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理想的なリノベーションプランを練るために「リノベノート」を作ってみよう。【リノベスタッフ目線。こんなお客に困った! シリーズ1】

2018.10.09


「いざリノベーションをはじめよう! と工事会社の窓口に行ったけれど、うまくプランが練れない・決まらない……」

【スタッフ目線。こんなお客さんに困った! 】シリーズの第一弾。
ここでは、相談カウンターに来た家族たちの中でも、「それじゃあいつまで経ってもリノベーションができないよ……」とスタッフを悩ませた事例&そうならないための対策を紹介します。

今回紹介するのは、「家族内でリノベーションイメージのすり合わせができていなかった問題」について。

▼相談窓口に来てからモメて2転3転するオーダーに、困った!


担当者Aの話。
基本的に、リノベーションを希望する人は、相談窓口に行く前に大なり小なり勉強をしてきます。
なので相談自体はうまく進んで、さあリノベーションにとりかかろう!  となった段階で、

・家族がリノベーション自体を反対している
・家族にデザインを見せたら他のものにしたいと言われた
・家族の要望を詰め合わせていたら、いつのまにか予算額を大幅に超えていた


など、土壇場で振り出しに戻ることがたまに起きてしまうんです。
おそらくこういうことが起きてしまう原因は以下の通り。

・家族で完成後のイメージがちがった。共有できていなかった
・理想的な家のイメージが整理できなくて全部詰め込もうとしてしまった
・想像ばかり膨らんで、リノベーションする家に見合わない計画を立てていた


今回、この3つの問題点を解決するため、リノベーション計画を自分なりにまとめることができる「リノベノート」のつくりかたを紹介します。

▼リノベノートって?


リノベーションしたい家のイメージ写真をスクラップしたり、欲しい家具や設備のカタログ情報をまとめておく手作りノートのことを「リノベノート」とこの記事の中で名付けようと思います。

「リノベノート」の種類は2つ。

①集めたリノベーション雑誌の中で、いいな、と思うものを漠然とあつめる「モチベーションを上げるためのリノベノート」
②リノベーションのことを本格的に考えて資料を集めるための「実用性ばっちりなリノベノート」


「シンプルイズベスト」という言葉ひとつでも、全体の色合いが黒で統一されているのか、モノが少ないということなのか、など、言葉だけで工事会社に同じイメージを持ってもらうのはとても難しいもの。だからこそ相談窓口に行ったときに「リノベノート」を持っていくことで、明確にあなたのイメージをスタッフに共有できるようになります。

▼モチベーションを高めるための「リノベノート」のつくりかた

とりあえずリノベーションへの気持ちを高めたい人には、多くのリノベーション事例を見て「こんな家に住んでみたい! 」と思える未来予想図をつくることがおすすめ。
たくさんのイメージ画像を集めて、とにかくあなただったらどうしたいのか、お気に入りはどんな部屋、家なのかを収集するのにオススメな方法を紹介します。

○スクラップブックをつくる

ノートやファイルを使って、あなたのお気に入りのものをどんどん収集していくアナログタイプのリノベノートです。
家族で1つのリノベノートを準備し、どんどん自分たちの「理想の家」の要素を詰め込んでおけば、実際にリノベーションを考えるときのアイデアブックとして使えます。

・メリット
∟企業が出しているパンフレットや、リノベーション雑誌の中から厳選・比較して収集できる
∟なぜ気になったのか、誰が気に入っているのかをメモできる
∟ネットの情報も紙の情報も網羅したあなただけのデータベースがつくれる
∟ネット環境がなくてもつくれる

・デメリット
∟ノートなのでボリュームが多くなるとかさばる
∟索引がしづらい

○Pinterest(https://www.pinterest.jp/)をつかってネット上で画像を収集する

Pinterest(https://www.pinterest.jp/)は、お気に入りの画像をブックマークして収集できる、画像共有型SNSです。
「リノベーション」「インテリア」「間取り」などで検索すれば、世界中のユーザーが素敵だと思って共有している画像をたくさん閲覧することが可能。
他のサイトでいいなと思った画像のURLをPinterestで投稿すれば、マイページで自分だけのリノベノートをつくることも可能。
世界中のユーザーの「いいね」と、自分の「いいね」を一気に集められるのが、ネット上でリノベノートを作る最大の武器です。

電車移動中でも感覚的にアイデアストックを貯められるのが強み。
家族で同じアカウントを持つのも、個別のアカウントを持って理想のリノベーション像についてプレゼンしあうのも楽しそうです。

・メリット
∟気になるワードで検索して、簡単に憧れるお家の画像を収集できる
∟思いがけないDIYアイディアが見つかることも
∟いつでもどこでもアイディア集めができるる
∟色々なリノベーションサイトの画像情報も閲覧・アクセスできる

・デメリット
∟いちいちサイトに行く必要がある
∟ユーザーがあげていない画像は閲覧できない
∟ネット上にない画像はスクラップできない

▼予算や施工日程など、リノベーションを現実的に考える時ときにつくる「リノベノート」

さあ、実際にリノベーションをするのにどんなものが必要か、ちゃんと知りたくなってきました。そんなときに必要なのは、工事会社比較や価格比較などがしっかり記録されているリノベノート。

