住まいの今と未来をつたえる

暮らし

マンションの人気設備ディスポーザーとは?新しく設置する方法から使うのをやめたい場合の撤去まで徹底解説!

2021.07.01

マンション設備で人気のディスポーザーとは?


最近マンションなどの集合住宅では設備として取り入れているところもあるディスポーザー。
そもそもディスポーザーとはどのような機能があり、メリットがあるのでしょうか。

ディスポーザーとは?

ディスポーザーとは、キッチンの排水口部分に取り付け、生ゴミを粉砕処理した後に下水道に流すことができる生ゴミ処理設備のことで、「住宅設備機器」に分類されています。

ディスポーザーの最大の魅力は、生ゴミを細かく粉砕し下水道へと流すことで、ゴミ箱内の生ゴミの量を減らすことができ、生ゴミから発生する悪臭を軽減できるということです。

ディスポーザーのメリット

ディスポーザーには、次のようなメリットが挙げられます。
・生ゴミの量が減ることでキッチンを広く清潔に使うことができる
・生ゴミ由来の害虫の発生を予防できる
・全体的なゴミの量を減らすことができ、ゴミ出しの負担も軽減できる
・生ゴミがすぐに処理できるのでシンクを清潔に保てる

いずれの場合も、キッチンの不快感を抑え清潔にメンテナンスが楽になることができることが主なメリットといえます。

ディスポーザーを後付けで設置するには


最初から設備としてディスポーザーがあればいいですが、後からディスポーザーを取り付けたい場合、現在の住まいに後付けで設置できるかどうか気になるところです。マンションや集合住宅の場合と一戸建ての場合で条件に違いがありますので見てみましょう。

マンションの場合の後付け

マンションなどの集合住宅の場合はディスポーザーを後付けできる可能性が極めて低いと考えた方が良いです。ディスポーザーは粉砕された生ゴミを排水管に流すという特性上、マンションによっては排水管が詰まることでトラブルになる可能性があるからです。排水管についてはほとんどの場合、共用部にあたりますのでトラブル発生時の責任の所在やトラブル防止の観点から難しいと考えられます。

また設置可能な場合でもマンションや自治体によって細かい規則が設定されていますので、設置を検討する際にはマンションの管理組合と各自治体に確認が必要です。

一戸建ての場合の後付け

一戸建ての場合、排水設備が独立しているのでディスポーザーの後付けはマンションほど難しくはありません。ディスポーザーはそもそも自治体によって指定の処理方法や設置の可否などの細則がありますが、それさえクリアすることができれば後付け設置をすることができます。

自治体の細則を守ったディスポーザーの設置が可能であることが確認できたら、キッチンのシンクの下にディスポーザーを設置するスペースが十分にあるかどうかも確認しておきましょう。シンクの下に必要なスペースは商品によっても異なりますのでメーカーもしくはリフォーム会社に問い合わせてみてください。

マンションで後付けしたい場合の条件と費用

ディスポーザーには、ディスポーザーで粉砕した後の排水処理設備に大きく分けて「生物処理タイプ」と「機械処理タイプ」とがあります。単体ディスポーザーと呼ばれる排水処理なく粉砕してそのまま流すタイプのものもありますが、排水設備への負担が大きいことや環境への観点から設置を禁止している自治体が多々ありますので、元々の設備でディスポーザーがない場合には基本的に排水処理設備の設置も必要です。

マンションに既存でディスポーザーが取り付けられている場合には生物処理タイプが採用されていることもありますが、後付けが難しいことや排水処理システムの設置や管理に費用がかかり過ぎるため、マンションで後付け設置が可能な場合であっても「機械処理タイプ」を選ぶことが現実的といえます。

「機械処理タイプ」は、ディスポーザーで粉砕された生ゴミから固形物を分離・回収し、液体だけを下水道に流す仕組みです。分離された固形物は、機械処理で乾燥させ、機械内に溜まるため、1~2か月に1度自分で処分する必要があります。

また、このタイプではシンク下にディスポーザー本体と排水処理システムを設置するため、シンク下のスペースがある程度必要になります。設置する費用の目安としては、導入時に約30万円程度、維持費として年間8,000円程度となっています。

