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火災保険料の値上げに備えよう! 2021年1月以降の保険料値上げ前におすすめする見直しポイントを徹底解説

2020.11.20


来年1月に迫った火災保険の保険料の値上げ。「災害リスクと火災保険に関する全国調査(※1)」で火災保険の補償内容とリスクのミスマッチ率が全国で推計約7割であることが判明しています。そうした中、適正な火災保険の選び方や見直し方を啓発するため、ソニー損害保険株式会社より具体的な火災保険の見直し方などが紹介されています。火災保険の値上げ前に現在の補償内容とリスクが本当にあっているのか、見直しを進めてみてはいかがでしょうか。
(※1)ソニー損保調べ

■火災保険値上げの背景とその推移


火災保険の値上げの背景には、近年の自然災害の増加があります。豪雨や台風といった自然災害の増加によって、火災保険の保険金支払額が急増しており、これを受ける形で保険料の基準となる「参考純率(※2)」という数値が断続的に引き上げられている状況です。

この「参考純率」は自然災害の増加を受け、過去15年間で約15%引き上げられています。特に近年はその傾向が強く、2018年6月(平均5.5%引き上げ)、2019年10月(平均4.9%引き上げ)と2年連続の引き上げになりました。2021年1月には大手損害保険会社の火災保険の保険料が6〜8%値上げする検討がされています。また、2021年1月は地震保険基準料率に関しても全国平均5.1%の引き上げを予定しており、火災保険&地震保険のダブル値上げとなる見込みです。

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※2.参考純率とは:支払う保険料のうち、事故・災害発生時に保険金の支払いにあてられる部分のこと。損害保険料率算出機構が会員保険会社から収集した大量の契約・支払データや、各種の外部データを活用し算出している。各保険会社では、この「参考純率」を基準に、それぞれの会社ごとの保険料を決定している。

■将来の値上げに備え、火災保険の内容を見直してみよう!!


コロナ禍による家計への影響も深刻視される中、自然災害の増加による不安感などもあって、「火災保険の補償内容を見直したい」というニーズが増えているのだそう。そして、2021年1月以降に契約した場合は、値上げ後の新しい料金水準での契約となる可能性が高いため、将来の値上げに備えて火災保険の内容を見直す場合(※3)今年の冬のうちの見直しがおすすめです。

とはいえ、火災保険の内容の見直しといっても結構な文字数がある保険の契約内容を自分で見直すのは難しく感じる方が多いのではないでしょうか。新しく検討しているプランとしっかり比較し見直すためのステップをご紹介します。
※3.満期以外での契約変更に関して:ご加入中の火災保険契約について、保険料が引き上げられる前に契約された長期契約の場合など、解約によって不利になる可能性がありますので、条件等を十分ご確認の上ご検討ください。

STEP1:加入中の火災保険の契約内容がわかる書類を準備
手元に現在加入中の火災保険の契約内容がわかる書類(保険証券や契約内容が確認できるウェブサイトを印刷したもの等)を準備しましょう。その上で新しいプランとの比較のために、以下の情報をチェックします。

<現在のプラン内容>
・保険料、加入期間(更新日)
・補償内容、特約等
・建物、家財の補償範囲と金額

<契約変更の可否・条件※>
・住宅ローンの質権設定有無
・契約変更する場合の手続き・問合せ先
※現在の契約を解約して保険を乗り換えた場合、割引率が下がるなど、保険料が割高になるなどの不利益があるため、契約条件等を十分ご確認の上ご検討ください。

STEP2:現在の状況にあわせて備えるべきリスクをチェック
現在のご自身の生活環境に備えて本当に備えるべきリスクが何かをチェックし、それにあわせて補償内容・範囲を決定します。リスクのチェックにあたっては「居住エリア」と「居住形態」のそれぞれのリスクをわけて考えるのがわかりやすいでしょう。

<居住エリアリスク>
・水災リスク
国土交通省「わがまちハザードマップ」(https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/)が便利です
・地震リスク
防災科研「地震ハザードステーション」(http://www.j-shis.bosai.go.jp/) でチェック可能です

<居住形態リスク>
・水濡れリスク
・盗難リスク
・風災リスク

STEP3:ウェブサイトシミュレーション機能を活用、新プランを検討

現在の契約内容とリスク状況にあわせた補償の必要性をチェックした後は、いよいよ新プランでの料金シミュレーション。複数の保険会社を簡易的に比較する場合は一括見積サイトなどの利用が便利です。

STEP4:具体的な契約手続きへ
リスクに応じた補償の見直し、料金シミュレーション等で火災保険の内容を見直すメリットがあるとなった場合は、具体的な手続きへ移行します。これ以降の手続きについては各社で異なるかと思いますので、各保険会社へとお問い合わせください。

▼見直し事例紹介

事例①:マンションで心配な水漏れにしっかり備えながら補償を見直し
ローンで新築の分譲マンションを購入したTさん。10階と高層階のため風災、水災のリスクは少ないと考え、どちらも外しました。ホームセキュリティがあるため「盗難」も外し、上階からの水漏れに備え「水濡れ等」の補償をセット。マンションで心配なリスクに備えました。

事例②:住宅街の木造一戸建て、立地条件から補償を見直して保険料を節約
築25年の一戸建てにお住まいのHさん。風災のリスクはあるものの家財への損害は軽微と考え、家財の補償から「風災等」を外すことに。また、近くに河川や崖がないため「水災」を外し、盗難のリスクも建物への影響は少ないと考え、建物の補償から「盗難」を外すことにしました。自転車事故などに備え、個人賠償責任補償特約をセットにする契約に見直しました。

毎月の固定費である火災保険の値上げは少なからず家計への影響があるかと思います。自然災害が頻発する日本では、災害に備える火災保険はなくてはならないものですが保険料を支払うのであればリスクの高い災害発生時に補償が受けられるのか、発生リスクの低い災害時の補償ばかりになっていないか確認しておきたいところです。災害への備えとしてもこのタイミングで火災保険の見直しも進めてみませんか。

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