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住宅ローンを見直すタイミングと方法について

2019.04.08


毎月家計を圧迫する住宅ローン。ローンを組んだ際は何とかやっていけると思っていたにも関わらず、気が付けば思っていた以上に家計の負担になっている……という方も少なくないはずです。特に家族がいると転職や単身赴任、子どもの養育費などでいくらでも家計の状況は変化するもの。月々の返済に困っているならば、ぜひ住宅ローンの見直しをおすすめします。

住宅ローンを見直せば今の状況に合わせた返済額を設定し直せるかもしれません。住宅ローンの借り換えに関する疑問や借り換え時のポイントについて情報をまとめました。

住宅ローンの低金利が続く市場環境

住宅ローンを組む際に重要となる金利。金利のタイプによっては金利の変動によってローンの支払額は変わりますが、どのように変動しているのでしょうか。(→金利や返済方法について詳しく知りたい方はこちら)一概には言えませんが、景気が良くなり、物価が上昇するに伴って金利は上がり、反対に景気も物価も下降傾向にあれば金利は下がる傾向にあります。金利はあらゆる経済変動を踏まえて各金融機関から毎月発表され、適用されるのです。

さらに、金利には大きく分けて3種類が存在します。1つ目が変動金利と呼ばれるタイプ。変動金利は借りている途中で金利額が変動するタイプであり、変動する金利については大体半年間隔で見直されるのが一般的です。2つ目が固定型と呼ばれるタイプ。これは返済中ずっと金利も返済額も変動しないタイプです。3つ目が固定期間選択型と呼ばれるタイプ。ある一定の年数までは固定型と同じく、金利も返済額も一定ですが期間が過ぎた時点で変動金利か固定期間選択型かを選択しなければならないというタイプです。

住宅ローンを組む際はなるべくお得に活用できる状態であるかをチェックし、たとえ借りた時点で金利が高く設定されていたとしても、支払いが困難になってきた場合はタイミングを見計らって見直しや借り換えを行いましょう。

住宅ローンの見直しポイント


住宅ローンは組んだ際は払えそうな気がしていたのに、いざ支払い始めてみると思っていたよりも毎月の生活への負担が大きいと気づく、というケースが少なくありません。また、子どもが増えたり転職したりと収入や支出もライフスタイルの変化とともに変わっていく為、当初考えていたローンを計画通り返済していく事が困難になっていくのも無理はないのです。そんな時こそぜひ住宅ローンの見直しを行いましょう。金融機関で手続きをしなければならない上、専門的な言葉も多く、ハードルが高く感じるかもしれませんが、ローンの見直しの際は最低限知っておいて欲しいポイントをいくつか紹介します。

ポイントの1つ目が見直すタイミング。例えば固定期間選択型を取っていた人が見直すタイミングで最も多いのが、期間が終了する際に変動制か固定期間制かを選ぶというケースですが、慌てて見直すと損をしてしまう可能性も生じます。なぜなら、期間が終了する前に既に金利が下がっている場合もあるからです。期間終了時期の有無に関わらず、低金利の時期があればいつでも借り換えを行うよう準備しておくのが望ましいでしょう。金利が下がっている時期を常にチェックしておき、必要があればそのタイミングで直ぐに借り換えを行います。また、優遇幅※もチェックしておき、あなたの生活に最も適した住宅ローンの契約をする事が肝心です。

見直すポイントの2つ目が、あなたや家族の年収や健康面について。年収が下がってしまえば借り換えは難しくなる一方です。職場が変わる可能性や、転職の際には改めて年収がいくらになりそうかを算出しておきましょう。また、生命保険に加入が可能かどうかも借り換え時における1つの審査基準となります。健康あっての生活であり、心身ともに豊かな生活を送り、ローン返済に必要な収入を安定的に確保する見通しが立てられることで安心して返済していけるはずです。何か起こってからではなく、健康なときから住宅ローンについて考えておくようにしましょう。
※新規借入を行う場合、店頭金利から1%~数%金利が下がる割引が行われる場合があり、その時の割引幅のこと

借り換えや繰り上げ返済の方法


繰り上げ返済とは、月々の返済額と別に返済を行い、ローンの残高を予定より早く繰り上げる方法です。前倒しで元金分を余計に支払った分、その間にかかるはずの利息を減らし、且つ当初設けられていた完済期間を短くすることができます。繰り上げ返済には2種類が存在し、1つが期間短縮型と呼ばれるもので、2つ目が返済額軽減型と呼ばれるものです。期間短縮型は先に紹介した通り、元金分を前倒しで多く支払うことで完済期間を短くすることができます。早期の完済を目指している人や、返済に効率性を求めている人におすすめの方法です。

一方、返済額軽減型とは、期間短縮型が月々の返済残額に変動がないのに対し、月々の返済額を軽減できるという特徴を持っています。往々にして繰り上げ返済と言えば期間短縮型の意味合いとして使われるケースが殆どですが、返済額軽減型は毎月の返済額の負担を軽減したい人や、将来的に収入が減るなどの不安を抱えている人にとって理に適った方法だと言えます。繰り上げ返済の実行は、返済開始後から期間が短ければ短い程メリットは大きくなります。余裕のあるタイミングが出そうであれば早めの対応を心がけてください。

次に、借り換えについては事前の検討を怠らない事が鉄則です。ただ金利が低いからといった理由だけでなく、残債や返済年数を考慮に入れた計算を怠らないようしてください。借り換えには金融機関へ提出する書類を用意する必要があります。金融機関によって異なりますが、事前審査申込書を始め、本人確認書や所得を証明するもの、物件確認書など、多くの書類が求められますので、早めの対応が必要です。借り換え作業を行う際は司法書士が立ち会う事となりますので、書類などに関してはほぼ問題はないかと思われますが、審査基準が厳しく設定されていることが多い為、通らないケースも往々にしてあります。

借りっぱなしにするのではなく、市場をうまく活用してお金を大切にしよう

家計状況の変化や転職など、住宅ローンを見直すタイミングは人それぞれ。繰り上げ返済や借り換えを積極的に行う事は大事ですが、タイミングを見誤ってしまえば、メリットどころかデメリットさえ生み出す可能性もあります。

また、住宅ローンの借り換えは煩雑に感じる部分も多い為、たとえ月々の返済が少々苦しいと感じていたとしても、重い腰が上がらない……という人も少なくないでしょう。しかし、先にも書いた通り、住宅ローンの見直しや繰り上げ返済、借り換えなどはタイミングを誤ってしまうと大損です。健康に働いている間は必要なくても、将来何が起こるか分からないのが世の常。病気を患い、職を変え、自身が置かれている状況に変化が生じてからでは、既に借り換えが難しくなってしまっている可能性もあります。

借り換えともなると金融機関の審査は厳しく、安易に行えるわけではありませんし、必要に迫られてからでは冷静な判断に欠けたり、比較検討する時間や情報が不足してしまうという事も十分あり得ます。ローンは決して言われるがまま、流されるがまま組むのではなく、自発的に分からない点があれば解消し、自分でメリットを求める姿勢が重要です。借りたままにするのではなく、市場をうまく活用してあなたの生活に適した住宅ローンで安心・安全で快適な生活を過ごせるいい住まいにしていきましょう。

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