ディスポーザーを設置できない場合は

マンションや自治体の規制によってディスポーザーの後付けが難しい場合、生ゴミの処理に困っているのであれば、「生ゴミ処理機」を使うこともおすすめです。

生ゴミ処理機は据置型の電化製品で、生ゴミの水分を蒸発させ乾燥させる乾燥式と、微生物が有機物を酸化分解して小さくし、処理後の生ゴミを肥料として使うことができるバイオ式、さらに両方の機能を持ったハイブリッド式があります。乾燥式はヒーターなどで乾燥させるためランニングコストがかかり、バイオ式やハイブリッド式は処理後の生ゴミを肥料として使える一方で臭いや管理の手間がかかるというデメリットがありますので、用途に合わせて選びましょう。 

<乾燥式タイプ>
・日立/キッチンマジックECO-V30-S

強力脱臭で、有機肥料にリサイクルできる乾燥式です。

・島産業/パリパリキューPPC-11

コンパクトサイズでキッチンの空きスペースに収まります。

<バイオ式タイプ>
・C&(シーアンド)/ボカシオルガンコ2

キッチンの調理台上で、手軽に生ゴミを肥料化できます。

<ハイブリッドタイプ>
・ナスクル/FD-015M

生ゴミの臭いを99%以上カットし、自動的に水と炭酸ガスに分解します。

ディスポーザーをやめたい場合の撤去費用と注意点

ディスポーザーはとても便利な設備ですが、ライフスタイルに合わず元々ついていたディスポーザーの使用をやめて取り外したい、という場合もあるよう。そもそも撤去が可能なのか、撤去時の費用はどのくらいかかるのか、撤去の際に注意すべきことは何かについて解説していきます。

ディスポーザーのデメリット

手間がかからずゴミが削減できるディスポーザーですが、以下のようなデメリットもあります。
・電気代や定期的なメンテナンス費用などランニングコストがかかる
・動作音と振動が発生するため、早朝や深夜の使用は配慮が必要である
・こまめに掃除しないと臭いが発生する
・故障しやすいため、日頃からメンテナンスが必要となる
・一般的に寿命は10年程度のため、交換の度に費用が発生する
・排水口が通常の物よりも狭く掃除がしにくい

ディスポーザー撤去の注意点

一番注意すべきことは、「自分で撤去しないこと」です。下水管に直結しているディスポーザーは撤去のときに誤作動を起こす危険性や、間違った撤去の仕方が原因で水漏れになることもあるため、必ず業者に依頼して撤去するようにしましょう。

マンション・戸建てともにディスポーザーの自体撤去はそこまでハードルが高くなく基本的に撤去できます。マンションの場合も同様に、撤去自体はすることができますが管理規約で「ディスポーザーの撤去が可能かどうか」を必ず確認しましょう。ディスポーザーが共用設備として撤去が禁止されている場合、勝手に取り外してしまうと管理規約違反となってしまいトラブルの基です。不明な場合は管理会社に問い合わせをしましょう。撤去できない場合は、ただディスポーザーを使わないというだけでも電気代や臭いは抑えることができますので、最低限のメンテナンスだけで済みます。

また、ごく一部ではありますが戸建ての方で生物処理タイプの浄化槽を使われている場合には地中の浄化槽とともに撤去をする必要があり、対応してくれる業者が少なく費用も跳ね上がりますので注意が必要です。

ディスポーザー撤去の費用

ディスポーザー自体を撤去する場合の費用は、
・作業料金:2万円程度
・排水栓の部品代、出張代:1万円程度
といった3万円程度が目安です。
マンションの場合は管理会社、一戸建ての場合はハウスメーカーに問い合わせて、ディスポーザーの取り付け業者に依頼するとスムーズに撤去が行えるかもしれません。

前述の戸建てで生物処理タイプを使用している場合には埋設状況によって差が大きく、数十万円程度かかってしまいますので、見積りをとりましょう。 

まとめ


キッチンに生ゴミを溜めておくことに抵抗がある人にとっては、ディスポーザーが既存設備として設置されているかどうかがマンション選択の決め手となることもあるように、キッチンで多くの時間を過ごす人にとっては生ゴミの存在は気になるものです。

マンションは後付けでディスポーザーを設置することがほとんどの場合できませんが、後付けができない場合でも生ゴミ処理機を使用したり、生ゴミの処理方法を変えるだけでもキッチンの環境を整えることができます。各家庭に合った方法で、湿気の多い時期でもキッチンを快適に保ちましょう。

タグ TAG