%)に補償の過不足が発生していることがわかりました。内訳を見てみると、3つのリスクに対して、いずれかの補償が不足している人は、戸建て派34.2%に対してマンション派25.0%。リスクが低いにも関わらず補償をつけている項目がある人は、戸建て派75.4%に対してマンション派が71.6%と、補償内容が過剰になってしまっている人が多いことがわかります。

また、「A:水災」「B:水濡れ」「C:盗難」のそれぞれ項目ごとにリスクと補償の過不足を見ると、「A:水災」に関しては戸建て派の55.2%が適正な補償を選択しており、47.8%にとどまったマンション派を上回る結果に。これはマンションに居住している場合、ハザードマップ上では色がついているエリアでも、3階以上に居住している場合は被害のリスクは低くなる傾向にあるためマンションの方が過剰な補償内容になりやすいことが一因として挙げられます。

一方で主に上層階からの水漏れ事故などに対応する「B:水濡れ」の補償では、マンション派の74.2%がリスクに対して適正な補償を選択しており、戸建て派より圧倒的に高い結果に。一般的に水濡れ事故のリスクはマンションの中層階・低層階が高く、戸建では低い傾向にありますので戸建て派がリスクに対して補償が過剰になりやすい項目といえます。
「C:盗難」に関しては、戸建て派の68.2%がリスクに対して適正な補償を選択しており、マンション派の42.0%より20%以上高い結果に。一般的に盗難リスクは集合住宅であるマンションの方が低い傾向にあるため、盗難補償が過剰になりやすいと言えます。
全体的に戸建て派・マンション派ともにリスクに対して補償内容が過剰になりやすい傾向にありますので、保険料負担を下げたいとお考えの方であれば一度補償内容を見直すことで値上がりの続く火災保険料を下げられるかもしれません。

続いて、火災保険加入時に検討した内容の調査では戸建て派・マンション派とも第1位は「保険料」、第2位は「火災による建物の補償」となっていますが、第3位では戸建て派が「地震保険の付帯や補償」であるのに対して、マンション派は「火災による家財の補償」となっています。「南海トラフ」「首都直下型地震」といった大規模地震の発生が懸念される中、戸建て派の方がより地震保険の付帯を検討される傾向が強いことがわかります。

ファイナンシャルプランナー飯村久美さんによる解説


火災や落雷、風災、水災などによる建物などの損害を補償してくれる火災保険。十数年前までは、どの保険会社で加入しても保険料は変わらず横並びの状態でした。現在では、各社打ち出す商品が多様化し、保険料も差が出ています。

今回の火災保険実態調査の結果をみますと、火災保険に加入する際、プランの内容についてあまり検討せずに代理店任せで加入した人が、戸建て派では4人に1人、マンション派では2.7人に1人いることがわかりました。そして、加入している火災保険の補償内容を完全に把握しているのは、戸建て派とマンション派、ともに約14%と少ない結果に。火災保険に入っているという事実で安心してしまっているのではないでしょうか。

一方で、補償の過不足があるという結果になった人は約9割いました。補償が過剰の例は、マンションの高層階や戸建てに住む人が、床上浸水のリスクが少ないのに水災補償をつけているケースです。オートロックなどセキュリティの高いマンションに住む人が、盗難補償をつけるケースも見受けられます。一方、補償が不足している例は、台風など風災の心配があるのに、補償がついていないなど起こりそうなリスクについてカバーされていないケースです。これはいざという時に、必要な補償が網羅されないので、早急に見直す必要があります。それぞれに必要な補償を把握した上で、火災保険を過不足なく備えることが安心できる賢い保険の活用方法といえるでしょう。また、今回の調査には含まれていませんが、火災保険を建物だけでなく家財につけている人が、家族構成に変化があったのにそのままにしているケースも見受けられます。子供が生まれたり、親と同居したりして、家族が増えた場合は補償を増やし、子供が巣立った場合などは補償を減らすとよいでしょう。

火災保険に加入する時の検討内容は、戸建て派・マンション派ともに多くの人が「保険料」をあげています。ダイレクト型保険は、代理店を間に通さないため、代理店への手数料を削減できます。また、人件費、事務所の賃料、販売経費などのコストも代理店型と比べて安くすることができるため、ダイレクト型保険を選ぶことにより、同じような内容でリーズナブルな保険料を実現することが可能です。私たちにとって大切な住まいを守る火災保険。これを機に、必要な補償と保険料を見直してみてはいかがでしょうか。

災害リスクに合った補償で保険料を節約

今回の調査では戸建て派マンション派ともに災害リスクに対して補償内容が合っていない場合が多いということが分かりました。住んでいる地域だけでなく戸建てかマンションかによっても備える必要のある災害は変わってきます。保険料を最重要視しているにもかかわらず補償が過剰になっているケースが戸建て派マンション派ともに多いという意外な結果に。自然災害が近年頻発していることから心配になり補償を過剰につけてしまいがちですが、まずは補償内容を把握して適切に備えられているかの確認から始めてはいかがでしょうか。

[調査概要]
名称:ソニー損保  戸建派VSマンション派の火災保険実態調査
調査対象者:過去5年間に住宅を購入して引っ越しをした人で、火災保険の加入検討に関わった人
属性:全国、30代以上の男女
サンプル数:1,000名(戸建購入者500名、マンション購入者500名)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年1月29日~1月31日
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100にならない場合があります。

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