住まいの今と未来をつたえる

マネー

あなたは知ってる? 見直ししやすいマンション管理費のポイント

2018.05.21

あなたは自分が購入して住んでいるマンションの管理費がいくらか、ぱっと言えますか?住み始めの頃は覚えていても、毎月自動的に引き落とされているといつのまにか細かい金額を忘れてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
管理費はマンションを購入した際に修繕積立金と共に金額が決められており、その金額を定期的に払っている方がほとんどかと思います。しかし、その管理費がどう決められているかはご存知でしょうか。「よく分からないけれど最初に決められた金額をそのままずっと払っています! 」という方は、一度管理費が適切か見直す余地があるかもしれません。

マンションの管理は自己責任!

そもそも管理費に限らず、マンションの管理に関わる事柄はマンションの区分所有者で結成される管理組合で決めるものです。管理費や修繕積立金の金額設定だけではなく、その使い方や管理会社との契約など、マンションの管理に関わるすべてのことは管理組合の責任になりますので、今の管理費が適切かどうかというのは管理組合が見直しをしなければ最初に決められた金額のまま。そしてこの金額はというと、全てのマンションではありませんが住宅販売会社が“おおよその目安”で作っていることも少なくないため、適正な金額である保証はどこにもないのです。

管理組合と聞くと理事の方だけに関わっていると思われがちですが、あくまでも理事の方は運営を行ってくれている「代表」なだけであって、管理組合自体は区分所有者全員が組合員になりますので、もし管理費に疑問がある場合には積極的に関わっていくことをおすすめします。

適正な管理費の額とは?

自分の住んでいるマンションの管理費が適正金額かどうかというのは、初めてマンションに住む方にはとくに分かりにくいですよね。そもそも他のマンションの管理費がどの程度なのかを把握されている管理組合は少ないと思います。

マンション管理費といっても共用部の設備やサービスによって必要な管理費も変わってきますが、国土交通省の調査によると管理費の価格帯で多いのは「10,000~15,000円(27.3%)」と「15,000~20,000円(21.5%)」となっており、全体の約50%のマンションが「10,000円~20,000円」の間であるという結果となっています。
しかし、戸数別平均額を見てみると一番安い「301~500戸のマンション(12,470円)」と一番高い「20戸以下のマンション(21,599円)」の管理費には9,000円もの管理費の差が! 戸数が少ないマンションでは、少ない人数でマンションの管理費を負担しなければならないため1戸あたりの負担は大きくなってしまう傾向が見られるようです。

また、管理費が一番安いのは301戸~500戸のマンションですが、500戸以上のマンションはタワーマンションの比率も増えてきますので、平均額は14,931円となっています。こういった大型のマンションは管理が必要な設備(エレベーターなど)が増え、管理費が増加する場合もあるといえるでしょう。もしもあなたのマンションが戸数平均からみて著しく高い場合には、管理費の内訳がどのようになっているのかチェックする必要がありそうです。

管理費の支出知っていますか?

そもそもあなたの支払っている管理費が、何に使われているかご存知ですか? 管理組合の総会に出席していらっしゃる方でも、会計報告を細かく見たことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。管理費の使用用途は設備によっても変わってきますが、主に下記の4点に分けられます。

1.管理会社への委託費用
日常的な清掃・点検といった業務は管理会社へ委託しているマンションがほとんどで、この管理会社への支払いが管理費支出の多くを占めます。

2.消耗品や設備の点検及び軽微な修理費用
共用部の電気代や定期点検の費用、電球の交換などの消耗品費用も管理費での負担になります。廊下やエレベーターの多いマンションでは、維持費や光熱費の金額が大きくなってしまうことも多いようです。

3.税金や保険料
駐車場や駐輪場を区分所有者以外に有料で貸し出している管理組合では、駐車場代や駐輪場代は収入とみなされ課税対象となることから、税金も管理費で負担することとなります。また、火災保険も管理組合で加入するのでその保険料や、マンション側の不備が認められる怪我を人に負わせてしまった場合の損害賠償保険などの保険料も、管理費での支払いです。

4.その他
日常的に支払う上記1~3のお金以外にも、マンションの長期修繕計画の見直しのための専門家費用や防災訓練の費用などの支払いもあります。

管理費節約で見直すべきポイントは?

まず前述の4点の項目のうち一番手軽に行うことができるのが、光熱費の削減です。廊下の電気やエレベーターなど、共用部の光熱費は案外馬鹿になりません。廊下の電球のワット数をさげてみたり、皆が自由に使える水道の元栓を管理して水道の無駄遣いを防いでみたりするだけでも、大きな面積を占める共用部では大きな効果が見込めます。

また、大きな削減効果が見込めるものの慎重に行いたいのが管理会社の見直しです。管理会社との契約内容にもよりますが、今の契約内容で不必要なものがないか見直しを行い、不必要な契約を削ることで、その分の管理費を下げることができます。

さらに、今の管理会社の価格が高いと感じる場合には、他の管理会社で見積もりをとることも有効です。実際に何社か見積もりをとることで管理費用の相場が分かりますし、その見積もり結果を基に今の管理会社に値下げ交渉を行うこともできるかもしれません。同じサービスでもその品質は会社によって違いますので、安かろう悪かろうではなく双方共に納得のいく金額で契約を行えるといいですね。

今のマンション管理費に満足していますか?

あなたは住んでいるマンションの管理費は妥当だと思いますか? 国土交通省の「平成25年マンション総合調査結果」によると、管理費の平均額は月15,257円となっており、妥当性については約10%の人が「徴収しすぎである」と感じているという結果が出ています。マンションの管理費は戸数別平均額だけでははかれませんが、「納得のいかないまま管理費を払い続けている」というのは管理組合の一員としておかしな話ではないでしょうか。高いと感じるのであればどこに管理費が使われているのか、どういった収支なのかを把握し、その結果、納得して組合の運営に関わることが重要なのです。管理組合員は一人ひとりがマンション管理の責任者であるため、管理費に納得がいかないのであればまず内訳を見直すことから始めてみましょう。

タグ TAG