住まいの今と未来をつたえる

暮らし

もしも修繕委員になったら…後悔しない大規模修繕工事のために実施したい3つのこと

2018.04.06

あなたは理事会や修繕委員会を勤めたことがありますか? マンションに住んでいる方は住み続けていれば遅かれ早かれ理事や修繕委員を経験することになりますが、実際に経験したことがない方というのも多いのではないでしょうか。なかでも大規模修繕工事1回目の修繕委員の場合経験者がいないため、一から手探りで進めていかなければなりません。大規模修繕工事は区分所有者全員から集めている修繕積立金を使って行う、マンション管理という面でも資産価値を守るという面でもとても大切な工事です。もし大規模修繕工事が近づいて修繕委員会が立ち上がり委員会のメンバーとなった際に全く知識がなかったら……とても不安ですよね。そこで今回は、大規模修繕工事で後悔しないための工事前に修繕委員会でやっておきたいことをご紹介いたします。

修繕委員は責任重大! 工事前にやっておけばよかったこと


1. 総会での早期の合意獲得
大規模修繕工事は管理組合のお金を使用するため、始める前に総会で過半数の合意を取る必要があります。建て替えと比べると合意に必要な人数は少なくなりますが、一般的な大規模修繕工事の実施周期と比べて時期が早かったり、工事費が高かったりする場合には合意をとるのが難しくなることが予想されます。特に2回目以降の大規模修繕工事では経年劣化が進み1度目よりも修繕が必要な箇所が増えることで、工事金額が1回目の大規模修繕工事よりも高くなることが通常です。しかし、劣化状況の詳細ではなく工事金額のみに意識がある居住者にとっては、1回目の大規模修繕工事の工事金額から費用が増額することが疑問点に……。なぜ2回目のほうが費用がかかるのかを、調査結果を含めて説明するなど具体的な根拠に基づいて説明しましょう。早めに合意を取る段取りをしておかないと、予定時期までに合意を取れず大規模修繕工事が延期になってしまう可能性もでてきます。

2. 事前にクレーム対策を立てておく
大規模修繕工事ではさまざまな「非日常的」なことが起こります。タイル工事や足場工事では大きな音が長い時間続き、防水工事や塗装工事では強い臭気がするといったことが大規模修繕工事中は続きますので、音や臭いに敏感な方や耐性が弱い方が居住者にいる場合は、それがクレームになることも。工事を行う上で全く大きな音を出さないことも、臭いを出さないことも難しいため、苦情が来たときに落ち着いて対処できるよう、事前に想定されるクレーム内容と対処方法を決めておくと良いでしょう。また、事前に予想される工事の影響について説明会を行うことで、クレームになりにくくなります。

3. 知識の収集と共有
第1回目の大規模修繕工事に関わる管理組合の方は、ほぼ全員が工事に関しての知識がない状態でのスタートとなります。しかし、知識が無いままだと本当に適切な工事を行っているのか、工事金額が適切なのかなど判断する材料が無く、管理会社やコンサルタント、工事関係者のいいなりになってしまう可能性があります。また、もし管理組合の中に建設業に詳しい方がいた場合には、助かることも多いものの、反面その人の意見ばかりが通る状態になってしまう可能性もあり、後々にトラブルを招きやすい環境になってしまいます。全員で一致団結して工事を行うためには、事前に大規模修繕工事の知識の収集と共有をしておき、全員が平等に意見を出せる状態にしておくことが大切です。そのためにも修繕委員になった方は、積極的に知識や情報の収集に努めることが必要になります。

事前準備万端で望みたい大規模修繕工事

初めての修繕委員や理事はどうしても「建物のことや工事のことなんて分からない……」とみんな不安になるものですが、最初は素人で当たり前です。不安を少しでも払拭するためには、まず自分で知識を蓄えてトラブルを回避する術を身につける必要があります。国土交通省のホームページをはじめ、WEBには大規模修繕工事関連のさまざまな情報が掲載されています。また、大規模修繕工事関連のイベントに参加することや、ご友人で経験のある方がいらっしゃれば、その方のお話を聞くのも参考になるのでおすすめです。
自分たちのマンションは自分たちで守っていく・価値を高めていくことが大切です。大規模修繕工事を資産価値の維持・向上する絶好の機会ととらえて、前向きに取り組みをしていきましょう。

タグ TAG