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手洗いの手順と子どもが飽きない工夫や便利グッズをご紹介

2020.06.12

免疫力が十分に備わっていない子どもにとって、手洗いは感染症から自分で身を守るための大事な方法です。しかしながら、まだ小さな子どもにとって洗面所の高さが合わなかったり、面倒くさがったりと、さまざまな理由により習慣づけるのは難しいものです。小さな子どもに手洗いへ興味をもってもらうためにはどのような工夫が必要なのか、解決策を考えていきましょう。

手洗いの重要性と手順


新型コロナウイルスの影響で“手洗い”の重要性が叫ばれている昨今ですが、手を洗うことはいったいどのような効果があるのでしょうか。手洗いの重要性を理解したうえで、さらに効果を上げるための正しい手洗いの手順を学んでいきましょう。

手洗いの重要性

目に見える手の汚れであれば、当たり前の行動として多くの人は手を洗って汚れを落とします。しかしこれが、目に見えない菌やウイルスだとどうでしょうか。菌やウイルスは私たちの目には見えませんが、手には無数に付着していると言われています。ドアノブや電車のつり革、エスカレーターや階段の手すり、マンションやビルのエレベーターのボタンなど多くの人が触れる場所を介して付着している菌が新たな人の手に付着し、その手でまたほかの場所に触れる、ということを繰り返すことになるためどうしても外出すると手に菌が付着してしまうのです。こういった菌のついた手で無意識のうちに鼻や口を触ると菌が粘膜に付着し、菌によっては感染症となってしてしまうリスクがあります。

風邪の場合、8割から9割はウイルスが原因で、そのウイルスが手を介して感染するケースが一番多いそうです。インフルエンザウイルスが付着した手でドアノブを触ると、そのウイルスは長いときで8時間も生存するとも言われています。これらの菌やウイルスを体内に入れないために、簡単にできる解決策こそが『手洗い』なのです。石けんを使って正しく手を洗うことができればで、付着した菌やウイルスをほぼ除去することができます。

手洗いの手順

菌・ウイルスを除去するためには、単に水で手を洗えばよいというわけではありません。肝心なのは正しい手順で手洗いをすることなのです。厚生労働省推奨の手順を参考に手洗いをしてみましょう。まず、手洗いの前に爪は短く切っておき、時計や指は外します。

1.流水でよく手をぬらし、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。
2.手の甲ものばすようにこすります。
3.指先・爪の間を念入りにこすります。
4.指の間を洗います。
5.親指と手のひらをねじり洗いします。
6手首も忘れずに洗います。

石けんで少なくとも30秒以上洗うのが理想とされ、正しく手洗いを行えば、9割程度の菌を除去することができるようです。
手洗いのタイミングとしては、外出から帰ったとき、トイレの後、食事の前などをはじめ、こまめに行うことが大切です。もし手洗いができる場所にいない場合には、アルコール消毒液を利用するとよいでしょう。

免疫力の低い子どもこそ手洗いが大切

子どもは大人ほど十分な免疫力が備わっていないため、さまざまな感染症にかかりやすくなっています。感染症を予防するために簡単に自分でできるのが“手洗い”であり、子どもにとっては大人以上に大切なことなのです。

ところが子どもに向かって、「バイ菌が付いているから手洗いをしようね」と言ったところで、目に見えませんので、実感を持って手洗いの大切さを理解してもらえません。そのことが、子どもの手洗いを習慣化できない理由の一つになっているのかもしれません。

手洗いの重要性の理屈を子どもに教えることは難しいかもしれませんが、子どもたちにとって手を洗わないことがどれほど危険なことであるか、きちんと理解してもらうことも、手洗いの習慣化に結びつける近道のようです。

子どもの手洗いがなかなか習慣化できない理由


とはいえ、根気強く教えていてもなかなか子どもが手洗いしてくれないことが多いのも事実です。その原因の一つとして手洗いに到達するまでの動作がストレスになっているということもあるかもしれません。一度子どもの目線に立って、さまざまな角度から理由を考えてみましょう。

・面倒くさい
・手を洗うという行為が楽しくない
・水道の位置が高く、蛇口や水が手に届きにくい
・水道の蛇口がうまく操作できない
・水が冷たい
・石けんをうまく泡立てられない
・外から帰ってきたとき、おもちゃで遊ぶなどの楽しいことを優先してしまう
・反抗期

などの理由があるのではないでしょうか。
手洗いを習慣化するために、小さな子どもの頃に教えることは大事ですが、無理やり押し付けても逆効果になってしまいます。手洗いにストレスを感じる物理的な理由があれば取り除き、環境を整えてあげることで、最初の一歩を進めてあげましょう。

子どもが飽きずに手洗いできる工夫


自分で身体を支えて立つことができるようになった頃からサポートをしつつ、徐々に手洗いを教えていきましょう。少し早く感じるかもしれませんが、小さなころから手洗いが気持ちの良いことだと認識させておくことで、習慣として身につきやすくなります。手洗いを習慣化して、飽きずに続けさせるためにはどのような工夫をすればよいのでしょうか。

子どものサイズに合った環境を整える

子どもには、水道まで手が届かない、水道をうまく扱えず流水の調節ができないなど、手洗いにたどりつくまでの過程でいくつかのハードルがあります。そもそも洗面台や水道の高さは大人の体に合わせて作られているので、子どもには水道に手を持っていくことすらストレスがかかってしまうのです。

