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5月30日は掃除機の日!初代掃除機は14㎏もあった?

2019.05.22


世の中にはバレンタインデーや本の日など、伝統的なものから各種団体に制定されたものまで、多くの記念日があります。その中に「掃除機の日」があるのをご存知でしょうか。今やほとんどの家庭にあるであろう掃除機ですが、掃除機の機能について詳しくても掃除機自体について詳しいという方はあまりいないのでは。必須家電と言っても過言ではない掃除機のその歴史から最新の掃除事情、そしてつい面倒でなまけがちな毎日の掃除を、短時間で効率的に済ませる方法まで掃除機について解説していきます。楽しい豆知識から生活の知恵まで、掃除機についてのうんちくを身につけてみましょう。

掃除機の日とは


国民の祝日になっているものから一般にはあまり知られていないものまで、実は毎日何かしらの記念日が存在しています。そのうちのひとつとして、「掃除機」にも「掃除機の日」なるものが設定されているのです。そもそもそんな日があったことすら初耳の方もいるかもしれませんが、5月30日は「掃除機の日」。では、なぜこの日が「掃除機の日」となったのでしょうか。

実は元々この5月30日は、1986年(昭和61年)に日本電機工業会(JEMA)の「お掃除を見直す会」が制定した「お掃除の日」でした。5月30日となった由来は530で「ごみゼロ」の語呂合わせだったそうです。5月30日は、ちょうど梅雨入りの頃で、湿気によってダニやカビが増加する時期でもあります。特に気温が20度から30度で湿度が60パーセント以上になると、ダニが繁殖しやすくカビが増える条件が揃うため注意が必要になるのだそう。そこで1997年(平成9年)に同会が「掃除の大切さを呼びかける日」という意図をこめて、「お掃除の日」から「掃除機の日」に改称したのです。JEMAは安全啓発運動として、この掃除機の日にあわせて、例えば、紙パック式掃除機には、メーカー純正の紙パックを使うよう呼びかけるなどのキャンペーンを実施しています。古く汚れてしまった家をきれいにするには、リフォームやリノベーションをするという方法もありますが、やはりそうなる前にこまめな掃除やメンテナンスを続けることでいい住まいを維持するのが良い方法です。こまめに掃除すれば、きれいな家を保てるだけでなく、健康的な生活にもつながります。

掃除機の歴史を振り返る

現在では軽量で使いやすいスティック型の掃除機も広く普及し、便利になっていますが、いわゆる電気掃除機の歴史は、今から100年以上前の1912年にさかのぼります。この年は日本では明治45年・大正元年にあたり、あのタイタニック号が沈没した年でもあります。

この年、スウェーデンの総合家電メーカー、エレクトロラックス社が世界初となる家庭用の真空式電気掃除機「LUX1」を発売しました。このLUX1は円柱形の大きな本体の頂点に現代のようなホースと各種ノズルがついたもので、14キロという重さながら持ち運びも可能でした。その後、1921年(大正10年)にはソリのような足がつき引いて移動できるほか、肩掛けなども可能な「モデルV」が登場。1964年(昭和39年)に発売された「Luxomatic Z90」には、移動しやすい車輪、自動密閉ダストパック、ごみが満杯になると知らせる機能など、ほぼ現在の掃除機と同じ機能がそろいます。

当時の日本では輸入された品がわずかに使われていた程度でしたが、1931年(昭和6年)に芝浦製作所(後の東芝)が国産で初のアップライト型(縦型)真空掃除機「VC-A」を発売しました。しかし価格は110円と、当時の大卒初任給2か月分にあたる高価なものだったことや、畳や板間が多かった当時の家屋で掃除機を使うのは効率が悪く、あまり普及しませんでした。日本で掃除機が普及するのは、団地やアパートが増え、従来のほうきなどでは掃除が難しい絨毯が普及すると同時に、掃除機も低価格化していった戦後から1960年代にかけてになります。日本では家屋の条件などから、アップライト型より車輪のついたキャニスター型(横型)掃除機が広まりました。1980年代には紙パック式の掃除機や、手元でオンオフや強度の調節ができるタイプも開発され、現在使われている掃除機に近くなっていきました。

近年の掃除機事情

 
日本では住居の形式などもあって車輪のついたキャニスター型が長年に渡って主流でした。しかし近年では、ITやその他の技術の進歩、さらにはリフォームやリノベーションによる家屋の多様化によって、掃除機も形状および機能ともに多彩なものが出ています。最近流行のタイプが、充電式でコードレスのスティック型掃除機です。コードがなくて使いやすいことや、アタッチメントの交換でハンディ掃除機にもなるといった便利さが魅力です。これまではキャニスター型より吸引力が弱く、サブの掃除機とみなされがちでしたが、近年では吸引力が高いものも増え、メイン掃除機として使うユーザーも多くなっています。その中でも多くなっているのがパワーヘッドブラシを搭載した掃除機です。これはヘッドブラシにモーターを搭載し、強力な回転でカーペットや畳の間のゴミも残らず吸いだしてくれるというものです。自走機能つきで、力を入れずに掃除できるモデルもあります。

さらに近年、人気なのがロボット掃除機です。ほぼどれも平面型で、コンピューターで自走して掃除してくれるという優れものです。このロボット掃除機にも多くの種類や機能があります。吸引式の掃除機ではなく、拭き掃除型はフローリングに向いています。本体の幅や高さによっては、自宅のソファやベッドの下に入りにくいこともあるため、形状の確認も重要になります。これまでの本体は丸型が多かったですが、近年は部屋の隅のごみも逃さない三角形が多くなっています。また人工知能搭載で、その家の間取りに向いた掃除方法を学習する他、自動充電機能、段差乗り越え、落下・衝突防止センサー、入り込んでほしくない場所をセットできるバーチャルセンサー、スマホで操作や動作確認できるアプリ連携など、さまざまな機能を搭載する機種が増え、快適な住まいの維持に貢献しています。

これで年末の大掃除も怖くない!


面倒なものの、しないと気になってしまうのが掃除です。掃除しなくてはと思いつつ面倒臭くて後回しにしてしまい、部屋が汚れてからようやくはじめるとかなりの手間になってしまいます。もっと短時間に効率的な掃除ができないかとお悩みの人も多いでしょう。実は掃除の大敵は、つい面倒だとさぼってしまう気持ちにあります。短い時間で楽に掃除するには、こまめに掃除することが一番なのです。

面倒くさがって掃除を先延ばしにした結果、部屋の汚れが増えるほど掃除に手間や時間がかかります。それよりも汚れを見つけるたびにこまめに掃除するほうが、トータルでの手間はかなり楽になるのです。また一度に家のすべてを掃除しようと思うと時間がかかり、面倒臭さが先立ってしまいます。そこで、例えば月曜日はリビング、火曜日は寝室など、掃除する場所を曜日ごとに決めておくと、気分も楽になり、自然と掃除が習慣に。近年ではコードレス掃除機やロボット掃除機など、すぐ使える掃除機や、掃除器具が多くなっていますので、こういった道具を手に取りやすい位置においておくと、汚れを見つけた時点でさっと掃除ができて、きれいな自宅を維持しやすくなります。掃除が習慣化すると、結果として年末の大掃除でも落とすべき汚れが少なくなり、楽にできるようになりますよ。

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