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住宅ローンの返済について勉強し直してみよう!金利タイプ・返済方法・返済額などを再確認

2019.02.19


マイホーム(持家)の購入時や大規模な修繕、リフォーム、リノベーションをする時には住宅ローンを検討される方が多いでしょう。その一方で、ローンについて詳細に把握している方はあまり多くないというのが実際のところですが、マイホーム(持家)を購入し、維持していくうえで、住宅ローンについてしっかりと勉強しておいて損はありません。特に返済に関することは、人生設計にも直結する部分ですので、返済計画は他人任せにするのではなく、自ら集めた知識や情報をもとに計画していきましょう。金利タイプ・返済方法・返済額などを再確認してみてください。

住宅ローンの金利タイプ


住宅ローンを検討する際に、まず知っておきたいのが金利タイプについてです。返済計画や返済額にも大きく影響するポイントですので、きちんと押さえておきましょう。ここでは基本の3つのタイプを取り上げ、各金利タイプのメリット・デメリット・条件やおすすめの方についてなどを紹介します。

・全期間固定金利型
借入時から返済完了時まで金利が変わらないタイプです。返済期間の金利が一定なので返済額が初めに確定すること、金利の変動に左右されないことが利点としてある一方、一般的に変動型と比較すると金利が高めだというマイナス面もあります。返済期間終了までの見通しを最初に確定させてしまいたい方をはじめ、金利動向のチェックが面倒に感じられる方、収入面や家計面から途中で返済額が増加するのが心配な方などには、このタイプが向いているでしょう。

・変動金利型
半年に1度金利が見直され、それを基に5年毎に1度返済金額が変わるタイプです。市場金利が影響するので金利が高くなるリスクはありますが、現在の上限は見直し前の1.25倍までとなっています。また一般的には他のタイプよりも金利は低くなります。借入額が少ない方、繰り上げ返済などを利用して早めに返済可能な見通しがある方に向いているでしょう。

・固定期間選択型
金利が固定される期間を選択でき、終了後は変動金利型に移行するタイプです。固定金利期間中を短くすれば金利も安くなるというメリットがあります。しかし金利が上昇すると返済額も上昇し、基本的にはその上限額が固定されていないというのが大きなデメリットとして考えられます。たとえば子供の教育費など、住宅ローン以外にかかる家計の大きな出費がある時期の金利変動を避けたいという方はこのタイプを選ぶと良いでしょう。

基本の金利タイプをもとに様々な住宅ローンがありますので、各自で必ずローン内容の詳細を確認してから検討をしてください。

元利均等返済と元金均等返済


基本的に住宅ローンの返済には2種類の方法があり、それによって総返済額が変わってきます。自身の人生設計に合わせて無理のない返済計画を立てるためには、ローンの金利タイプの次に、返済方法についても再確認しておきましょう。「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つのパターンについて、メリット・デメリットをもとにそれらの違いや特徴を説明していきます。まず、ローンを組んだ際には、「元金(借りたお金)+利息」を返済していく必要があるという事を念頭に置いておいてください。

・元利均等返済
毎月、元金と利息を合わせた一定金額を返済する方法です。メリットとしては、月々の支払額が一定なので返済計画が立てやすい点と、元金均等返済と比較するとこちらの方が返済開始当初の支払額は少ないという点が挙げられます。ただし、同じ借り入れ期間で比べると、こちらの方が総返済額が高くなってしまうデメリットがあります。返済当初は元金が減らないため、借入金残高の減り方が遅いという点もあります。先の見通しが立てやすいという面から考えると、たとえばこれから教育費などまとまったお金が必要な方、いざという時に備えて貯蓄にもまわしておきたい方などには、こちらの返済方法が向いているかもしれません。

・元金均等返済
元金部分の返済額は一定ですが、金利部分の返済額が1年目を最高値として徐々に少なくなる返済方法です。元金を早く返すことができるため、総返済額も元利均等返済と比べて少ないというメリットがあります。ただし、返済当初は月々の返済額が多く負担が大きくなるため、借り入れ当初からある程度の収入が必要というデメリットも。総返済額が少ないのは大きな利点と言えますので、返済当初の負担が問題ないという方は、こちらの返済方法を選択すると良いでしょう。