背丈の小さい子どもには踏み台の準備と流水のサポートグッズ、冷たい水を嫌がる子には温度の調節など、子どもの声を確かめつつ、快適で安心できる環境で手洗いができるように整えることがまず必要かもしれません。洗面所の周りには子どもが喜ぶキャラクターのタオルやハンドソープを置いておくなど、子どもが喜ぶ場所にしておくことも効果的です。

パパやママと一緒に手洗い


単に手洗いを教えるのではなく、まず親たちが見本となって子どもに見せることも効果的です。パパやママが楽しく手を洗っていると、子どもも自然に真似をして、手洗いを始めるきっかけをつくりやすくもなります。環境が整ったうえで手洗いに抵抗を感じなければ、パパやママが手洗いをする度に一緒に手洗いをする習慣は自然と身に付きそうです。

さらに一人で手洗いができるように、親がたくさん褒めてあげることも大事なポイントです。少しおおげさなくらいに褒めると、また褒めてもらいたい気持ちから自発的に手洗いをするきっかけを作ることができるかもしれません。正しく洗えているかどうかをチェックしながら、点数をつけてあげるなど、さらにやる気をアップさせる工夫も効果的です。

お気に入りの石けんを選ぶ


子どもに気に入った石けんを選んでもらうこともよいかもしれません。最初は、子どもにとっては泡立てが難しい固形や液体よりも、泡タイプがおすすめです。香りもよく、フワフワした感触で気持ちがいいばかりでなく、泡が手に均一になじみやすく子どもの手洗いに向いています。

大好きなキャラクターのボトルを選んであげるとモチベーションもあがり、石けんを使うことへの抵抗感を無くすことができそうです。泡でいろんな形を作って遊ぶなど、楽しさが加わると、積極的に手洗いに取り組み、習慣化できるのではないでしょうか。

手洗い歌で楽しく


歌を歌いながら手洗いをするのはどうでしょうか。親子そろって歌いながら手洗いをすると、子どものテンションもアップしそうです。最近では、手洗い動画も数多く公開されています。その中から気に入ったものを真似してみたり、子どものお気に入りの歌やよく知られている童謡などでも、自分でアレンジを加えると、いっそう楽しくなりそうです。

大切なのは、正しい手洗いの手順で、30秒以上時間をかけて除菌することなので、ちょうどワンコーラス歌いきるとよいタイミングになる歌を選ぶとよいかもしれません。

絵本でイメージトレーニング


目に見えない菌やウイルスについて、目に見える形にできるものが絵本です。絵本を利用すれば、子どもでも菌やウイルスについて想像しやすくなり、手洗いの大切さを視覚的に理解してもらうことができます。

言葉を覚え始めた頃に、絵本の読み聞かせをする中で、子どもがイメージしやすいような絵の本を選ぶと、手洗いの動機付けに効果があります。手洗いへの興味を煽るだけでなく、親子のコミュニケーションも取れるなど、さまざまなメリットが期待できる方法です。

子どもが飽きずに手洗いできるお助けグッズ

小さな子どもたちでも、楽しみながら、飽きることなく手洗いができるお助けグッズをいくつか紹介していきます。

ステップスツール(踏み台)

・商品の特徴
高さを怖がる子どもでも笑った顔に思わず登りたくなるような踏み台です。
色もカラフルでお気に入りの色の組み合わせが選べます。
コンパクトに折りたたむこともできるため持ち運びも便利で、いろいろな場面で活躍しそうです。
耐荷重:80kg

ウォーターガイド

・商品の特徴
蛇口に取り付ければ子どもでも水に手が届くようになり、自然に子どもの手洗いの習慣付けをサポートします。かわいいデザインも豊富で、子どもたちが自ら手洗いをしたいという気持ちになれそうです。使いやすい素材で、取り付けや持ち運びも簡単にできるため、洗面所や浴室だけでなく、旅行の際にも使用することができます。

ソープディスペンサー

・商品の特徴
赤外線センサ内蔵で、手を近づけると泡が出るオートソープディスペンサーです。ボトルに触れることなく、衛生的に使うことができます。細かい泡が適量出るため、子どもの手洗いには最適です。市販の泡タイプの石鹸の詰め替え用のほか、液体ハンドソープを水と混ぜ合わせることで使用することもできます。USB充電式のため頻繁に電池交換をする必要もなく、1回の充電で約3-5か月の使用が可能です。

容量:260ml

まとめ

子どもが手洗いを嫌がるにはそれなりの理由があるようですが、一つ一つハードルをクリアすれば、習慣化とともに自主的に手洗いをしてくれるようになるかもしれません。大切なのは、何のために手洗いをするのかを子どもに分かってもらい、正しい手洗いができるようになるところまで、親御さんがきちんと寄り添ってあげることです。

子どもが興味を持ってくれるようなお助けグッズをうまく活用しながら、最初は親が手本となり一緒に手洗いをすることから始め、自然に一人でできるようになれば理想的ですね。手洗いは除菌のためにおこなうという本来の目的どおり、正しい手順で洗えるようになるまでは、きちんと見守ってあげて、上手にできるようになったらたくさん褒めてあげることも忘れないようにしましょう。

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