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リノベーションの相見積もりを取る意味は?「値段が安いからA社に」は要注意!【リノベスタッフ目線。こんなお客に困った! シリーズ2】

2018.10.18


▼値段が安いので、A社にした。それって、本当に【あなたにとっての適正価格】ですか?


今回も、リフォーム窓口の担当者に話を聞いてきました。

リフォーム雑誌に、相見積もりができる書類が付録されていることがあるので、他のリノベーション会社に一斉に見積もりを請求するお客さんは多いです。でも、その見積もりの請求の仕方が適当だったのに、単純に「合計価格が安いから」というのを理由にリノベーション会社を選ぶのを見ると、「本当にやりたいリフォームが実現できるのかな?」と心配になります。

カタログの付録としてついていることが多い見積もり申請はがき。
相見積もりとは、複数の会社から見積もりを取って(見積書を提出してもらって)比較することを言います。つまり、見積申請はがきをたくさんのリノベーション会社に送って見積書を提出してもらうのも、相見積もりの一種ですね。
でも、見積書の請求なんてあんまりやったことがない……。という人に向けて、今回は「リフォーム会社を選ぶための相見積もりのやり方」を解説していこうと思います。

▼そもそも、相見積もりって?


相見積もり【あいみつもり】
複数の取引先などに同条件で見積もりを提出させ、比較すること。あいみつ。(デジタル大辞林より)

リフォームは、家電を買うことに比べてそれなりの金額が必要になります。一度工事をして、やっぱり気に入らなかったからもう一度工事をする……ということはできませんよね。

だからこそ、どういうリノベーション会社を選ぶのかはとっても重要。その選定の仕方として、「相見積もりをとる」という方法があります。

▼相見積もりの必須事項&マナー


鉄則1:他のリノベーション会社と同じ条件の見積もり依頼する


価格を比較するのに、条件を変えてしまっては比べることができません。
見積もりに必要な仕様書・設計図・予算案など、リフォームの条件になるものは全リノベーション会社に同じものを渡しましょう。そうすることで、同じリフォーム作業でもどこにお金をかけて取り組む会社なのかも、はっきりわかります。

鉄則2:相見積もりをすることは、リノベーション会社に伝えておく


リフォームは、計画から施工完了、その後のアフターケアまで含めるとかなり長い期間を要するもの。そんな時、必要なのは「信頼関係」です。相見積もりがあるならと割引してくれる場合や、それでも「これが適正価格です」と自信を持って提案してくるリノベーション会社、それぞれあると思います。
そこは、自分がどちらを信用できるかで見極めるポイントにもなるので、必ず相見積もりであることは先方に伝えましょう。

鉄則3:他社の見積もりを使って値切るのはNG


少しでも安くしたい!という気持ちは当然なのですが、「A社はB社よりこんなに安かった」と言って値切り交渉をするのはマナーとしてあまりよくないかもしれません。リノベーション会社は、作業員の手配や材料の選定、施工スケジュールなどを全てふまえた上での見積もりを出しています。

値段はリノベーション会社を選ぶ基準の1つでしかありません。なぜその価格になったのか、しっかりと質問をすることでリノベーション会社を見極めましょう。

▼リノベーション会社を一つに絞ったあとに、他の会社にどう連絡すればいいか?


○相見積もりを取ったうえで、リノベーション会社を決定した!

電気屋さんでパソコンやカメラを買う場合、色々な店を回って買った後、店員さんに相談して検討したお店だからといって「他のお店で買いました」と改めて挨拶や報告をしに行く方はいないと思います。でも、リフォーム会社の見積もりの場合、打ち合わせを重ねたり相見積もりのなかでも選んでもらおうと工夫や努力をしているため、電気屋さんよりもうんとリノベーション会社も時間を割いてくれていることがほとんど。
そのため最低限、「他の業者に決めました」と伝えるのが一般的なマナーです。

○たいせつなのは、「ありがとう」の気持ちを伝えること


リノベーション会社も、取引できる前提で対応をしてくれています。そのため必ず「見積もりのために時間を取ってくれたこと」について感謝し、断りの連絡をいれることが大切です。

○他のリノベーション会社を選んだ説明の仕方


リフォーム会社を決めたら、もうどんどん施工準備を進めたい気持ちもふくらんでいるでしょう。なので、いちいちどこがよかった、などを全て説明する必要はありません。あくまでもマナーとして、「リフォーム工事の内容・金額・その他スケジュールの都合など総合的に検討して他社にしました」と伝えるのが適切でしょう。
もしかしたら、今後他の場所をリフォームしたくなった時にはそのリノベーション会社にお世話になる可能性もあります。取引をすることにはならなくても、今後のことも考え、信頼関係は保っておきましょう。

▼安い方に決めた!という業者選びが危険な理由は?