そんなリノベノートを作るときに役立つ2つのサイトを紹介します。○SUVACO(https://suvaco.jp/)をつかう

あなただけの家を一緒に造ってくれる建築・リノベーションの専門家や、その専門家たちが手掛けた事例を実際に閲覧できるサービス『SUVACO』(https://suvaco.jp/)。
「収納がたくさんある」「団地のリノベーション事例」「家事重視」などのカテゴリーごとで住宅の情報をサクサク見られます。リノベーションした住宅が気に入れば、それをつくった専門家にすぐ連絡できるのが大きな特徴。

その人が造った他の住宅もチェックできるので、「作風」が分かりやすく確認できます。会員登録していれば、マイページでお気に入りの物件情報をコレクションすることも可能。どんなきっかけでリノベーションがしたくなった、という話から、施工打ち合わせの内容、アイデアスケッチなど、リノベーションに必要な工程の様々な資料が見られる、とってもお得なサービスです。

・メリット
∟リノベーション会社や専門家の各種イベント・セミナーなどの情報が見られる
∟いいと思ったリノベーション事例をブックマークできる
∟いつでもどこでも資料集めができる
∟事例と一緒に専門家も一括検索できる
∟地方ごとの事例や専門家を検索できる
∟画像が豊富なものが多い
∟間取りのビフォーアフターが見られる
∟予算・施工スケジュールが見られる
∟専門家と直接コンタクトできる
∟インテリアや造園の相談も可能

・デメリット
∟リノベーション会社・専門家への相談・依頼にはユーザー登録(無料)が必要
∟いちいちサイトに行かなくてはいけない
∟費用が不明の記事も多い

○SUUMO(https://suumo.jp/remodel/kanto/)をつかう

賃貸物件探しのイメージが強いSUUMOですが、リノベーション物件がチェックできるサイトも運営しています(https://suumo.jp/remodel/kanto/)。
住まいの購入なども手掛けるSUUMOだから、中古住宅を購入・リノベーションして住みたい! という時に、一括でサイト内で家探しもできてしまうのが特徴です。

SUVACOが家全体のリノベーションを数多く紹介しているとすると、SUUMOは水まわりだけ、一部屋だけのリノベーションもしっかりカテゴリ分けしてあります。細かいリノベーションや、パーツごとの値段がどのくらいかかるのかをチェックできるのは、お財布の心強い味方ですね。

・メリット
∟リノベーションのことをチェックしながら、物件探しもできる。
∟小規模リノベーション(蛇口付け替えなど)のデータも豊富
∟間取りのビフォーアフターがチェックできる
∟どこの施工にどのくらいの予算を割いたのか、詳細が見られる
∟スタッフを選んだ理由が閲覧できる
∟依頼人の顔を見て、リノベーションした箇所の説明を詳細にチェックできる
∟依頼人のリノベーション前、リノベーション後の家の感想が見られる
∟カタログがその場で請求できる
∟書斎・リビングだけ、など、一部のリノベーションをした事例も比較できる

・デメリット
∟画像数がSUVACOより少ない
∟費用が不明の記事も多い
∟検索するのに、色々なページに飛ばなくてはいけない

★サイトを使って情報を集めたら、気に入ったものをプリントアウトしよう

モチベーションを上げる「リノベノート」づくりと同じく、集めた情報をリノベーションしたい部屋ごとに切り貼りコラージュして、「私たちの家の完成予想図」をつくってみましょう。そうすることで、いちいち言葉で説明しなくても「こういう家に住みたい! 」が一目で伝えられる理想的な住まいのスケッチが完成です。

▼「リノベノート」を持って、ショールームに行ってみよう

○実際に施工をされている家に入って、体験しよう

住宅展示場やリノベーション相談会などに行って、置いてある資料と、自分たちが集めた資料のイメージが近いかどうかを体験・確認しましょう。

「こういう棚が欲しかったけど、意外と埃がたまりやすそう」
「キッチンの形は素敵だけど、実際に料理のシミュレーションをしてみたら、流しの位置が合わなかった」
「子どもの目線で見たら、このリノベーション予定だと危険が多い」など、自分でその場に立って、手で触れてみるからこそ発見できることはいっぱいあります。

逆に、視野に入れていなかった方法に惹かれるようになるのも特徴。
スタッフの人にその場でカタログをもらい、再び自分たちのリノベノートをブラッシュアップしていけば、どんどんリアリティのあるリノベノートができていきます。

○相談窓口には、「リノベノート」を持っていこう。

さあ、理想の家の完成予想図ができた!
ここからは、
・今住んでいる家で、施工しようとしていることが本当に実現可能なものなのか
・予算内で理想のリノベーションができるのか
・予算を節約するための代替案はあるか(さらなる新商品が出ていないか)
などの「スタッフにアドバイスしてもらいながら、リノベノートを作る」段階に入ります。

理想の家にぴったりなもの、近しいもの、はたまた別の提案……というのを受けたら、それぞれ別に見積もりをもらいましょう。
他の企業で相談したときに、それぞれの施工についてどのくらいの価格差やサービスの差があるのかが比較できます。

▼おわりに


違う工事会社を回って歩いていると、家族内だけでも「さっきの会社に言ってたこととまた変わっている……」となって、本当は必要だった資料を得られなかったり、話を聞けなかったりしてしまうことも。そんな時、「リノベノート」があれば、どんなスタッフにも同じイメージをまんべんなく伝えることが可能です。家族で暮らす家は、家族の形が変わるごとにも臨機応変でなくてはいけなかったり、趣味の違うそれぞれの人たちにあわせなくてはいけなかったり、「一目ぼれ」だけではうまくいかない落とし穴がいっぱい。
リノベノートでイメージを膨らませ・固めてから相談窓口に行きましょう。

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