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自宅の資産価値はいくら?知っておきたい資産価値を決める3つのポイント

2018.10.30


地方都市や都市部の郊外などでは依然として根強いマイホーム需要があり、30代中盤から後半で長期の住宅ローンを組み、一戸建てや分譲マンションを購入するパターンが一般的になっています。長く住んでいくと気になるのはやはり、物件としての資産価値ではないでしょうか。購入時に比べ、現在の資産価値が上がっているのか下がっているのか、誰しもが気になるところだと思います。自宅の正確な資産価値を把握するための方法や、資産価値を下げないためにはどうしたら良いのか解説していきます。

住宅の資産価値はどう決まる?


住宅の資産価値を決める要素としては、築年数、周辺地価、住宅の構造などが挙げられます。一戸建てでも分譲マンションでも、老朽化すれば当然住宅としての資産価値が下落してしまいますが、例えば新築マンションの場合、10年ごとに購入価格のおよそ10%が資産価値として失われていくのだそう。周辺地価についてはその時々の経済情勢によって若干の移り変わりはあるものの、大まかに言えば郊外よりも都市部のほうが周辺地価が上がりやすく下がりにくい状況にあり、それに加えて「駅に近い」、「商業施設が増えている」、「再開発エリアである」などの付加条件によって地価の動向が大きく変わってきます。住宅の構造には木造、鉄筋コンクリートなどがありますが、現在では災害リスクなどの観点から木造よりも鉄筋コンクリート構造のほうが査定が高くなりやすい傾向があり、住宅査定の条件はここ数年でますます複雑化していると言えるかもしれません。

上記の条件以外にも住宅の資産価値に直接影響する要素としてはいくつかありますが、初心者が意外に見落としがちなポイントとして「保障内容の充実度」があります。新築物件の購入時には火災保険などの保障をつけることになりますが、その内容が充実しているほど物件の資産価値が高まり、築年数が長い物件であっても基本相場より上乗せされた査定額が提示される場合も指摘されています。また、言うまでもなく保全状態の良い物件のほうが同じ条件でも査定が高くなる傾向にありますので、新築のうちから出来る限りこまめにメンテナンスを行い、安全・安心・快適に、きれいで住みやすい状態を長持ちさせられるようにしましょう。自宅の資産価値を正確に見積もる際は、不動産鑑定士に査定や鑑定を依頼するのがベストです。

自宅の資産価値を調べる方法


自宅を売却する際にぜひとも把握しておきたい不動産の資産価値。ご自宅の資産価値を調べる方法にはいくつかありますが、その中でも最も手軽なのは固定資産税納税通知書を確認することです。固定資産税は不動産の資産価値に比例して決定されますから、毎年の固定資産税額をチェックすれば、その時点での自宅の資産価値をある程度推測することが可能になります。さらに正確な自宅の評価額を知りたいのであれば、市役所に保管されている「不動産評価証明書」を取得する方法が知られています。評価証明書には登記された時点での不動産の評価額が記載されています。そのため、公的に価値のある記録として利用することが可能です。

評価証明書は不動産の所有者が亡くなった場合の相続登記などの場面で提出が義務づけられているため、比較的入手しやすい書類としておすすめできます。また、賃貸住宅を所有されている方が資産価値を具体的にシミュレーションする方法として簡便なのが「収益還元法」。アパート経営での物件査定によく用いられる計算方式で、この方式では「賃料」をベースにした資産価値のシミュレーションが行われるため、より実用的なデータを導き出すことができるのが大きなメリットです。なお、収益還元法によって算出される住宅の資産価値は「リセールバリュー」とも呼ばれ、住宅を今の状態のままで売却した場合いくらで売れるか、ということを数値的に知ることができる指標として活用できます。リセールバリューは主に住宅の立地によって決められ、郊外よりも都市部などの人口が密集している地域のほうが、より高い値段で売れるという傾向がありますが、郊外エリアでも自然が豊かであったり、周辺施設が充実したりしていればリセールバリューが底上げされる可能性もあります。なお、賃貸住宅ではない一般的な持ち家の場合、資産価値は築年数が古くなるほど下がっていく傾向にあり、特に10年以上が経過した物件では市場価値がほぼゼロに等しくなるため注意しておきましょう。

住宅の正確な資産価値を把握するうえでおさえておくべきポイントは、「市場の動向を信用しすぎない」ということ。一般に、マンションの価格は時価によって比較されます。マンションの資産価値は毎月の平均家賃から簡単に算出することができ、大まかに言うと家賃に200倍をかけた金額がその時点での価値であると判断することができるようです。より詳しい資産価値を把握するためには不動産会社や不動産鑑定士に査定や鑑定を依頼するようにしましょう。

資産価値を上げるためにやっておきたいこと


周辺地価の変動による不動産価値の下落はある程度やむを得ない面もありますが、日頃からのメンテナンス次第では物件の資産価値を底上げすることも可能です。不動産の資産価値を底上げする基本的な方法として、リフォームやリノベーションがあります。リフォーム、リノベーションとは必ずしも「住まいの老朽化した部分を修繕する」というような単純なものだけではなく、たとえば自宅をペンションや民泊として改装する、一戸建てをシェアハウスとして増築するなどの用途変更も考えられるでしょう。

いずれの場合も、「より安全・安心・快適に暮らせるリフォーム」、「時代に即したリノベーション」であることが重要なポイントで、せっかくまとまったコストをかけて自宅を改装しても暮らし方のニーズに合わず、魅力が感じられないような住宅ではかえって資産価値が下がってしまうケースもあり得ます。どのようなリフォームが資産価値のアップに繋がるか、ということを事前にシミュレーションした上でリフォームのパターンを考えましょう。不動産の資産価値アップは、まず現時点での住まいの資産価値について正確に把握することが必要です。マンションの価値というと、一般には「都市部のほうが無条件に高い」と思われがちですが、必ずしもその通りではなく、むしろ郊外エリアの一軒家の方がリフォームの柔軟性などの面で根強い需要があり、都市部のマンションよりも安定した査定価格が付けられる場合があります。

まとめ

日本国内ではここ数年、地価の二極化がさらに進んでいると言われています。大都市圏の商業地などでは依然として新築マンションの高騰が続き、周辺地価も高止まりの状態にある一方で、地方都市や郊外エリアなどでは地価が伸び悩み、人口の少ないエリアでは地価の下落が今後も継続するだろうと見られています。
ただし、リフォームやリノベーションなどによって、自宅の資産価値を底上げすることは充分に可能なことです。その際注意しなければならないのが、時代のニーズに合った住宅改装を行っているか、という点になります。魅力ある改装をする事が出来れば、築年数の長い住宅でも大幅な資産価値の下落を抑えることも可能です。まずは固定資産税納税通知書や収益還元法などであなたの住宅の資産価値を算出してみてはいかがでしょうか。詳細な資産価値について知りたいという方は不動産鑑定士に依頼することで、現状の資産価値を正確に把握することが出来ますので、気になる方は相談してみて下さい。

参考URL
https://www.re-guide.jp/article/r_shisan.html
http://www.azn.co.jp/consulting/tabid/124/Default.aspx

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