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初めて住宅ローンを組むときに抑えるべき仕組みとポイント

2019.02.05


憧れのマイホーム。そんな夢のマイホームは人生で一番大きな買い物といわれるほど、多額の費用がかかりますので、全額を用意して一括払いで購入できる方はほとんどいないのではないでしょうか。そんなときに必要となってくるのが分割で支払うことのできる住宅ローンです。ですが「購入金額を分割で支払える」ということ以外に住宅ローンの仕組み、種類やリスク、諸手続きや費用について、どれぐらいの知識をお持ちでしょうか?住宅ローンの賢い組み方が実践できるように、これらの基礎的な内容については十分理解しておきましょう。

住宅ローンとは


住宅ローンは、戸建てやマンションの購入時に利用することもあれば、持家の大幅なリフォームやリノベーションを行うときの利用なども考えられるでしょう。初めてのことであればよく分からないことも多いかと思いますが、依頼する会社任せにするのではなく、自身できちんと仕組みなどを把握したうえでローンを組むことが大切です。
では、そもそも「住宅ローン」とは何なのでしょうか。簡単に言うと、住宅の購入時やその大規模な修繕時などに、銀行をはじめとする金融機関から融資を受けるということです。住宅ローンは他のローンと比較して、「金利が低くて返済期間が長い」という特徴があるものの、やはり仕組みなどを十分理解して賢い組み方をするのが得策でしょう。一口に住宅ローンといっても様々で、たとえ同じ銀行でも商品によって内容は異なります。基本を押さえておくのが賢い選択につながります。
まず初めに、無理なく借り入れをするという視点で押さえておきたいポイントは2点です。1つめは、基本的には長期に渡る返済となりますので、いくら借りられるのかという基準からではなく、いくらなら返済できるのかという観点で考えることが大切です。たとえば定年時までに返済完了できるような金額を計算するなど、家族の人生設計をもとに「返済可能額」を考えましょう。2つめは、そもそもの借り入れ金額を抑える、ということです。頭金としてある程度お金を用意してからローンを組み、月々の返済額を抑えることで返済の負担を減らすことができます。必要であれば、住宅の購入費用自体を抑えることも検討しましょう。

住宅ローンの種類とリスク


住宅ローンの賢い組み方を考えるためにはまず、金利の違いについて知ることが必要です。商品タイプは「完全固定金利型」、「変動金利型」、「固定金利期間選択型」の3種類に区別することができます。融資の申し込み先で最も多いと思われる「銀行ローン」では、すべてのタイプで様々な商品が用意されています。これら3種類について、詳しい仕組みや知っておくべきリスクについて見てみましょう。

・完全固定金利型
借り入れ時の金利が返済完了時まで一定で、全期間通して金利が一切変わらないタイプです。市場金利の変動に左右されず、返済期間全体の返済額が最初に確定するので、先の見通しが立てやすいというメリットがあります。ただし、市場金利上昇時でも借り入れ時の金利に変動がない反面、市場金利が低下した際にも金利が変わらないというデメリットもあります。よく耳にする「フラット35」はこのタイプに該当します。

・変動金利型
原則半年ごとに金利が見直され、それを踏まえて5年間毎の返済額が変更になるタイプです。一部の金融機関では、返済額自体の見直しをするタイプもあります。完全固定金利型よりも当初の金利の設定は比較的低めになっていますが、市場金利の上昇によって返済額が増加するというリスクもあります。常に景気に左右されることは頭に入れておかなければなりません。ただし、返済額が増加する場合、見直し前の金利の1.25倍までといった決まりがあります。

・固定金利期間選択型
借り入れ当初の数年間だけは何%といったように、一定の期間だけ金利が固定されているタイプです。その期間が終了した時点で、市場金利の変動に応じてローンの金利も見直されます。固定期間については金融機関等によって異なりますが、金利の固定期間中には返済額が一定となるので見通しが立てやすいこと、それ以降は市場金利が低下すると返済額も同じく減少するという大きな利点があります。逆に、固定期間以降は返済額が確定されないため、それ以降は市場金利の上昇に伴い返済額も増加するといったリスクもあります。特に後者については、変動金利型のケースとは異なり返済額上昇幅の上限が設定されないタイプも多く、最終的な総返済額が大幅に増えるかもしれないということも知っておくべき事項です。「財形住宅融資」はここに含まれます。

住宅ローンを組むための手続きと費用


では実際に住宅ローンを組む時の諸手続き・費用などについて、一般的なケースをご紹介しておきます。特にローン締結にかかる費用が意外と大きな金額にもなるので、そのあたりも理解しておきましょう。まずローンを組むときの大まかな流れとしては、次の3工程になります。
1.金融機関と保証会社による事前審査があります。
2.事前審査が通れば本申込・正式審査へと移ります。
3.正式審査が通れば、ローン契約となります。
必要書類や費用の準備などもありますので、住宅ローンを組みたい場合は不動産会社やリフォーム会社の担当者か金融機関等に相談しましょう。契約前に、借り入れが可能かどうかを確認するのが事前審査、契約締結後に申し込むのが正式審査になります。事前審査では返済能力等の基本事項をもとに比較的簡易に行われますが、正式審査では金融機関と保証会社がさらに詳しく審査を行うため、契約書類や証明書等が必要になります。次に諸費用についてですが、基本的に審査申し込み等においては、かかる費用はないと考えておいて良いでしょう。住宅ローンを組む際にかかる費用としては、事務手数料と保証料が大部分を占め、その他に印紙税、各種保険料などがあります。住宅購入時には、登録免許税や司法書士の手数料等も必要になってきます。かかる金額については、各金融機関、そしてその支払い方法によっても大きく変わってきます。ローンを組むだけでもまとまった金額が必要なのだということを知っておき、ローンの申し込み先の検討中に、あらかじめ諸費用についても確認しておくのがベターでしょう。

住宅ローンを賢く組むためには

住宅ローンには金利によって3つの商品があり、融資元によっても様々な商品があるということがご理解いただけましたでしょうか?また、ローンを組む際にも諸費用がかかるというのも大事なポイントです。その諸費用についても、融資元によっても変わりますし、支払い方法によっても違ってきます。これらの点だけ考えても、住宅ローンに関しては考えておくべき事項がたくさんあり、賢い組み方をするためには徹底的な情報収集が重要だということが分かるのではないでしょうか。ローンの種類や仕組みについてどれほどの知識があるのか、そしてそれをもとに、いかに情報を集めていくのかがキーポイントとなるでしょう。普段利用しているメインバンク、その他地方銀行、専門会社、財形融資が可能な勤務先や自治体など、まずは自身が利用できるローンを確認してみましょう。そして可能であれば、すべての機関で返済額などをシミュレーションしてもらうと比較することができます。借り入れの申し込み先を選定するだけでも大変ではありますが、融資元さえ決定してしまえば、基本的には流れに沿って進めていくだけですので、後々返済に苦労することがないように、きちんと見極めてローンを組むようにしましょう。

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