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3.11がきっかけで生まれた『レジリエンストイレ』 管理組合で備蓄しておきたい防災グッズは

2019.03.11

各家庭で備蓄や避難所の確認など防災対策を行っている家庭もありますが、マンションに住んでいる方は自分のマンションの自主防災組織活動について考えたことはありますか。自主防災組織があることは知っている方、自主防災組織がそもそも管理組合にない方などさまざまかと思いますが、マンション管理組合の防災対策は被災時に大きな影響を及ぼします。自分でいくら備蓄をしていても足りなくなってしまうこともあれば、避難所が満員で避難できずマンションで過ごすしかなくなる可能性も。被災時の中心地である避難所で過ごせず、自宅から動けなくなってしまった場合には管理組合員同士で助け合って生活をおくることとなります。各家庭での防災対策と同じくらい大切な管理組合での防災、一度自分のマンション管理組合の防災対策を確認しておきましょう。

災害時に向けた管理組合の取り組み


マンションに住んでいる方は大規模災害時にも避難所に避難できない可能性があるということは以前の記事でもご紹介しましたが、あなたのマンションではどのように防災活動に取り組んでいるでしょうか。大規模災害時の生活では各家庭で行う備蓄などの「自助」とマンション内や地域内で助け合う「共助」が大切になってきますので、普段から災害時の備えを管理組合でも行っておきましょう。
災害時の自助については備蓄や避難所の確認、家具の転倒防止など知っている方も多いと思いますが管理組合で行う共助についてはあまりご存じない方もいるかもしれません。管理組合の防災活動として大まかに分けると、万が一の時に備えて日ごろから防災活動に取り組む自主防災組織の運営と、万が一に備える備蓄の二つに分けられます。自主防災組織の運営については別記事にてご紹介しましたので、今回は管理組合で行うべき備蓄について見てみましょう。

自主防災組織の運営についてはこちら

災害時に向けて管理組合が備蓄しておきたいもの


各家庭で被災時に備えて備蓄しておく必要があるのはもちろんですが、それ以外にマンションであればマンション管理組合としての備蓄をしておく必要があります。備蓄を切らしていた家庭向けに各世帯分の食料や水などがあればもちろん良いですが、実際に各世帯に行き届くほどの消耗品類を置いておけるスペースがないという場合も多いでしょう。限られたスペースに備蓄するのですから、管理組合として最低限用意する必要があるものから重点的に備蓄を行います。管理組合として備蓄が必要と考えられるのは下記のようなものになります。

本部運営用

・災害時用マンホールトイレ、簡易トイレ
水や食べ物は我慢できてもトイレばかりは我慢することができません。災害時用マンホールトイレは下水道につながるマンホールの上に設置すれば、災害時のトイレ機能を確保することができます。簡易トイレは各世帯全員分を確保するには場所がかなり必要になりますので、可能であればマンホールトイレを用意したほうが便利です。

・テント
緊急対策本部の設置や一時的な避難場所として使用します。また、トイレの設置のためのテントも忘れず用意しましょう。

停電対策


・発電機
大規模災害時には停電が起こることが考えられます。最低限必要な電源が確保できるように発電機があると便利です。

・懐中電灯、ヘッドライト
夜に震災が発生した場合の救助や、夜間の避難誘導、停電時の明かり確保に使用できます。

救出・救助・安全対策

・居住者名簿
こちらは各世帯の人数や名前、緊急連絡先などが書かれた名簿です。各世帯の安否確認で必要になります。居住者の引っ越しによって適宜更新が必要になりますが、個人情報となるため安易に閲覧できないよう保管しておきましょう。

・バール、のこぎりなどの工具
大きな家具の下敷きになった人などの救助のために必要になります。

・担架
けが人の救助や救護に必要になります。

・メガホン、トランシーバー
避難誘導や自主防災組織の班ごとの連絡で必要になります。その他本部に避難してきた人に状況を連絡して情報伝達をするのにも役に立ちます。

・カラーコーン、ロープ、ハザードテープ
危険物の落下やガラスの破片が落ちている場所など、危険個所に立ち入らないよう隔離するのに必要です。

・土のう袋、スコップ、リヤカー
応急的に建物を修理するのに使用します。

LIXIL開発の災害配慮トイレ『レジリエンストイレ』


引用元:https://newsrelease.lixil.co.jp/news/2019/020_water_0307_01.html

個人の備蓄とは別に管理組合での備蓄が大切だということは前述しましたが、中でも簡易トイレはテントを張ってもあまり快適な状況とは言えませんし、トイレを我慢するのは被災時の大きなストレスになります。そんな非常時にいつも使用しているトイレが使えたらうれしいですよね。そんな被災時のストレスを解消してくれる、株式会社LIXILが開発した災害配慮トイレ『レジリエンストイレ』が4月1日より全国で発売されるのだそう。
3.11をきっかけに開発されたというこちらのレジリエンストイレは、普段は通常のトイレとして使用することができ、災害時だけは1ℓ(平常時は5ℓ)で洗浄することができる災害時用節水トイレに手動で切り替えることができるのです。大規模災害時でも、トイレさえ無事であればいつもと同じトイレが使用できるのは大きな進歩ですね。集会室などの共用部に設置されているトイレをこちらの『レジリエンストイレ』に変更しておけば、大規模災害時にマンション住民や近隣住民の方の大きな助けになることが期待できます。被災時は少しでもストレスになることを減らしたいもの。管理組合での防災対策を考えるうえで、簡易トイレやマンホールトイレの備蓄に加えて、『レジリエンストイレ』への変更※も検討してみてはいかがでしょうか。

※:LXIILとしては、災害時の想定外による破綻を防ぐため、「レジリエンストイレ」のみではなく、簡易トイレやマンホールトイレなど複数タイプの災害用トイレを避難者の特性に合わせて準備することが重要と考えます。各々のトイレを各避難所へ効果的に設置することで、時間とともに変化する避難者のトイレに対するニーズに対応することが可能です。

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