月々の返済額の計算方法


住宅ローンを組む際、月々の返済額を自身で計算できると便利です。もちろん各金融機関等でシミュレーションしてもらうことはできますが、様々な住宅ローンを比較したり、返済計画について考えたりするためには、自身で行えると何かとスムーズなこともあります。そもそもなぜ月々の返済額をきちんと把握しておく必要があるのかと言うと、ローンで借り入れをする場合には、「いくらまでなら借りられるのか」ではなく「いくらまでなら無理なく返済していけるか」という視点で検討を進めていくのが重要だからです。自身で計算をすることで、より現実的に返済について考える、ということにも繋がります。まず月々の返済額を計算するために必要な数字は、借入額・金利・返済回数の3つです。
金利については、ローンの金利タイプによって返済額が変わる可能性があるますので、ひとつの目安として捉えておきましょう。下記が元利均等返済の返済額を求める計算式となります。

借入額×{月利(1+月利)返済回数/(1+月利)返済回数-1}=毎月返済額


この式に借入額4,000万円、年利を1.0%、返済回数を360回(30年×12か月)と仮定して計算をしてみましょう。
このままだと難しいかもしれませんが、この式を分解すると下記の4ステップで計算することができます。

↑の数式
1.月利
2.①の式
3.②の式
4.毎月の返済額

1.月利を求めます
まず先にひと月当たりの金利(月利)を求めるため、1%を12か月で割ると
0.01÷12=0.0008
となりますので、月利は0.0008ということがわかります。

2.①の式を求めます
①の式に月利を当てはめると
0.0008(1+0.0008)360となりますので
①0.0008×1.0008の360乗(1.3336)=0.00106
となります。

3.②の式を求めます
①の式と同じように②の式を計算すると
1.0008の360乗(1.3336)−1=0.3336
となります。

4.毎月の返済金額を求めます
①の式で出てきた数字と②の式で出てきた数字を割り、返済額(4000万円)をかけます。
①0.00106÷②0.3336×4000万円=127,098円
つまり、毎月の返済金額は127,098円になることがわかりました。

数字が苦手で難しいという方は、シミュレーションツールを使うと必要な数字を入力するだけで簡単に計算可能です。金利タイプなど、諸条件によって実際の返済額との差異はあるかもしれませんが、返済計画を立てる上では十分に活用できます。その他にも、返済額早見表などを活用したり、Excelなどの表計算ソフトを用いたりして、簡単に返済額を算出するといった方法もあります。ツールや早見表などは、住宅ローン取り扱いの金融機関等のサイトに用意されている場合が多いので利用してみてください。

無理ない返済計画を

住宅ローンで借り入れをするとき一番に考慮すべきことは、月々いくらまでなら無理なく返済できるかという点です。さらに、現在の貯蓄や収入、この先の人生設計をもとに、総額いくらまでなら無理なく借り入れができそうかという点も考える必要があるでしょう。このようなことについてまず明確なビジョンを持ったうえで、金利タイプや返済方法なども考え、詳しくローンの検討を進めていきましょう。金融機関が同じであっても、住宅ローンの金利タイプや返済方法によって、総返済額も異なります。総返済額が少ない方が良いとすぐに考えてしまうかもしれませんが、その点ばかりにとらわれてしまって月々の返済が苦しいというのでは考え物です。必ずしも総返済額が少ないプランや返済期間が短いプランが自身にとって賢い選択かというと、そうではない場合もあるからです。数字に注目するという点では、やはり月々の返済額を手軽に計算できる状態にして、無理の無い返済計画を立てることが、夢のマイホームを手に入れる一番の近道です。現在の状況や先の見通しを再確認したうえで、冷静に数字を見ながら返済計画を立てて、各種ローンを検討していきましょう。

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