ポイント:値段が高い理由を知ろう。

一概に「値段が高い」と言っても、そのリノベーション会社が何にお金をかけて、どこを節約しているのかはわかりません。高品質だからこそ、その価格でしか提供ができない、という事情があることも。

価格が変わるポイントとしては

・作業員のレベル:技術、施工期間、 など
・材料のレベル:機能、長持ちするか、丈夫さ、傷がつきづらいか など
・オーダーメイド:デザイン費用、材料加工費用 など
・サービス:アフターメンテナンス、トラブル対応 など

これ以外にも、リフォーム内容によって価格がどうしても高くなるさまざまな理由があります。

自分の理想の住まいを実現するために、どの価格が適正なのか。リノベーション担当スタッフに、どれがなぜこの価格なのかを質問して、あなたが納得したところに決めましょう。
そういった細かい不安に対しても懇切丁寧に対応してくれるリノベーション会社は、その後のアフターケア (水漏れが起きた、塗装が剥げたなど)も、どう対処すればよいのかなどに適切に応えてくれる可能性が高いです。
もし価格が同等の場合、パートナーとしてあなたのお家をより良いものへと作っていってもらうからこそ、対応が気持ちいいと感じられるリノベーション会社に頼むことが、納得する住まいを作るのには重要です!

▼見積書の読み方を知ろう

リノベーション業界には、「こういう風に見積書はつくるものだ」という統一された形式があるわけではありません。なので見積書を読んでも、結局は合計金額しか比較できなかった……というケースがあります。例えば、こんな見積もりの仕方があります。

・部屋ごとにかかる費用を書いてある見積書
・材料費と人件費を分けて書いてある見積書
・単位面積あたりの単価で計算してある見積書


せっかく見積もりをしてもらったのに、あなたが比較できない見積書がたくさん増えてしまっても仕方ありませんよね。そこで、そうならないための見積書の頼みかた・読みかたを少し紹介します。

ポイント1:相見積もりを取る際に、「どういう形式で見積書を出してほしいか」を伝える。
相見積もりのマナーで、「全業者に同じ条件でリフォームの要望を伝える」と書きました。だからこそ、リノベーション会社にも同じように、同じ条件の見積書を出してもらうよう頼んでみましょう。
 (これを気持ちよく引き受けてくれるかも、見極める一つのポイントになります)

ポイント2:小さな工事は「一式工事」で書かれることがある
大きな工事ではない場合、すべての作業をまとめて「一式工事」と表記されてしまうことがありますが、これでは他のリノベーション会社と相見積もりを取った意味がありません。この場合は、他のリノベーション会社に相見積もりをしていることを再度伝え、比較検討のために細かい見積書を出してもらいましょう。

ポイント3:「仮設工事」が安すぎる業者に注意!
仮設工事とは、リノベーション作業員たちが作業の時に使う足場などを指します。足場はリフォームした後には撤去されてなくなってしまうものですが、安全・丁寧な工事をしてもらうなら、欠かせない予算になります。
ここを大幅に削って安く見せようとする業者がいたら要注意かもしれません。むやみに削ってはいけない予算であることを意識しておきましょう。

▼本当に目的のリフォームを叶える見積もりを取れていますか?

色々なリノベーション会社に見積もりをつくってもらったけど、「実はちがう場所についての見積もりを取ってしまっていた」というケースがあります。

例)
依頼主:台所の流しから水漏れがしているので、リフォームしたい

A社担当者:パイプを全部取り換えるんだな
B社担当者:古い部分だけ切り取って、パーツを付け替えればいいな
→A社がB社より高い!じゃあB社がいいのかな!

……というすれ違いが起こりかねません。

相談の段階から、どんなリフォームを求めているのかをしっかりすり合わせること、また安すぎないか? と疑問に思ったら、リフォーム内容を再度確認することも重要です。
そうならないために、見積書の受け取りは、リフォーム予定地でしましょう。


見積書をもらったら、改めて担当スタッフに来てもらって、「ここからここまでをリフォームしてもらうんですよね?」と確認をとります。担当者に手間なのでは……と思うかもしれませんが、担当者も自分たちがつくった見積もりが適正かどうか確認ができるので、実はとっても重要な作業になります。
見積書上でわかりづらかったことも、この時に全部聞いておきましょう。

▼おわりに

「相見積もり」のやり方と注意事項について、少しはお伝え出来たでしょうか?

重要なのは

・相見積もりは自分とリノベーション会社が工事をするうえで必要不可欠だということ
・相見積もりを取ったうえで断るのは、悪いことじゃないこと
・見積もりをとりながら、信頼できるリノベーション会社を探すこと
・価格を比較するだけではなく、本当に必要な工事内容にみあうか考えること

です。

一生にそう何回もない買い物・リフォーム。
だからこそ、後悔と確認不足がないように、こまめな確認を大切に。

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